ダイエット用フードが愛犬と合っていなければ、なかなか思うように食べてくれなかったり、思うように効果が出せないこともありますね。そこで今回は、ダイエット用フードはシニア犬用フードで代用ができるかどうかについて考えていきたいと思います。

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ダイエット用フードへの切り替え


犬用のダイエット用ドッグフードには色々な種類がありますが、メーカーによっても栄養に関しての考え方は微妙に異なってくるため、一概に「肥満犬用」と記載されていても、愛犬には合わない場合も少なくありません。

例えば、元から食べていたダイエット用ドッグフードから切り替えようとし、別のメーカーのダイエット用フードに切り替えようとした際に、元のドッグフードよりもカロリーが高かったり、脂質が高かったりということもあります。

成分だけで評価は出来ませんが、元のドッグフードよりもヘルシーでなければドッグフードを切り替える意味もないなと感じてしまいますね。

このように、フードメーカーによっても犬が必要としている栄養や摂取カロリーの考え方は異なります。どれが正解で、どれが間違っているかという事ではなく、いかに愛犬にあったドッグフードを選ぶことができるかが大事なポイントとなるのです。

フード切り替えのリスク

ドッグフードを切り替える時には多少なりともリスクが生じることをご存知でしょうか。リスクと言っても命に直結するようなリスクではありませんが、愛犬の健康を左右する事にもなりますので、フードの切り替えには十分に慎重になるべきなのです。

というのも、フードを切り替えることによって愛犬の「食いつき」が変わってしまうケースが多いのです。例えば、今まで食べていたドッグフードよりも切り替えたドッグフードのほうが美味しかった場合、また元に戻そうと思っても、犬は美味しい味を覚えていますので、食べてくれなくなるケースもあります。

こうしてドッグフードをあれやこれやと切り替えているうちに、愛犬はどんどんと偏食になってしまい、なかなかドッグフードを定着させることができなくなってしまうのです。

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切り替えは同じフードメーカーで

このように、愛犬が偏食になってしまわないよう、出来る限りドッグフードの切り替えは少なくしていきたいところ。さらに言えば、1種類のドッグフードでずっと続けていくのが、最も健康管理しやすいと言えます。

とはいえ、愛犬がダイエット中の時にはドッグフードを切り替えてあげる必要があります。また適正体重になったら元のドッグフードに戻してあげるのが良いですが、あまり別のメーカーのドッグフードに切り替えていないほうが、比較的にもとに戻しやすいかもしれません。

というのも、同じメーカーのフードであれば、原材料やベースとなる味は、種類を変えてもあまり変わりありませんが、別メーカーになると原材料や配合も変わりますので、自然に切り替えてあげることが難しいのです。

シニア犬用フードはダイエット用フードの代わりになる?


もう一つ考えられるのが同じフードメーカーのダイエット用フードに切り替えても、食いつきが今ひとつだったときです。この場合、元のフードに戻して給餌量を調節するか、別のフードメーカーのダイエット用フードに切り替えるかを悩んでしまいますね。

そこで注目したいのがシニア犬用のドッグフードを与えてみるという事です。すでにシニア犬の場合には難しいですが、成犬用のドッグフードを普段食べている犬であれば、成犬用よりもカロリーが低いシニア犬用もダイエット用として代用出来る場合もあります。

そこで注意しておきたいのが、成犬が必要とする栄養と、シニア犬が必要とする栄養の微妙な違いです。ポイントとしたいのは、タンパク質の量と脂質、そしてカロリーについてです。

では具体的に、フードメーカーのドッグフードを参考にして見ていきたいと思います。

ニュートロ「シュプレモ」で比較

はじめに比較していくのは、フードメーカーの中でも有名な「ニュートロ」の中のフードブランド「シュプレモ」。シュプレモのダイエット用フードである「体重管理用」と、シニア犬用の「エイジングケア」の、まずは原材料を比較して見ましょう。

【シュプレモ 超小型犬〜小型犬用 体重管理用 小粒 原材料】
チキン(肉)、チキンミール、玄米、米糠、粗挽き米、オーツ麦、ビートパルプ、タンパク加水分解物、ラムミール、サーモンミール、鶏脂*、ひまわり油*、亜麻仁、ココナッツ、チアシード、乾燥卵、トマト、ケール、パンプキン、ホウレン草、ブルーベリー、リンゴ、ニンジン、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
*ミックストコフェロールで保存

【シュプレモ 超小型犬〜小型犬用 エイジングケア 小粒 原材料】
チキン(肉)、チキンミール、玄米、粗挽き米、米糠、ラムミール、ビートパルプ、タンパク加水分解物、サーモンミール、鶏脂*、オーツ麦、ひまわり油*、亜麻仁、エンドウタンパク、フィッシュオイル*、ココナッツ、チアシード、乾燥卵、トマト、ケール、パンプキン、ホウレン草、ブルーベリー、リンゴ、ニンジン、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
*ミックストコフェロールで保存

