ダイエットに適したドッグフードはたくさんありますが、中でも「サイエンス・ダイエット」はダイエットに適したドッグフードなのでしょうか。そこで今回は、ヒルズのサイエンス・ダイエットのダイエット用フードに着目して調べてみたいと思います。
ヒルズとは?
ドッグフードブランドの中でも特に有名なブランドの一つとも言える「ヒルズ サイエンス・ダイエット」。ヒルズはアメリカ原産のドッグフードで、誕生は1930年にも遡る歴史がある老舗ドッグフードメーカーの一つ。そんなヒルズの主力ブランドでもあるのが「サイエンス・ダイエット」のラインナップとなっています。
特にダイエット中の飼い主さんにとってはサイエンス・ダイエットはダイエットフードなの?と勘違いされがちではありますが、サイエンス・ダイエットの基本的な特徴は「正確な栄養バランス」という点です。
ですのでサイエンス・ダイエットは「ダイエットフード」ということではなく、健康を維持するための一般的なドッグフードとなっているのです。
ダイエットの基本
とはいえ、日頃から正確な栄養バランスを摂取し、適切な運動をこなしていれば肥満を引き起こす事は稀といえるでしょう。人間で言えば暴飲・暴食をせずに健康的な食生活を送り、日頃から身体を動かす事で健康的な生活をおくることができ、肥満とは無縁の状態にすることができるでしょう。
犬にとっても同様のことが言え、日頃から適切な生活を送っていれば肥満になるということは無いでしょう。もちろん、避妊や去勢を行うとホルモンのバランスが崩れてしまうので肥満を引き起こすケースも多くはなりますが、これも適切な栄養バランスを摂取・維持していれば問題は無いのです。
そこで問題となるのが、おやつなどの間食を多く与えていないか、運動量が極端に少なくはないかという点です。
ドッグフード以外の食べ物を与えるリスク
ヒルズの考え方では、「タンパク質」は筋肉や成長を促進するために必要で、「脂質」は健康的な皮膚や被毛を維持するのに欠かせなく、「ビタミン」は健康な体を維持する免疫力の維持に欠かせません。
このほか、「ミネラル」は骨や歯を丈夫にするために必要不可欠で、「食物繊維」は犬の健康的な消化を助けるものとなっています。
これらのバランスが崩れてしまうと、愛犬の健康維持だけでなく、肥満を引き起こしたり、肥満から病気を引き起こしてしまったりしてしまうのです。サイエンス・ダイエットに限らず、ドッグフードは1日の最適な栄養バランスを1日の給餌量でしっかりと摂取できるように設計されています。
そこにおやつなどを多量に与えると、必然的にカロリーオーバーを引き起こしてしまいますので、どうしても肥満を助長させる結果となってしまうのです。
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犬の1kgを人間に置き換えると
ヒルズの調べでは、日本の犬の4匹に1匹が肥満であるという調査結果があります。日頃からドッグフードだけを与えていれば、前述の通り肥満を引き起こす可能性も低くはなりますが、どうしてもかわいい愛犬におやつを与えてしまいがち。その結果、肥満を引き起こす事になっているのです。
犬と人間の体重差はおおよそ10倍程度ありますが、仮に適正体重5kgほどの小型犬が1kg〜2kg太ってしまったとしましょう。これを人間に置き換えると10kg〜20kg増に近い体重増加になります。
私達の身体で10kg増加してしまった事を想像してみましょう。犬にとってはたとえ500gの増加でも、人間で言えば5kg増ほどの影響があるのです。これが2kgも増加してしまっていたら、20kg増加しているのと同じことと言えるのです。
また、体重の20%増となっただけで「糖尿病」や「骨関節炎」「尿路結石」「心臓病」などのリスクが一気に高まるというデータも。ちょっとした肥満でも油断せずに、すぐに減量に取り掛かることが重要であるといえるのです。
サイエンス・ダイエットの違い
このように、肥満は病気を引き起こす恐ろしいものなのです。そこで取り入れていきたいのがダイエット中の犬に最適なドッグフードです。ヒルズのサイエンス・ダイエットには3つのラインナップがありますが、今回は比較として「サイエンス・ダイエット」と、さらに上位ランクの「サイエンス・ダイエット プロ」のダイエットフードを比較したいと思います。
比較の前に、両フードの違いですが、「サイエンス・ダイエット」はホームセンターなどで購入することの出来る廉価版のような位置づけのラインナップで、「サイエンス・ダイエット プロ」は専門店でのみ販売される、よりクオリティの高い内容のドッグフードとなっています。
フード自体の内容もサイエンス・ダイエットよりも良いものとなっていますので、価格帯もサイエンス・ダイエット プロの方が高いというのが一つの特徴です。
サイエンス・ダイエットの成分を比較
