高タンパクで動物性タンパク源をふんだんに利用したドッグフード「オリジン」。オリジンは活発な成犬に最適なドッグフードと言えますが、ダイエット中の犬にとっては不向きなドッグフードなのでしょうか。

今回はダイエット中の犬にオリジンが最適なのかどうかを解説していきたいと思います。

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オリジンとは?

「オリジン(Orijen)」はアメリカ原産のドッグフードで、動物性タンパク質の含有量が高く、その割合も85%前後という高さになっています。残り15%〜20%は果物や野菜などの食物成分で占められ、穀物類は含まないグレインフリーのドッグフードとなっています。

穀物類は犬が消化を苦手とする食材で、消化不良を引き起こしたり、アレルギーを引き起こす場合もある事がわかっています。穀物類に含まれる「グルテン」と呼ばれる成分が穀物アレルギーを引き起こす要因となっていますが、オリジンはグレインフリー(穀物不使用)のドッグフードですので、こうした心配をする必要はありません。

動物性タンパク源に使われる原材料は「肉」や「魚」であり、また原材料の品質自体も高品質な原材料が使われていますので、高品質なタンパク質を摂取することができるのです。

オリジンはダイエットフードに不向き?


オリジンは高タンパク質なドッグフードですので、ダイエットには不向きなドッグフードと思われているかもしれませんね。確かに、オリジンのドッグフードは動物性タンパク源の割合も多く、運動量もそれなりになければ徐々に肥満を引き起こしかねないドッグフードではあります。

そんなオリジンのドッグフードですが、ラインナップの中にある「フィット&トリム」は体重管理用のドッグフードで、肥満傾向の愛犬向きの低カロリーなラインアップとなっています。

オリジンのラインアップのひとつなので、当然、原材料の85%は動物性タンパク源が使用されており、高タンパクな内容ながら脂質やカロリーは他のラインナップよりも控えめな内容になっています。

また、オリジンのドッグフードは低GIの食材を使用したドッグフードで、高GIな食材は一切使用せずに作られていますので、オリジンはダイエットには不向きなドッグフードというわけではないのです。

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「GI値」とは?

「GI値」とは、食後血糖値の上昇する早さを計ったもので、「グライセミック・インデックス(Glycemic Index)」を略して「GI値」と呼びます。

このGIとは、食事中に含まれる糖質の吸収されるスピードを表したもので、3つの段階の「高GI」「中GI」「低GI」に分けられています。それぞれ数値によって分けられますが、肥満を引き起こさないためにも、できるだけ低GIの食品を選ぶのが理想と言えます。

糖質は急激に体内に吸収されてしまうと、脂肪の蓄積の原因となるインスリンが多く分泌されてしまい、肥満を引き起こしやすくなるのです。低GIの食品であれば、体内への糖質の吸収がゆるやかに行われ、インスリンを分泌する量も大きく変わってくるわけです。

ドッグフードに含まれる原材料には高GIの食品も多く、代表的なもので言えば白米やトウモロコシ、ポテトが挙げられます。これらの食材は高GI食品ですが、ドッグフードの主原料に使用されている事も多く、結果として肥満を引き起こす要因となってしまっているのです。

オリジンの原材料に使用されるものは低GIの原材料が使用されているので、しっかりと栄養を吸収できる反面、血糖値の上昇もゆるやかな原材料が使用されているわけです。では、具体的にオリジンの原材料を見てみましょう。

ダイエット中の犬にもおすすめな原材料


オリジンのフィット&トリムの主原料は「新鮮鶏肉」、続いて「新鮮鶏レバー」「新鮮七面鳥レバー」「新鮮タラレバー」「新鮮全卵」「アブラガレイ」と、多くの動物性タンパク源で占められています。

【オリジン フィット&トリム 原材料】
新鮮鶏肉、新鮮鶏レバー、新鮮七面鳥レバー、新鮮タラレバー、新鮮全卵、アブラガレイ、新鮮七面鳥肉、新鮮丸ごと大西洋ニシン、新鮮鶏心臓、新鮮七面鳥心臓、ディハイドレート鶏レバー、ディハイドレート七面鳥レバー、ディハイドレートイワシ、ディハイドレート鶏肉、ディハイドレート七面鳥肉、丸ごとグリーンピース、丸ごと赤レンズ豆、丸ごとヒヨコ豆、丸ごとグリーンレンズ豆、ニンジン繊維、エンドウ豆繊維、リンゴ繊維、丸ごとピント豆、丸ごとシロインゲン豆、天然鶏肉風味、粉砕鶏骨と軟骨、ディハイドレートカボチャ、ディハイドレートバターナッツスクワッシュ、ニシン油、レンズ豆繊維、乾燥ケルプ、フリーズドライ鶏レバー、フリーズドライ七面鳥レバー、フリーズドライタラレバー、新鮮丸ごとカボチャ、新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ、新鮮ケール、新鮮ホウレン草、新鮮カラシ菜、新鮮コラードグリーン、新鮮カブラ菜、新鮮丸ごとニンジン、丸ごとレッドデリシャスリンゴ、丸ごとバートレット梨、カボチャの種、ヒマワリの種、亜鉛タンパク化合物、ミックストコフェロール(天然酸化防止剤)、銅タンパク化合物、チコリー根、ターメリック、サルサ根、アルテア根、ローズヒップ、ジュニパーベリー、ドライラクトバチルスアシドフィルス菌発酵生成物、ドライプロバイオティクス発酵生成物、ドライラクトバチルスカゼイ発酵生成物