シュプレモはホリスティック・ブレンドを特徴としたドッグフードで、自然素材にこだわった原材料を使用した高品質なドッグフードです。こうして比較すると、体重管理用もエイジングケアもそこまで大きな変わりが無いかと思います。

主原料は「チキン(肉)」であることから、どちらも第一主原料には犬が必要とするタンパク質をしっかりと摂取できる動物性タンパク源が使用されています。では続いて成分について見てみましょう。

【シュプレモ 超小型犬〜小型犬用 体重管理用 小粒 成分】
タンパク質:24%
脂質:10%〜13%
繊維質:4%
灰分:10.5%
水分:10%
カロリー:335Kcal/100g

【シュプレモ 超小型犬〜小型犬用 エイジングケア 小粒 成分】
タンパク質:27%
脂質:13%
繊維質:4%
灰分:10.5%
水分:10%
カロリー:350Kcal/100g

上記のように、成分については微妙に変わってきます。体重管理用は脂質も低く、カロリーも低いですが、エイジングケアもそれなりに低い数値になっており、タンパク質の量が多いという点では、成犬でも何ら問題のない内容となっています。

ややカロリーについては高くなってしまいますので、運動をしっかりと行うことを前提としていれば、そこまで心配な成分ではありませんので、十分に代用にすることは可能かと思います。

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ロイヤルカナンのフードで比較

続いて、同じく有名フードメーカのひとつ「ロイヤルカナン」のダイエット用フードである「ミニ ライト ウェイトケア」と、シニア犬用の「ミニ アダルト8+」を比較していきたいと思います。

【ロイヤルカナン ミニ ライト ウェイトケア 原材料】
肉類(鶏、七面鳥)、とうもろこし、大麦、米、コーングルテン、植物性分離タンパク*、植物性繊維、動物性脂肪、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、魚油、酵母、大豆油、フラクトオリゴ糖、サイリウム、ルリチシャ油、緑茶抽出物(ポリフェノール源)、アミノ酸類(タウリン、L-カルニチン)、粉末セルロース、ポリリン酸ナトリウム、ミネラル類(Ca、Mg、Cl、Na、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、パントテン酸カルシウム、B6、ナイアシン、葉酸、B1、B2、ビオチン、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)

【ロイヤルカナン ミニ アダルト8+ 原材料】
とうもろこし、米、肉類(鶏、七面鳥)、動物性脂肪、とうもろこし粉、コーングルテン、植物性分離タンパク*、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、大豆油、魚油、酵母および酵母エキス、フラクトオリゴ糖、ルリチシャ油、緑茶抽出物(ポリフェノール源)、マリーゴールド抽出物(ルテイン源)、アミノ酸類(L-リジン、タウリン、DL-メチオニン、L-アルギニン、L-カルニチン)、ポリリン酸ナトリウム、ミネラル類(Ca、K、Cl、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、パントテン酸カルシウム、B6、ナイアシン、葉酸、B1、B2、ビオチン、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)*超高消化性タンパク(消化率90%以上)

ロイヤルカナンはニュートロと違い、主原料が違っていたり、原材料自体が結構違います。続いて成分も見てみましょう。

【ロイヤルカナン ミニ ライト ウェイトケア 成分】
タンパク質:28%
脂質:9%
繊維質:7.8%
灰分:5.6%
水分:10.5%
カロリー:336Kcal/100g

【ロイヤルカナン ミニ アダルト8+ 成分】
タンパク質:25%
脂質:14%
繊維質:2.5%
灰分:5.4%
水分:10.5%
カロリー:397Kcal/100g

成分に関しても大きく変わっています。ロイヤルカナンの場合はダイエット用フードとシニア犬用フードの代替えは難しいかもしれません。

その一つが、脂質とカロリーの高さです。成犬は多くのタンパク質を必要としますので、動物性タンパク源が理想的な主原料となりますが、シニア犬になるにつれてタンパク質はそこまで必要とせず、ある程度落ち着いた成分が理想的となります。

ロイヤルカナンの場合、シニア犬用になると主原料が穀物類になってしまうため、動物性タンパク源よりも消化に良いとは言えません。ダイエットを行いたい犬にとっては消化に良いドッグフードが理想的ですので、代替えとしてシニア犬用を与えるのは避けたほうが良いでしょう。

オリジンのフードで比較


次に、ハイプレミアムなドッグフードとして知られる「オリジン」で比較してみましょう。ダイエット用フードである「フィット&トリム」と、シニア犬用の「シニア」を比較していきます。

