愛犬のダイエット用フードを選ぶと、どうしてもカロリーや脂質だけに目が行きがちですが、ダイエットよりも大切なのは愛犬の健康管理です。より効果的にダイエットを行うためにも、極端なフードの切り替えは禁物です。
そこで今回は、効果的なダイエットフードの選び方について解説していきたいと思います。
ダイエット用フードの種類
犬のダイエット用ドッグフードにも色々な種類がありますが、どのメーカーのダイエット用ドッグフードも愛犬に合うとは限りません。
また、メーカーによっては犬の必要としている栄養バランスの考え方が違っていたり、原材料も大きく異なってくるため、ダイエットフードだからといって全てが良いドッグフードとは言えません。
中にはダイエット用フードとうたいながらも、原材料や成分は決してダイエットに適しているとは言い難い製品も多く見られます。しかしながら、これも「ダイエット用」と言って嘘ではありません。
というのも、それは「当社比」によるものなので、ラインナップの中のベースとなるドッグフードよりも低カロリーであれば、それはそれで「ダイエット用」のドッグフードと言えるからです。
メーカーによって異なる内容の違い
例えばドッグフードメーカーのA社とB社があり、A社のダイエットフードがB社のダイエットフードよりも高カロリーだったとします。しかし、ここでA社のドッグフードが優れていないと判断するのは間違っています。
ここでポイントとなるのが、メーカー内のベースとなっているドッグフードです。
A社のベースとなるドッグフードが、B社のベースとなるドッグフードよりも高カロリーなドッグフードである場合もあるのです。
それであれば、A社のベースのドッグフードよりも「当社比」で低カロリーなダイエットフードであれば、B社のダイエットフードよりも高カロリーであっても、A社の中ではダイエットフードと扱われます。
他のダイエットフードよりも高カロリーなドッグフードであっても、あくまで当社比であるので、一概にA社のドッグフードは優れていないと判断はしかねるわけです。
ドッグフードによって考え方は異なる
次に犬によってもドッグフードの合う・合わないという問題もあります。
上記の例で、普段与えているのがA社のドッグフードであった場合、B社のドッグフードが愛犬に合うとは一概には言えません。
それは犬によっても必要とする栄養素が微妙に違っていたり、犬によっても生活スタイルが異なるために、いくら良いと言われるドッグフードでも合わない場合があるということです。
A社のフードは高カロリーであっても、運動量の多い犬であればB社のヘルシーなドッグフードではいまひとつ栄養価が足りないというケースもあるわけです。ですので、「ダイエットフード」というくくりで見るのではなく、普段与えているドッグフードの成分から、愛犬にあったドッグフードを検討していくのがベストと言えます。
そこでまずは、ダイエット中に必要となるドッグフード選びのポイントについて触れていきたいと思います。
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原材料の確認は必須です
愛犬のドッグフード選びでポイントにしたいのは、まずは原材料についてです。
犬は元々肉食動物の血を引く動物で、進化することで雑食性の肉食動物となっていきました。完全な肉食動物ではないので、ドッグフードにも穀物や野菜などを多く含むドッグフードがほとんどですが、犬の消化器官の作りを見てみると、やはり肉食動物の血を引くので「肉」を消化するのに適した消化器官を持っています。
ダイエットで大事なのは、いかに消化がよく、スムーズに栄養を摂取出来るかです。消化に悪い物を与えると犬は消化不良を招き、肥満の引き金となったり体調を崩してしまう場合もあります。
こうした考え方から、犬は動物性タンパク源を多く含むドッグフードのほうが、穀物類を多く含むドッグフードよりも消化がしやすいと言えます。
犬に必要なタンパク質を計算
とはいえ、肉をたくさん食べさせると犬が太るのでは?と思いますね。動物性タンパク源を多く摂取することは、タンパク質を多く摂取できる反面、脂質やカロリーも気になるところです。
しかし、犬はタンパク質を多く必要とします。タンパク質は筋肉を健康に維持したり作り出したりするのに必要ですが、タンパク質不足は体の新陳代謝にも関係してきます。
新陳代謝が落ちてくると、犬も思うようにエネルギーを消費できなくなりますので、今度はエネルギー過多の状態に陥ってきます。余分となったエネルギーは脂肪に蓄えられますので、肥満を引き起こしてしまうわけです。
こうならないためにも、犬には動物性タンパク源を摂取させることが大事であり、ダイエット中だからといって動物性タンパク源を控える必要は一切ありません。
ダイエット中はできるだけ避けたい「穀物」
穀物を多く使用したドッグフードは多いのですが、ドッグフードに含まれる穀物類には植物性蛋白質や炭水化物が含まれます。
人間のダイエットとしての考え方でも、炭水化物のとりすぎは肥満を引き起こすと言われていますが、これは犬にとっても同じことが言えます。炭水化物は肥満を引き起こすため、出来る限り避けたい原材料です。
また、同じ「タンパク質」でも、「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」は異なるものと考えたほうが良いでしょう。消化率を考えると動物性タンパク源の方がはるかに消化しやすく、植物性タンパク質の方が消化がしにくいためです。その差も50%ほどの差があります。
また、動物性タンパク源の方がタンパク質の量が多く、植物性タンパク質でタンパク質を補うとするとかなりの量が必要となります。消化が良くない上に多くの量を必要すると考えると、動物性タンパク源を多く摂取したほうがはるかに効率が良いのです。
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極端な原材料の変化はNG
一般に減量用やダイエット用として販売されるドッグフードの多くは、穀物類の含有量が多くなってきます。
前述でも穀物類は犬にとって消化のしにくい原材料と説明してきましたが、逆を言えば腹持ちが良いということにも繋がります。また、食物繊維を多く摂取することで消化を促し、スムーズに消化吸収させるという目的もあります。
ダイエット中に食物繊維を多く摂取させたいというのは決して間違いでは無いと思いますが、犬の状態や腸内環境によっても状況は変わってきます。メーカーによる考え方の違いはありますが、多くの食物繊維を摂取させると、逆に消化不良を引き起こし、便の状態が安定しなくなります。
それまで同社のドッグフードを消化するのに慣れていれば良いですが、動物性タンパク源の多いドッグフードから、穀物類や植物成分の多いドッグフードに切り替えると、腸内環境の状態がなかなか安定しなくなる可能性もあります。
プロ目線から見た効果的なダイエット
愛犬のダイエット中にドッグフードを選ぶポイントとしては上記にも挙げた「原材料」や「穀物を使用していない」「タンパク質の量」といったポイントが挙げられます。
とはいえ、これも説明してきたとおり、愛犬がこれまで食べてきたドッグフードの内容や、愛犬の状態(年齢など)によっても変わってきます。ダイエットも大事ですが、愛犬の健康状態を維持するためにも、極端な原材料の変化には注意しておきたいところ。
また、他にも抑えておきたいポイントはありますが、上記のポイントの他にも「脂質」や「カロリー」が低いドッグフードが、ダイエット中ではやはり理想的ではあります。
ダイエット中となるとどうしてもカロリーが低いものや脂質の低いものが良いと思われがちですが、愛犬の体調を崩してしまっては意味がありません。「できるだけ環境を変えずに、できるだけカロリーを低く」という意識でいると、ダイエットフードも選びやすいかもしれませんね。
こうした条件で見ていくと、やはり同じフードメーカー内の減量用フードを選ぶのが理想的です。ただし、ハイプレミアムと言われる高価格のドッグフードは、こうした条件下でも、しっかりとカロリーや脂質だけを抑えた内容の製品となっていますので、価格によってフードの質はある程度変わってくるとも考えたほうが良いでしょう。
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