なかなか成功しない犬のダイエット。その原因はもしかすると飼い主さんに問題が合ったり、食事の回数によるものかもしれません。なかなか愛犬の体重が落ちないからと言ってドッグフードをコロコロ変えるのは悪循環です。

そこで今回は犬のダイエットと食事の回数による影響について解説していきたいと思います。

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ダイエットの基本は栄養管理から


愛犬のダイエットを試みようとした時に、まず真っ先に考えつくダイエット方法は運動やドッグフードを切り替えることではないでしょうか。

運動に関しては毎日必ず行うべきもので、ダイエットに関わらず、愛犬の健康維持のためには毎日の散歩や運動は必須です。例えチワワであっても、ある程度の運動量は必要になりますので、肥満を引き起こさないためにも積極的に散歩に連れて行ってあげるようにしましょう。

そして、犬のダイエットで最も重要になるのが食事の管理です。まず真っ先に取り掛かりたいのが食事の管理ですが、単にダイエット用フードを与えているだけで終わっていないでしょうか。

ダイエットを成功させるためには、まずはドッグフードと栄養管理について理解する必要があります。

ニュートロの製品で比較

数値の参考のために「ニュートロ」のラインナップの一つ「シュプレモ」の成犬用と体重管理用を比較してみてみましょう。

【ニュートロ シュプレモ 小型犬用 成犬用 原材料】
チキン(肉)、チキンミール、玄米、粗挽き米、米糠、鶏脂*、ラムミール、サーモンミール、タンパク加水分解物、エンドウタンパク、ひまわり油*、亜麻仁、ビートパルプ、オーツ麦、ココナッツ、チアシード、乾燥卵、トマト、ケール、パンプキン、ホウレン草、ブルーベリー、リンゴ、ニンジン、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
*ミックストコフェロールで保存

【ニュートロ シュプレモ 超小型〜小型犬用 体重管理用 原材料】
チキン(肉)、チキンミール、玄米、米糠、粗挽き米、オーツ麦、ビートパルプ、タンパク加水分解物、ラムミール、サーモンミール、鶏脂*、ひまわり油*、亜麻仁、ココナッツ、チアシード、乾燥卵、トマト、ケール、パンプキン、ホウレン草、ブルーベリー、リンゴ、ニンジン、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
*ミックストコフェロールで保存

シュプレモの「成犬用」と「体重管理用」の主原料を比較してみると、実際そこまで差があるようには感じないのではないでしょうか。

ここでポイントにしたいのが、ドッグフードに使用される「第一主原料」についてです。シュプレモは高品質なドッグフードですので、第一主原料には肉類である動物性タンパク源が使用されています。

というのも、犬は本来は雑食性の肉食動物ですので、主食となるのは肉や魚などの動物性タンパク源が必須となります。肉は消化のしやすい食材であり、犬にとっては重要なタンパク源であり、消化吸収のしやすい食材なのです。

一方で、消化のしにくい穀物類や野菜などの植物成分は、人間ほど必要とはしておらず、適量を摂取していればよい程度のものとなります。そこで次に、量販店などでも販売されているアイムスのダイエット用フードである「成犬用 体重管理用」について見てみましょう。

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ダイエット用ドッグフードの比較


以下がアイムスのダイエット用フードである「体重管理用」の原材料です。ポイントとなる第一主原料を見てみましょう。

【アイムス 成犬用 体重管理用 原材料】
とうもろこし、小麦、肉類(チキンミール、家禽ミール)、動物性油脂、
乾燥ビートパルプ、家禽エキス、乾燥卵、STPP (トリポリリン酸塩)、ひ
まわり油、フラクトオリゴ糖、フィッシュオイル、L-カルニチン、ビタミン
類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビ
オチン、葉酸)、ミネラル類(亜鉛、カリウム、クロライド、セレン、銅、ナ
トリウム、マンガン、ヨウ素)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤
(BHA、BHT、クエン酸)

第一主原料には穀物類である「とうもろこし」、続いて「小麦」と、上位の原材料が穀物類であることが分かります。前述の通り、穀物類は消化のしにくい食材ですので、ダイエット中はできるだけ控えておきたいところです。

このようにドッグフードに使用される穀物類に関しては、ドッグフードに加工される際に消化のしやすい状態にされているものがほとんどではありますが、やはり動物性タンパク源よりも消化がしやすいとは言えません。

アイムスに限らず「減量用」「ダイエット用」など、様々な商品名が付いているドッグフードはたくさんありますが、ダイエットを行う際にはまずは原材料の確認、そして消化のしやすい原材料が主原料として使われているかどうかを確認するのがポイントです。

