近年では多くの「犬種専用フード」が登場してきていますが、その中でも人気犬種であるミニチュア・ダックスフンド専用のドッグフードも多数登場してきています。ミニチュア・ダックスフンドは太りやすいとも言われる犬種ですが、果たして犬種専用フードでダイエットを行うことは可能なのでしょうか。
そこで今回はロイヤルカナンのミニチュア・ダックスフンド専用フードで、ダイエットは可能かどうかを判断してみたいと思います。
人気犬種のミニチュア・ダックスフンド
日本でも人気の犬種「ミニチュア・ダックスフンド」。ミニチュア・ダックスフンドの特徴といえば胴長で短足の可愛らしい容姿。かつては狩猟犬としても活躍していた犬種でもあり、穴に逃げ込む獲物を追い詰めるという働きをしていました。
そんなミニチュア・ダックスフンドですが、元々は狩猟犬であったために活動量は多め。非常に活発な犬種で、遊ぶことが大好きな犬でもあります。
しかし、現在においてはペットとして飼育されるのが当たり前となっていますので、ミニチュア・ダックスフンドが本来持っている活動量を発揮することはそうそうありません。そのため、いつしかミニチュア・ダックスフンドは太りやすい犬種ともいわれるようになりました。
ヘルニアには注意
ミニチュア・ダックスフンドは先天的に「ヘルニア」を引き起こしやすい犬種とも言われます。ヘルニアを引き起こす要因となるのは、過度な衝撃や継続的な圧力によるものです。
前述の通り、ミニチュア・ダックスフンドは多くの活動量を必要としていながらも、あまり活動する機会もないため、日頃の食事でもカロリー過多になりがちと言えます。
こうしたカロリー過多の状態が続いてしまえば、当然ながら肥満を引き起こすことに繋がります。肥満になってしまうと、今度は胴長短足の体型が影響し、足腰や背骨にも多くの負担を生じてしまいます。
こうして肥満になり、継続的に足腰、背骨などに圧力が加わってしまうことで、次第に「椎間板ヘルニア」などを引き起こしてしまうわけです。
肥満にならないようダイエットは必須
ミニチュア・ダックスフンドがヘルニアを引き起こしてしまう要因は肥満によるものだけではありませんが、少なからず体に悪影響を与える肥満状態は避けなければなりません。
ミニチュア・ダックスフンドが肥満になってしまう要因は、犬種特有の理由の他にもたくさんの要因が挙げられます。例えば、飼い主さんがおやつを与えすぎていることや、給餌量(摂取カロリー)を間違えていること、全く運動をさせていないことなど、たくさんの理由が挙げられるでしょう。
特に食事は毎日のことですので安易に考えず、肥満にならないよう、もしくはダイエットをスムーズに行うためにも食事管理やカロリーを把握することは、飼い主さんとしても重要な仕事となります。
ミニチュア・ダックスフンド専用ドッグフード
ミニチュア・ダックスフンドは日本でも人気の高い犬種ですが、海外でも人気の高い犬種の一つです。そのため、ミニチュア・ダックスフンド専用のドッグフードも登場してきているほどですが、実際のところはミニチュア・ダックスフンド専用のドッグフードは最適な食事と言えるのでしょうか。
犬種専用のドッグフードは当然ながら、その犬種特有の病気や弱点などに配慮された内容で、その犬種にとっては最適なドッグフードと言えるでしょう。しかし、どのミニチュア・ダックスフンドも同じ条件とは言えません。
あくまでも専用フードは適正体重で、健康な状態であることを前提とした内容のはずですので、肥満傾向のミニチュア・ダックスフンドには、ミニチュア・ダックスフンド専用フードよりもダイエット用フードの方がより適しているわけです。
スポンサードリンク
愛犬の体型を把握
まずはミニチュア・ダックスフンド専用フードが、現在の愛犬に適しているかどうかを把握しておきましょう。そのためには、愛犬の体重を測定し、かつ愛犬の体型・状態を把握しておくことが大切です。