では実際に、サイエンス・ダイエットの「肥満傾向の成犬用」と、サイエンス・ダイエット プロの「健康ガード 体重管理」を比較してみましょう。
【ヒルズ サイエンス・ダイエット 肥満傾向の成犬用 成分】
タンパク質:25.3%
脂質:11.5%
繊維質:13.3%
炭水化物:44.5%
カロリー:295Kcal
【ヒルズ サイエンス・ダイエット プロ 健康ガード 体重管理 小粒 成分】
タンパク質:25%
脂質:9%
繊維質:13.3%
炭水化物:47.2%
カロリー:297Kcal
サイエンス・ダイエットの肥満傾向の成犬用は、サイエンス・ダイエットの基本ラインナップでもある「アダルト 小粒 成犬用」と比較して脂肪分は約27%減、カロリーは約15%減という内容。
一方、サイエンス・ダイエット プロの体重管理用フードは、サイエンス・ダイエット プロの基本ラインナップである「健康ガード 活力 小粒」と比較して脂肪分は約45%カット、カロリーも約20%減となっているヘルシーなドッグフードとなっています。
上記の両フードを比較すると、カロリーがサイエンス・ダイエットの方が低い反面、脂質はサイエンス・ダイエット プロの方が低い事がわかります。どちらもそこまで変わりないようにも感じますが、実際には原材料に大きな違いがあります。
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サイエンス・ダイエットの原材料を比較
では両フードの原材料を見てみましょう。ポイントとなるのは主原料の違いです。
【ヒルズ サイエンス・ダイエット 肥満傾向の成犬用 原材料】
トウモロコシ、トリ肉(チキン、ターキー)、エンドウマメ、小麦、コーングルテン、トリ肉エキス、セルロース、ビートパルプ、動物性油脂、植物性油脂、ポークエキス、亜麻仁、米、乳酸、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸類(タウリン、リジン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)、カルニチン
【ヒルズ サイエンス・ダイエット プロ 健康ガード 体重管理 小粒 原材料】
チキン、マイロ、小麦、エンドウマメブラン、コーングルテン、大麦、トウモロコシ、セルロース、チキンエキス、ビートパルプ、植物性油脂、亜麻仁、動物性油脂、小麦ブラン、オート麦ファイバー、リンゴ、ブロッコリー、ニンジン、クランベリー、エンドウマメ、乳酸、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、リジン)、カルニチン、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
上記の通り、主原料はサイエンス・ダイエットが「トウモロコシ」、サイエンス・ダイエット プロは「チキン」となっています。
犬は肉を消化することに適した消化器官を持ちます。また、上記でも触れてきましたが丈夫な身体を維持するためにはタンパク質は必要不可欠な要素となっています。
特に犬は動物性タンパク源を摂取するのが望ましく、消化の悪い穀物類はできるだけ避けたいところ。この点から見ると、サイエンス・ダイエット プロはチキンを使用していますので、犬にとっても消化のしやすいドッグフードとなっています。
対してサイエンス・ダイエットは穀物類であるとトウモロコシを採用。カロリー的には低くとも、消化という点で考えると動物性タンパク源よりも劣ると言えま
まとめ
ダイエットを成功させるためには腸内環境を整えることも大事なポイント。そのためには、できるだけ消化のよいものを食べ、消化による身体への負担を減らすという事も大切です。
両フードを比較しても、やはりポイントとなるのは穀物を主原料としているかどうかという点です。よりダイエット効果を求めるのであれば、サイエンス・ダイエット プロを選ぶほうが良いでしょう。
とはいえ、実際のところ穀物を一切使用していない「グレインフリー」のドッグフードも多く登場してきています。カロリーや脂質によってはグレインフリーのドッグフードのほうがダイエット効果は高いと言えるでしょう。
サイエンス・ダイエットシリーズに関しては穀物を使用していますので、こうしたグレインフリーのドッグフードと比較すると、ダイエット効果はやや劣るというのが正直なところです。
とはいえ、日頃からサイエンス・ダイエットシリーズを与えている場合には、別のドッグフードにコロコロ切り替えるのも、食いつきが落ちるなどのリスクがありますので、まずは同シリーズのダイエットフードを試してみる方が安心かもしれません。
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