運動量も関係してくるドッグフードの成分

ではドッグフードのそれぞれの成分はどうでしょうか。

【ニュートロ シュプレモ 超小型〜小型犬用 体重管理用 成分】
タンパク質:24%
脂質:10%〜13%
粗繊維:4%
灰分:10.5%
水分:10%
カロリー:335Kcal/100g

【アイムス 成犬用 体重管理用 成分】
タンパク質:21%
脂質:8.5%
粗繊維:4%
灰分:8%
水分:10%
カロリー:360Kcal/100g

成分に関しては各社、栄養管理の考え方も若干異なってくるので、完全な正解というのは難しいところですが、こうして別ブランドの体重管理用を比較してみると、シュプレモは動物性タンパク源を多く含みますのでタンパク質は多め、脂質も高めであることが分かります。

一方でアイムスのほうが脂質は低い反面、カロリーは高めであることが分かります。

ダイエットフードに求められるのは低カロリーで低脂肪ですので、一見するとどちらがダイエットに向いているのかわからないのではないでしょうか。そこでポイントにしたいのが、前述の通り主原料の違いとタンパク質の量です。

カロリーとタンパク質に関しては運動量も関係してきますので、運動量の少ない犬はカロリーは低めのドッグフードを与えるべき。また、運動量は普通〜という感じであれば、タンパク質は高めでも問題なく、カロリーもしっかり消化することが出来るでしょう。

食事の回数はダイエットの基本

こうした考え方を踏まえて、意外と大切なポイントになるのが食事の回数です。

愛犬の食事は1日何回でしょうか。多くの方は1日2回で与えている方が多いと思いますが、中には1日1回というケースもあるでしょう。

ここでひとつ覚えておきたいポイントが、一気に食べると血中の血糖値が一気に上昇してしまうということです。血糖値は血中の糖分ですが、一気に血糖値が上昇してしまうと、余分に作られた血液中の糖分は脂肪へと変わっていきます。

ここで抑えておきたいのは、できるだけ血糖値の上昇をゆるやかにするという事です。先程から消化について触れてきましたが、消化のしやすい食事を適切なスピードで摂取していれば、血糖値もゆるやかに上昇し、ゆるやかに下降していきます。

一方で消化のしにくい食事を与えると、常に体は消化状態におかれ、血糖値も上昇した高い状態のまま維持される事となります。

人間も犬も同じですが、ダイエットを成功させるためには血糖値の上昇を緩やかにするということが大事になってくるのです。

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食事の回数と消化の関係


1日1回の食事だと、血糖値の上昇も1回に抑えられると思ったら間違いです。この場合、体は勝手に次の食事まで時間が空くと理解し、今度は少ない食事回数でエネルギーを溜め込もうと、脂肪へと蓄え始めてしまうようです。

こうした状態を防ぐために、1日数回の食事が理想的であり、血糖値の上昇も緩やかにすることが出来るわけです。1日2回、もしくは1日3回の食事でも十分ですので、1日1回の食事でダイエットに失敗しているようであれば、食事の回数を分けてあげることもダイエットの効果が期待できます。

また、食事の仕方はできるだけゆっくりと食べさせることが大切です。一気に早食いしてしまうのが犬の食事の仕方ですが、ドッグフードの種類によっては一気食いに向かないドッグフードもあります。

一気食いに向かないドッグフードというのが、前述でも触れてきた穀物の量が多いドッグフードです。動物性タンパク源が多いドッグフードは一気食いしても消化は早いですのでそこまで心配はありませんが、穀物は消化に時間がかかりますので、なるべくゆっくりと食べさせることが大事になってきます。

プロ目線から見たダイエットと食事の回数

ダイエットは食事の回数もポイントになってくるのは説明してきたとおりですが、よりダイエットの効果を高めるのであれば、抑えておきたいポイントは3つ。

1つ目は、穀物を含まない「グレインフリー」のドッグフードや、動物性タンパク源が豊富なドッグフードを与えること。
2つ目は、食事の回数を2回、または3回にしてあげること。
3つ目は、一気食いさせずにゆっくりと食べさせること。

そして根本的に重要なのが、運動をしっかりと行うという事です。また、ドッグフードは1日に犬が必要としている栄養を摂取できるように作られていますので、おやつの与えすぎにも注意が必要です。

おやつを与えるだけですぐにカロリーオーバーの計算になりますので、おやつの与えすぎには十分に注意しなければなりません。

これらのポイントを実行してもなかなかダイエットが成功しない場合には、他にも要因がある可能性があります。食事の回数を増やすというのは、非常に基本的な方法となりますので、色々試しても効果が出ていないという場合には、まずは基本に戻って単純な方法でダイエットを行ってみるのが良いかもしれませんよ。

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