ミニチュア・ダックスフンドはヘルニアを発症する可能性も高い犬種ですので、肥満は絶対に避けたいところ。そんなミニチュア・ダックスフンドですが、健康を維持しつつ的確にダイエットを行うにはどのような方法を取ればよいのでしょうか。
そこで今回は、ミニチュア・ダックスフンドの基本的なダイエット方法について解説していきたいと思います。
ダックスはヘルニアに注意
胴長・短足の愛らしい姿で人気の「ミニチュア・ダックスフンド」。そんなミニチュア・ダックスフンドですが、残念ながら「ヘルニア」を引き起こしやすい犬種であることでも知られます。
ミニチュア・ダックスフンドは胴長の体型であることからヘルニアを引き起こしやすいわけですが、その引き金になりうるのが「肥満」による影響です。
ただでさえ背骨や腰に負担のかかりやすい体型であるミニチュア・ダックスフンドが肥満になってしますと、さらに背骨や腰への負担が増加してしまい、結果としてヘルニアを引き起こしてしまうのです。
ヘルニアを引き起こしてしまうと、ダイエットを行いたくても思うような運動をすることが出来ませんので、効率よくダイエットをすることが出来ません。そのためには、ヘルニアを引き起こす前にしっかりと体重管理を行い、肥満にならないように気をつけなければなりません。
ヘルニアとは
愛犬のミニチュア・ダックスフンドが抱っこを嫌がるようになったり、活発でなくなったりといった様子が見られないでしょうか。こうした様子が見られるようであれば、もしかするとヘルニアを引き起こしてしまっている可能性があります。
ミニチュア・ダックスフンドで特に注意しなければいけないのが「椎間板ヘルニア」と呼ばれるヘルニアです。
椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間でクッションの役割を果たしている「椎間板」と呼ばれる部分が変形してしまい、直接神経に触れてしまうことで激痛を引き起こしてしまう症状で、ミニチュア・ダックスフンドやコーギーなどの胴長の犬種が好発犬種となります。
場合によっては四肢の麻痺が起きてしまう可能性もありますので、十分に注意しなければなりません。
ダイエットの重要性
ミニチュア・ダックスフンドのヘルニアを予防するためには、まずは体重の管理をしっかり行わなくてはなりません。
ミニチュア・ダックスフンドは活発な犬種ですので、ある程度の運動量は必要になります。しかし、前述の通り体重が重ければ背骨や腰への負担も増加するばかりか、体が重たいために思うような運動を行うことができず、消費カロリーの減少にも繋がっていきます。
また、犬自身も体が重たいため、徐々に活動量も減少していくことも肥満の要因と言えるでしょう。
このように、消費カロリーが減っているのにもかかわらず、これまでと同じカロリーを摂取していては、当然ながらカロリーオーバーの状況を招くこととなります。体重管理を行うためには、このような愛犬の状況や体重を正確に把握することが大切になります。
100g単位の測定が理想
ダイエットは、まずは愛犬の体重を計測することから始まりますが、計測している体重計は100g単位から計測できるものでしょうか。1kg単位の体重計でしょうか。
犬の体重を計測するには100g単位の体重計が理想的。というのも、人間と犬とでは10倍近い体重差がありますので、犬の1kgは人間の10kg近くに相当するとも考えられます。
愛犬の体重が1kg増加、もしくは1kgの減量となった場合を考えても、人間で言えば10kg増・10kg減とかなり大幅な数値となってしまうわけです。これでは正確な体重を測定できるとは言えませんね。
私達にとっての1kgはちょっとした差ですが、愛犬たちにしてみると10kg近くの増加になっていると言うことを理解しておきましょう。
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平均体重と個体差
ミニチュア・ダックスフンドの平均体重は5kg前後となっていますが、中には10kgのミニチュア・ダックスフンドもたくさんいます。平均体重はあくまでもミニチュア・ダックスフンドの「スタンダード」を定めるためのもので、すべてのミニチュア・ダックスフンドに当てはまるものではありません。