体重を測定しましたら、愛犬の体型が普通なのか、それとも肥満体型なのかを把握しましょう。参考になるのが「ボディーコンディションスコア(BSC)」と呼ばれる指標で、1から5段階に分けて犬の体型を表しています。
平均的な体型であれば「BSC3」、やや肥満体型であれば「BSC4」、肥満体型であれば「BSC5」に分けられます。ポイントとなるのは、愛犬を上から見たときに、腰にくびれがあるかどうか。
ポイントとなる部分はいくつかありますが、愛犬を上から見たときに腰にくびれがあればBSC3、くびれが膨らんでいればBSC5、この間であればBSC4と言えるでしょう。
BSC4であれば平均体重よりも〜10%の増加、BSC5であれば10%以上の体重増と予想されます。
愛犬のカロリーを把握しましょう
次に把握しておくべきなのが、愛犬の必要カロリーです。カロリーを算出するには簡単な計算を行う必要がありますが、まずは愛犬の体重を測定し、下記の通りに計算をしてみましょう。
1.愛犬の体重を3乗
2.「√」を2回
3.その数値に「70」を掛ける
これで導き出された答えが、愛犬の「安静時エネルギー必要量」です。この数値に、愛犬の状態に応じた「係数(ライフステージ係数)」を掛けることで必要カロリーを導き出すことが出来ます。
【ライフステージ係数】
・子犬(離乳〜生後4ヶ月):3.0
・子犬(生後4ヶ月〜成犬):2.0
・成犬(避妊・去勢していない):1.8
・成犬(避妊・去勢していない):1.6
・成犬(肥満傾向):1.4
・成犬(肥満):1.0~1.2
・高齢犬(避妊・去勢していない):1.2
・高齢犬(避妊・去勢していない):1.4
上記の係数と、先ほど求めた安静時エネルギー必要量を掛けることで、愛犬の必要カロリーを導き出すことが出来ます。
ロイヤルカナンのダックス専用フード
では具体的にミニチュア・ダックスフンド専用フードについて見てみましょう。参考としてロイヤルカナンの「ミニチュア・ダックスフンド 成犬用」を見てみましょう。
【ロイヤルカナン ミニチュア・ダックスフンド 成犬用 成分】
粗タンパク質:26%、脂質:12%、粗灰分:7%、粗繊維:3.9%、水分:10.5%、エネルギー(100gあたり)/約373kcal
以上がロイヤルカナン ミニチュア・ダックスフンド成犬用の成分です。例として、肥満状態のミニチュア・ダックスフンド(5歳、9kg)という設定で見てみましょう。
この子の場合ですと、前述の計算で1日に必要なカロリーは約363~436Kcal程が理想的という計算になりました。
ロイヤルカナンのミニチュア・ダックスフンド成犬用の9kgの給餌量は1日132g(運動しない犬の場合)。100gで373Kcalですので、給餌量分のカロリーはおおよそ492Kcalという計算に。
一方、運動する犬の場合は153gとなりますので、給餌量分のカロリーはおおよそ570.6Kcalという計算になります。
プロ目線から見た犬種別フード
前述で求めるカロリーの計算式はあくまでも参考値となりますが、この計算でいけば、肥満傾向のミニチュア・ダックスフンドの場合、ややカロリーオーバーという計算になりました。
ただし計算したのは「肥満のミニチュア・ダックスフンド」であり、「やや肥満のミニチュア・ダックスフンド」であれば、十分にこのフードでダイエットを行うことは可能かと思います。
肥満であれば、少し体重を落とすためにもダイエット用フードをはさみ、やや体重を軽くしてからミニチュア・ダックスフンド専用フードに戻すという方法でも良いかもしれません。
やはり確実にダイエットを行うにはダイエット専用フードのほうが適しているとは言えますが、ミニチュア・ダックスフンド専用フードでも、給餌量のコントロールとある程度の運動を行うことで、十分にダイエットを行うことは出来るでしょう。
あとはカロリーオーバーにならないよう、飼い主さんがおやつの与え過ぎなどにも気をつけ、健康的な食生活を送らせることにしましょう。
スポンサーリンク