愛犬が太ってきたからと言って安易にランニングに連れ出したり、無理にランニングをさせてしまってはいないでしょうか。確かにランニングはダイエットにもなりますし、愛犬の健康維持にも最適な方法ではありますが、体が慣れていなかったり、体重増が多いままですと怪我をしてしまう可能性もあります。

そこで今回は、愛犬のダイエットにも最適なランニングを行うための段取りやポイントについて解説していきたいと思います。

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肥満状態の悪循環


犬のダイエット法として運動することは非常に重要なポイントとなります。肥満になってしまった犬は自分の重くなった体を支えることに精一杯で、運動どころではありません。そのため、どんどんと運動量が落ちていってしまい、さらに肥満体質になっていくという悪循環が生まれてしまいます。

こうした悪循環を断ち切るためにも、犬に運動をさせることは大事になるのですが、日頃から運動していないのに突然、運動をさせようと思ってもなかなか難しいことです。

さらに、肥満状態の体で無理やり運動をさせてしまうと、場合によっては足腰に無理がかかってしまうためにもダメージが加わってしまい、怪我をしてしまったり、ヘルニアなどを引き起こしてしまう場合があります。

椎間板ヘルニアとは

ヘルニアとは、本来あるべき場所にある部位がずれてしまったりする症状で、部位によってそれぞれヘルニアの呼称も異なるものになっています。中でも肥満が原因で引き起こされるのが「椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)」と呼ばれるヘルニアです。

椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間でクッション材の役割を果たしている「椎間板」が押しつぶされて変形してしまっている症状で、ゼリー状の成分である椎間板が変形して、背骨を通る脊椎を圧迫し、強い痛みを生じさせてしまいます。

強い痛みがあることから、抱っこされるのを嫌がったり、動かなくなったりといった様子が見られるようになり、場合によっては歩行することができなくなってしまう場合もある怖い症状です。

椎間板ヘルニアは肥満になってしまった体を支えるのに、背骨や椎間板に無理がかかってしまうことで発症するため、肥満体質の犬は特に注意が必要になってきます。

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散歩から始めるダイエット

椎間板ヘルニアは重い体を支えているだけでもリスクが高くなるため、肥満状態の犬に無理に運動させてしまうことで、より椎間板ヘルニアを発症するリスクが高まってしまいます。

そのため、太ってきたからと言って安易に犬を運動させてしまうと、怪我やヘルニアを引き起こす可能性を高めてしまうのです。肥満体質になった犬をダイエットさせるには、まずはある程度の体重を落としてあげなければなりません。

ただし、椎間板ヘルニアが怖いからと言って少しも運動させないのは、さらに肥満を引き起こす事となりますので、適度な運動は行わなければなりません。

急激に走らせたり、無理な体制で抱っこしたりするのを気をつけていれば、問題はありません。散歩程度の運動から始め、少しでも足腰を鍛えたり、カロリーを消費させることを意識してみましょう。

ランニングは体重を落としてから


犬のダイエットのためにランニングさせるのは、上記の状態をクリアしてからとなります。ただし、椎間板ヘルニアを始め、関節や骨折などのリスクは肥満が原因だけではありません。

日頃から運動していないのに、突然体を激しく動かすと怪我をしてしまうのは犬も人間も同じこと。ランニングはある程度体を動かすのに慣れてきてからが理想的と言えるでしょう。

ダイエット目的で効果的に愛犬をランニングさせるためには、まずはある程度体重を落としてから、さらに徐々に運動量を増やしながら体を慣れさせていくようにしましょう。

そのためには食事の管理、愛犬の体調管理が重要なポイントになります。そこで、体重を効果的に減らし、運動量を増やしていく手段について考えてみましょう。

徐々に距離を伸ばしましょう

現在与えているドッグフードは減量用のドッグフードでしょうか。もしくは通常のドッグフードでしょうか。効果的にダイエットを行うためにはドッグフードの選び方も大事ですが、さらに大事なのは愛犬の摂取カロリーや食事の管理です。

市販されているドッグフードは、基本的に1日量で犬が必要とする摂取カロリーや栄養素を満たせるように設計されています。そのため、おやつを1回与えるだけでもカロリーオーバーになっていると言うことを理解しておきましょう。

適度な運動を行っていれば、ある程度のカロリーも消費されていますので、「より」効果的にダイエットを行うには減量用のドッグフードを与えるのがベターではありますが、運動量によっては通常のドッグフードでもダイエットさせることは可能です。

おやつの与え過ぎや給餌量のミス、全く運動をしていないという場合には、減量用のドッグフードを与え、カロリーオーバーを減らすようにしましょう。また、おやつの与えすぎであれば、飼い主さんがしっかりとコントロールし、食事制限を行わなければなりません。1日1回のおやつでも、決して少なくはありません。

ボディコンディションスコア


愛犬の肥満度がどのくらいかわからないのであれば、「ボディコンディションスコア(BCS)」を参考にしてみましょう。ほとんどのボディコンディションスコアは5段階に分けられており、BSC3を通常に、BSC1であれば痩せすぎ、BSC5であれば太り過ぎと判断することが出来ます。

過剰な肥満度であるBSC5であれば、愛犬の肋部分は触れてもわからず、上から体を見たときも腰のくびれが確認できない状態です。また、贅肉も垂れ下がっている状態です。

これがBSC4になれば、上から見たときのクビレは確認できなくとも、直接触れることで肋骨を確認することが出来るでしょう。

ランニングを行うのであれば、せめてBSC4程度の状態まで食事制限や、散歩などの軽めの運動を積極的に行い、少し体を絞りつつも運動になれさせてから、本格的なダイエットに移行していくようにしましょう。

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食事の管理とダイエット

愛犬のボディコンディションスコアがBSC5で、軽めの散歩すらも出来ないほどに肥満状態になっているのであれば、無理に運動はさせないでプール等の施設を利用するようにしましょう。

プールで体を動かすのは、足腰への負担もなく、しっかりとカロリーを消費することができますので、かなり肥満状態の犬にもおすすめの運動方法となります。無理に運動をさせて関節を痛めてしまっては、その後の運動やダイエットにも悪影響を及ぼすことになります。

ダイエットやランニングを行うには、ある程度体を絞り、最低限、体を動かすことが出来るようになってから行うことをおすすめします。怪我をしてしまってはダイエットどころではありません。

しっかりと食事の管理をおこない、出来る限り体に負担のないようにダイエットを行うようにしましょう。

まとめ

本来であれば、適切な食事を摂取し、適切な運動を行っていれば肥満になることもありません。また、日頃から運動を行っているのであれば、いざ体重が増加しても、ランニングで体を絞ることも簡単でしょう。

しかし、日頃から運動もせず、食事の管理も適当であれば、いざ肥満担ってしまったときも、なかなかダイエットに移行するのが難しくなるでしょう。

ランニングは犬の運動の中でも、特に効率よくカロリーを消費することの出来る方法ではありますが、そのためには最低限の準備や気をつけるべきポイントがあります。体を絞らないままランニングを行うと怪我をするリスクも高くなりますので、日頃からしっかりと健康管理を行い、散歩などで少しずつ運動量を増やしていってあげるようにしましょう。

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