人間でも背の高いアジア人がいれば、背の低いヨーロッパ人がいるように、犬も同じ犬種だからといってサイズが同じとは限りません。
そこで把握して置かなければならないのが、愛犬のミニチュア・ダックスフンドのベスト体重です。ダイエットを行う際には、ただやみくもに減量を行うのではなく、健康的に体重維持を目指すようにしましょう。
ポイントとしては、愛犬の「理想体型」を把握→愛犬の「必要カロリー」を把握→ダイエット方法を見極めるという流れになります。
ボディーコンディションスコア
まず把握する必要があるのが愛犬の理想体型です。ここで参考にしたいのが、犬の体型を5段階に分けた「ボディーコンディションスコア(BSC)」という指標です。
ボディーコンディションスコアでは、BSC1(痩せすぎ)からBSC5(肥満)までわけられ、BSC3が理想的な体型となっています。詳細は別記事でも紹介していますが、ポイントとなるのが
・愛犬を横から見たときに、お腹がお尻に向かって吊り上がっているか
・愛犬を上から見たときに、腰のくびれがあるか
・愛犬の肋骨にふれることが出来るか
という点です。肥満体型である場合、お腹がお尻に向かって垂れ下がっているでしょう。また、一直線に近ければ「やや肥満(BSC4)」と判断します。
上から見たときに腰のくびれが膨らんでいれば肥満、直線状であればやや肥満と判断します。
また、愛犬に直接触れた際に、犬の肋骨が脂肪に覆われていてすぐに見つけられないのであれば肥満、触れることは出来るが脂肪にしっかり覆われているようであればやや肥満であることがわかります。
カロリーの計算方法
愛犬の体型が肥満であるか、やや肥満であるかが分かれば、次に愛犬に必要な「カロリー」を把握していきましょう。
カロリーを計算するには、愛犬の体重を測定します。今回は例として「ミニチュア・ダックスフンド、6歳、未去勢、体重 10kgのやや肥満」という設定で計算してみましょう。計算方法は下記の通り。
1.愛犬の体重を3乗
2.「√」を2回
3.その数値に「70」を掛ける
4.状態に応じた係数を掛ける
まず体重が10kgなので、「10 × 10 × 10 = 1000」となります。次に電卓で「√」を2回押すと「5.623…」となります。
次に70を掛けるので「393.6(切り捨て)」と計算することが出来ました。
この数値が愛犬の「安静時エネルギー必要量」となります。
愛犬の必要カロリーを把握
次に、愛犬の状態に応じた係数を掛けますが、肥満犬の場合の係数が「1.2〜1.4」となります。肥満であれば「1.2」を、やや肥満であれば「1.4」でも良いでしょう。また、かなり肥満体型である場合は「1.0〜」でも良いかもしれません。
さきほど計算した安静時エネルギー必要量である「393.6」に、係数である「1.4」を掛けると「551」と計算されます。これが愛犬の必要としているカロリーとなりますので、おおよそ1日に551Kcalを摂取するのが理想的であるとわかります。
また、肥満である場合には係数「1.2」を掛けて、おおよそ1日472Kcalが目安となります。
以上のように、愛犬の必要とするカロリー量を計算することが出来ますが、あくまでも「肥満時の体重」でエネルギー量を算出しているため、ベスト体重でのカロリー量はもっと低くなるはずです。
まとめ
愛犬のベスト体重を把握するためには、前述で計測した「理想体型」を目指し、理想体型になった時点で体重を測定することです。理想体型の体重は、肥満時の体重に対して、おおよそ10%〜の増量となりますので、現在の体型から10%減〜が理想体型の体重となるでしょう。
因みにBSC4の場合は体脂肪が25%〜35%、BSC5の場合は体脂肪が35%以上。標準体型である場合には、体脂肪は15%〜25%程となります。
日頃からこまめに愛犬の体重を測定するようにし、できるだけスムーズにダイエットが行えるように準備しましょう。そして、愛犬の必要カロリーを把握したらドッグフードの給餌量をコントロールするなど、こまかな食の管理を行うようにしましょう。
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