動物性タンパク源だけではなく、「ヒヨコ豆」などの植物性タンパク源も豊富に使われています。これらの原材料ももちろん低GIの食品ですので、肥満傾向の犬にも安心して与えることが出来るでしょう。

ただし、低GIの食品ばかりを摂取していればよいわけでなく、栄養バランスの偏りが発生してしまいますので、適度に高GIの食品も取り入れる必要があります。あくまでも高GI食品と低GI食品のバランスが取れていなければいけないのです。

フィット&トリムには高GIのかぼちゃが含まれますが、低GIの食品とバランスよく組み合わせることでしっかりとした栄養バランスを維持することができるのです。

高タンパク・低カロリーな成分


次にフィット&トリムの成分値を見てみましょう。実はこのフィット&トリムは、オリジンのラインナップの中でも最も高いタンパク質量で、42%という高配合になっています。

例えば、オリジンのメインラインナップとなる「オリジナル」のタンパク質は38%。脂質が18%でカロリーは394Kcal/100gという内容ですが、フィット&トリムは脂質が13%、カロリーは353Kcal/100gと、オリジナルよりもグッとヘルシーながら、しっかりとタンパク質を摂取することができます。

【オリジン フィット&トリム 成分値】
タンパク質:42.0%以上
脂質:13%以上
繊維質:8%以下
水分:12%以下
カルシウム:1%以上
リン:0.8%以上
オメガ6脂肪酸:3%以上
オメガ3脂肪酸:0.5%以上
DHA:0.08%以上
EPA:0.1%以上
グルコサミン:700mg/kg以上
コンドロイチン:600mg/kg以上
カロリー:353Kcal/100g

オリジンのラインナップは活発な成犬向きの製品が多いですが、フィット&トリムはしっかりとタンパク質を摂取しつつも、脂質やカロリーが抑えられているラインナップなので、肥満傾向、もしくは体重コントロールのしにくい犬にも最適なドッグフードということがわかります。

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プロ目線から見たオリジンのフィット&トリム

オリジンのフィット&トリムはダイエットにも最適なドッグフードということがわかりましたが、ダイエット中の老犬にとっては少し注意が必要かもしれませんね。

タンパク質は犬にとって必要不可欠なものですが、肉を消化するさいには腎臓に多くの負担が発生します。動物性タンパク源の多いオリジンはなおさらに腎臓への負担が発生してしまいます。

これが活発な成犬であれば何ら問題はありませんが、老犬になると運動量の低下や、内臓の働きも徐々に弱まっていってしまいます。そのため、体への負担も少なからず発生してしまいますので、高タンパク過ぎるドッグフードは腎臓への負担が少し心配なところです。

ダイエットフードを探す際には、できるだけ低カロリーで低脂肪なドッグフードを探しがちではありますが、年齢によってはタンパク質の量を気にする必要もあるのです。

まとめ

オリジンはダイエット向きのドッグフードというイメージも薄いですが、使い方によってはダイエット中の犬にも与えやすいドッグフードだということがわかりましたね。

色々なダイエットフードが存在していますが、オリジンのフィット&トリムは運動量を増やすことができて、なおかつ成犬〜活発な老犬向きのドッグフードではあります。前述の通り、フィット&トリムは老犬にとってはやや高いタンパク質量ですので、体調や尿の色などにも注意しながら与えたほうが良いでしょう。

オリジンはオールステージ対応のドッグフードですので、体重と状態によって給餌量を変える必要があります。日頃からしっかりと飼い主さんが体重と愛犬の健康状態を確認するようにしなければなりませんので、ある程度細かく管理できなければオリジンは不向きと言えるでしょう。

とはいえ、オリジン自体の品質はかなり高品質なドッグフードですので、ダイエット中の犬もしっかりと健康維持が行えるのがポイント。ダイエットフードというと、健康維持よりも低カロリーが優先されがちですが、しっかりと健康状態を維持しつつ、適切な運動量のある犬にはとてもおすすめのドッグフードと言えます。

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