犬のダイエットを行う際に、ドッグフードではなく「生肉」を利用したダイエットを行う方法を御存知でしょうか。生肉は犬にとって優れた食材でもあり、ダイエットにも適した食材とも言えます。

そこで今回は、生肉を利用したダイエットと生肉の特徴について解説していきたいと思います。

スポンサーリンク

犬の食性とダイエット


人間のダイエットで言うと、肉を食べることは肥満をさらに助長させるというイメージもありますが、犬にとっての肉は、人間と同じようなイメージとはまた異なるものとなります。

というのも、犬は本来であれば肉食寄りの雑食動物です。犬にとって肉は非常に大切な栄養源であり、主食として与えるべき食材なのです。

犬と人間とでは消化器官の作りが異なっていますので、肉は太りやすいというのは犬にとってはイコールとはなりません。犬は肉を消化するのに適した腸を持っており、人間の腸とは異なります。それを証明するのが腸の長さです。

人間の腸は7m〜8mほどありますが、犬の腸はわずか3m程度しかありません。そして、完全な肉食動物である猫に関しては約2m程度となっており、反対に草食動物である馬は約30m、牛に関しては40m〜50mもの長さとなっています。

肉食動物は腸が短く、草食動物は腸が長いということがわかりますが、犬は約3mほどの腸となりますので、やはり肉食動物よりの腸を持つということが分かります。

生肉はダイエットにも最適

腸の長さによって、適した食材は異なるものとなります。腸が長いということは、それだけ消化のしにくい食材を摂取しても、長い時間をかけて消化できるということに繋がります。

反対に腸が短い動物は、消化に時間をかけることができず、できるだけ消化の良いものが適しているということが分かります。

そして、消化に良い食材というのが「動物性タンパク源」ということになるのです。米やとうもろこしなど、穀物にも植物性のタンパク源が含まれますが、穀物は消化しにくい食材ですので、犬にとっては適した食材とは言えません。

また、人間のダイエットといえば野菜中心の食事がイメージされますが、野菜もまた消化のしにくい食材ですので、犬には適しているとは言えません。野菜を主食とする馬や牛は、腸も長いのでゆっくりとこうした食材を消化していくわけです。

栄養バランスの基本


こうしてみると、犬にとって最適な食材は動物性タンパク源だとわかりますが、実は動物性タンパク源だけを摂取していくのは理想的とは言えません。

あくまでも犬は肉食性の「雑食動物」。さらに、ペットである犬はさらに雑食性が強くなっていると言えますので、肉だけの食事では最適とは言えないのです。そこで大切になるのが、動物性タンパク源と植物成分のバランスなのです。

犬の祖先はオオカミですが、オオカミもまた肉だけでは生きていけません。そのため、わずかながらに植物成分も必要としているのですが、草をそのまま食べていては消化に悪いので、獲物を捕らえた際に、獲物の内蔵を食べることで食物繊維を摂取しているわけです。

オオカミが捕らえる獲物は植物成分を摂取していますので、獲物の胃袋や腸に残されている、消化仕掛けの食物成分を摂取しているわけです。

このように、自然界においてもわずかながらの食物成分を必要としていますので、オオカミの血をひく犬もまた、わずかながらの食物成分を必要とします。

生肉と消化酵素

犬のダイエットに話を戻しますが、ダイエットを行う上で大切になるのが消化の良い食事を行うことです。理想的なのは食事を摂取し、スムーズに消化・吸収が体内で行われ、スムーズに排泄できることです。

こうした食性に最も適しているのが動物性タンパク源であり、中でも「生肉」は特にダイエットに向いている食材なのです。

その理由に挙げられるのが、生肉には食物酵素が多く含まれている点です。

消化を行う際には、体内で「消化酵素」を利用して消化が行われますが、消化酵素をたくさん利用すると、今度は消化酵素を生産するために体内では、健康維持にも不可欠な「代謝酵素」を減らしてでも消化酵素を生産しようとします。

そこで登場するのが食物酵素ですが、食物酵素は消化酵素に頼らずに食物を消化してくれるため、消化酵素の節約につながり、さらには代謝酵素の節約にも繋がっていきます。

スポンサードリンク

ドライフードからは摂取できない食物酵素


食物酵素は熱に弱いため、熱を加えて製造されるドライフードからは摂取することが出来ません。また、多くのドッグフードは穀物を含んでいるため、上記でも説明したとおり、肉食に比べると消化に良い食事とは言えないのです。

食物酵素が含まれていることに加え、生肉がダイエットに向いている理由は量も少なくて済むという点です。

ドッグフードは1日に必要な栄養素を1日量の給餌量で摂取するわけですが、生肉には活きた栄養が豊富に含まれていますので、ドッグフードで摂取する量よりも少量の給餌量で済ませることが出来ます。

当然ながら栄養バランスを保つため、生肉以外にも野菜などを摂取させる必要がありますが、生肉はドッグフードを与えるよりも少量、かつ栄養豊富なので、食事の摂取カロリーをコントロールしやすいという利点があるのです。

鹿肉はダイエットにもおすすめ

生肉と言っても「鶏肉」や「ラム肉」など、いくつかの動物性タンパク源が犬用の生肉として知られていますが、中でも「鹿肉」と「馬肉」は低カロリーかつ、高タンパクな動物性タンパク源なので、ダイエットにも最適な生肉です。

鹿肉は100gあたりタンパク質が22g、脂質が1.5g、カロリーは110kcalほど。
馬肉は100gあたりタンパク質が21g、脂質が2.5g、カロリーは110kcal程となっています。

対してドッグフードによく使われる鶏肉に関しては、皮なしのもも肉状態ですとタンパク質が22g、脂質は4.8g、カロリーは138kcal程となっています。

ただし、それぞれの動物性タンパク源に特徴やメリットもありますので、一概にこれが良いというのはありませんが、最もバランスが取れているのが鶏肉、ダイエットに向いているのが鹿肉と馬肉と言えるでしょう。

生肉の与え方と注意点

上記の通り、生肉はダイエットにも適した食材ですが、生肉を与える際には感染症に対する知識を持っておくことも大事です。

当然ながら生肉は日持ちがしませんので保存する際にも冷凍であることが必須であり、できる限り早めに使い切ってしまわなければなりません。人間が肉を食べる感覚と同じで構いませんが、あくまで生肉ですので取扱には十分に注意する必要があります。

また、前述でも触れましたが生肉はあくまでも主原料であり、生肉だけではすべての栄養を賄うことは出来ません。生肉を与えるのであれば、飼い主さんがしっかりと栄養について理解し、計算を行いながらバランスよく栄養を摂取できるように、手作り食を作る必要もあります。

極端に難しく考えることはありませんが、最低限の知識は必要になってくるでしょう。

まとめ

犬のダイエットに生肉が最適という内容で解説してきました。生肉の取扱はやや難しく、栄養管理についてもある程度知識が必要であることから、生肉を愛犬に与えるのは少々ハードルが高くはなってしまいますが、内容としては優れた食材であるということは理解しておきましょう。

また、コスト面にも難がありますが、最近では「ジウィピーク」を始めとした、生食に近い(フリーズドライ)フードも登場してきていますので、こうしたフードから初めて見るのも一つかと思います。

犬の栄養を理解していくとドライフードでダイエットさせる難しさも感じてくるかと思いますが、適度に生肉食を取り入れ、スムーズなダイエットを成功させられるようにしましょう。

スポンサーリンク