肥満傾向の犬は食べるものにも注意が必要。特におやつは肥満を助長させてしまうので、出来る限りダイエットできる食材を与えたいところ。そこでおすすめとなるのが「さつまいも」です。

今回はさつまいもを利用したダイエット方法や、さつまいもがダイエットにおすすめな理由をご紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク

さつまいもは犬のダイエットに最適?


人間のダイエット法で「さつまいもダイエット」という方法を聞いたことがあるでしょうか。さつまいもは食物繊維が豊富な野菜ですので消化にもよく、かつ栄養価も高い野菜ですので、さつまいもをご飯に置換えるダイエット法が注目されています。

そんなダイエットにも最適なさつまいもですが、犬のダイエット法としても使うことが出来るのでしょうか。

犬には与えても問題のない野菜・危険な野菜が存在しますが、さつまいもは犬に与えても問題のない野菜の一つ。さつまいもは人間が食べても甘みを感じる美味しい野菜ですが、犬用のおやつやドッグフードにもさつまいもが使用されている物もある通り、犬もさつまいもが大好きです。

実はさつまいもは、犬に対しても優れたダイエット食材として利用することができる野菜なのです。

さつまいもの栄養価について

では実際にさつまいもの栄養価について見てみましょう。

【さつまいもの栄養価(100gあたり)】

エネルギー:132Kcal
タンパク質:1.2g
脂質:0.2g
炭水化物:31.5g
ビタミンC:29mg
ビタミンE:1.6mg
ビタミンB2:0.03mg
ビタミンB6:0.28mg
カルシウム:40mg
マグネシウム:25mg
リン:46mg
カリウム:470mg
ナトリウム:4mg

上記がさつまいも100g中の主な栄養価です。さつまいもは栄養価・食物繊維ともに豊富に含まれる野菜と説明しましたが、中でも注目すべきがビタミンCとビタミンB6の含有量です。

ビタミンCは抗酸化作用のあるビタミンとしても知られ、免疫力を高める効果やストレスにも負けない体つくりをするのにも最適なビタミンです。また、皮膚トラブルを起こしている場合にも、良い効果を与えるビタミンです。

ビタミンB6は脂質の代謝を促進するために必要なビタミンで、特に肝臓に脂肪が蓄積してしまうのを抑制する大事な働きを行います。肝臓に脂肪が蓄積されていくと脂肪肝を引き起こしてしまうので、積極的に摂取しておきたいビタミンの一つでもあります。

さつまいもの与え方

さつまいもにはこれらのビタミンの他にも、豊富な食物繊維が含まれます。食物繊維は消化を助け、便通をよくする効果がありますので、便秘気味の犬にも最適な食材です。

便通を良くすることはダイエットにも良い効果を与えることでしょう。日頃から便秘気味の犬はドッグフードが合っていない可能性もありますが、食物繊維が足りていないのかもしれません。

ただし、日頃から便通の良い犬は便が逆に緩くなってしまう恐れもありますので、便通に問題のない犬にさつまいもを与える際には、少量ずつから様子を見て与えるようにしましょう。

量は1cm角に刻んだものを1回1〜2個程度。始めのうちは便の状態を確認しながら与え、問題なさそうであれば少しずつ量を増やしても良いでしょう。

スポンサードリンク

さつまいもは体の健康維持にも最適


基本的に犬は肉食よりの雑食性の動物です。草食動物よりは食物繊維を必要とはしていませんが、適量は犬にも必要なものです。特に現代の犬は「肉」よりもドッグフードを主食としていますので、穀物類などの消化のしにくいものを摂取する機会も多いです。

穀物は肉と比較して消化のしにくい食材ですので、食物繊維を摂取して消化を促す必要があります。消化不良を起こしてしまうことは、犬の肥満を引き起こす要因にもなりますので、日頃からしっかりと消化できる体を作り、しっかりと栄養を摂取できるようにならなければなりません。

さつまいもはこの消化に対しても良い効果を与える食材ですので、ダイエット目的としても適量与えたい食材でもあります。

また、食品を摂取し、体内で摂取した食品が糖に変わっていく状態を数値化(血糖値)したものが「GI値」と呼ばれますが、さつまいもに含まれる「レジスタントスターチ」は血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

ゆっくりと食べたものを消化するので、腸内環境を正常化させつつ、ダイエットにも良い効果を与える事ができるでしょう。

おやつとしても与えやすいさつまいも

さつまいもに含まれるビタミンCは熱にも強いビタミンですので、さつまいもを蒸したり、焼いたりしたものでも破壊されずにしっかりとビタミンCを摂取することが出来ます。

さつまいもを与える際は蒸したさつまいもを練って、ドッグフードに混ぜてあげる方法もおすすめですが、おやつとしても与えやすいのがさつまいもの良いところ。また、さつまいもは「焼き芋」や「ふかし芋」「チップス」など、色々なパターンで与えることが出来ますので、飽き性な犬でも喜んで食べてくれることでしょう。

焼き芋屋ふかし芋にした際には、十分に熱を冷まし、喉に詰まらせないように小さく刻んで与えるようにしましょう。

さつまいもの与えすぎには注意

さつまいもはカロリーや糖質もやや高い食材ですので、与えすぎには注意が必要となります。

炭水化物は犬の健康を維持するのに欠かせない栄養素ですが、摂取しすぎると肥満を引き起こす要因になります。どんな食材にも言えることですが、与え過ぎはダイエットどころか、肥満を引き起こしてしまったり、栄養過多の要因にもなります。

また、食物繊維の豊富なさつまいもは場合によっては消化を良くしすぎて下痢を引き起こす場合もあります。犬は草食動物よりも上手に食物成分を消化することが出来ません。そのため、摂取量が多いと便が緩くなってしまうことがあるのです。

おなかを下してダイエットさせるのは、犬にとってはあまりよい方法とは言えませんので、腸内環境を安定させることを目的としてさつまいもを与えるようにしましょう。

スポンサードリンク

プロ目線から見たポイント


さつまいもを愛犬に与える際に気をつけておきたいのが、さつまいもには「シュウ酸」が含まれているという点です。シュウ酸を含む野菜の代表格と言えば「ホウレンソウ」ですが、さつまいもにもホウレンソウの7分の1ながら、シュウ酸が含まれる野菜です。

特に注意したいのが、これまでに尿路結石を発症した経験のある犬です。尿路結石にもタイプがありますが、シュウ酸カルシウム結石であった場合には、さつまいもは避けたほうが良いかもしれません。

また、さつまいもはカリウムを多く含む野菜でもあります。特に腎臓系統のトラブルを抱えている場合や、心臓病をもっている犬は、カリウムを思うように排泄できずに過剰症に陥る可能性も否めません。

さつまいもは栄養豊富である反面、栄養過多になる可能性もありますので、何かしら体にトラブルを抱えている場合には、十分に注意してから与えるようにしましょう。

まとめ

さつまいもは腸内環境を整え、適量を守ればダイエットにも効果が期待できる食材であることがわかりましたね。

しかし、さつまいもはそれなりにカロリーもある食材です。与え過ぎはかえって肥満を引き起こす可能性もありますので、あくまでも少量を与えるようにするのが大事です。

さつまいもは食べてダイエットの効果があるのではなく、腸内環境を整えて、循環の良い状態にさせることが目的となる食材です。ですので、便の状態を把握することは大事になりますし、適度な運動も大事になります。

まずは日頃の食生活や生活スタイルを見直すようにし、プラスαでさつまいもを与えるようにして、体の状態を整えてあげることが、ダイエットへの近道となるでしょう。

スポンサーリンク