【オリジン フィット&トリム 原材料】
新鮮鶏肉、新鮮鶏レバー、新鮮七面鳥レバー、新鮮タラレバー、新鮮全卵、アブラガレイ、新鮮七面鳥肉、新鮮丸ごと大西洋ニシン、新鮮鶏心臓、新鮮七面鳥心臓、ディハイドレート鶏レバー、ディハイドレート七面鳥レバー、ディハイドレートイワシ、ディハイドレート鶏肉、ディハイドレート七面鳥肉、丸ごとグリーンピース、丸ごと赤レンズ豆、丸ごとヒヨコ豆、丸ごとグリーンレンズ豆、ニンジン繊維、エンドウ豆繊維、リンゴ繊維、丸ごとピント豆、丸ごとシロインゲン豆、天然鶏肉風味、粉砕鶏骨と軟骨、ディハイドレートカボチャ、ディハイドレートバターナッツスクワッシュ、ニシン油、レンズ豆繊維、乾燥ケルプ、フリーズドライ鶏レバー、フリーズドライ七面鳥レバー、フリーズドライタラレバー、新鮮丸ごとカボチャ、新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ、新鮮ケール、新鮮ホウレン草、新鮮カラシ菜、新鮮コラードグリーン、新鮮カブラ菜、新鮮丸ごとニンジン、丸ごとレッドデリシャスリンゴ、丸ごとバートレット梨、カボチャの種、ヒマワリの種、亜鉛タンパク化合物、ミックストコフェロール(天然酸化防止剤)、銅タンパク化合物、チコリー根、ターメリック、サルサ根、アルテア根、ローズヒップ、ジュニパーベリー、ドライラクトバチルスアシドフィルス菌発 酵生成物、ドライプロバイオティクス発酵生成、ドライラ クトバチルスカゼイ発酵生成物

【オリジン シニア 原材料】
新鮮鶏肉, 新鮮七面鳥肉, 新鮮イエローテイルカレイ, 新鮮全卵, 新鮮丸ごと大西洋サバ, 新鮮鶏レバー, 新鮮七面鳥レバー, 新鮮鶏心臓, 新鮮七面鳥心臓, 新鮮丸ごと大西洋ニシン, ディハイドレート鶏肉, ディハイドレート七面鳥肉, ディハイドレート丸ごとサバ, ディハイドレート鶏レバー, ディハイドレート七面鳥レバー, 丸ごとグリーンピース, 丸ごとシロインゲン豆, 赤レンズ豆, 新鮮チキンネック, 新鮮鶏腎臓, ピント豆, ヒヨコ豆, グリーンレンズ豆, レンズ豆繊維, 天然鶏肉風味, 鶏軟骨, ニシン油, 粉砕鶏骨, 鶏肉脂肪, 七面鳥軟骨, 乾燥ケルプ, フリーズドライ 鶏レバー, フリーズドライ 七面鳥レバー, 新鮮丸ごとカボチャ, 新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ,新鮮ケール, 新鮮ホウレン草, 新鮮カラシ菜, 新鮮コラードグリーン, 新鮮カブラ菜, 新鮮丸ごとニンジン, 新鮮丸ごとリンゴ,新鮮丸ごと梨, カボチャの種, ヒマワリの種, 亜鉛タンパク化合物, ミックストコフェロール(天然酸化防止剤), チコリー根, ターメリック, サルサ根, アルテア根, ローズヒップ,ジュニパーベリー, 乾燥 ラクトバチルスアシドフィルス菌発酵生成物, 乾燥 プロバイオティクス発酵 生成物,乾燥 ラクトバチルスカゼイ発酵生成物.

オリジンは動物性タンパク源を85%、植物成分を15%、穀物不使用という割合で作られているドッグフードですので、原材料の配合自体はそこまで変わりありません。続いて成分を見てみましょう。

【オリジン フィット&トリム 成分】
タンパク質:42%
脂質:13%
繊維質:8%
水分:12%
カロリー:353Kcal/100g

【オリジン シニア 成分】
タンパク質:38%
脂質:15%
繊維質:8%
水分:12%
カロリー:363Kcal/100g

成分に関してはややシニアの方が脂質・カロリー共に高い設定ですが、全く代用出来ないわけではないでしょう。基本的にタンパク質の量が多いので、十分な運動は必要不可欠です。

オリジンを与えていると、他のドッグフードへの切り替えも難しいでしょう。ですので、なおさらに同ブランド内でのフード切り替えが望ましいでしょう。これくらいの差ですと、給餌量でカバーするか、置き換えダイエットで少し減らして手作り食を足して挙げるなどの工夫があると、なお良いでしょう。

まとめ

あくまでも最後の手段という形ではありますが、フードメーカーによってはダイエット用フードの代用としてシニア用フードを利用できるという事がわかりました。

長く与え続けるべき方法ではありませんが、一時的な低カロリーフードを与えるという形では可能かと思います。あまりフードメーカーを行ったり来たりせず、こうしてフードメーカー内のブランドで切り替えてみるというのも、一つの方法として覚えておきましょう。

犬のダイエットは時間がややかかります。しっかりと成分やカロリーコントロールが行えていなければ、スムーズにダイエットを成功させることができませんので、こうして同じフードメーカーの成分をチェックしておくのも大事です。

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