普段与えているキャットフードにも「ドライフード」と「ウェットフード」が存在しますが、ドライフードの役割とはどのようなものなのでしょうか。また、ドライフードを選ぶ時のポイントについても解説していきたいと思います。

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キャットフードの種類


今では当たり前となっているキャットフード。キャットフードの中にも「ドライフード」と呼ばれる物と、「ウェットフード」と呼ばれるものが存在します。一般的にはキャットフードと言うとドライフードの方を指しますが、ドライフードはカリカリの状態の固く乾燥している物です。

一方のウェットフードとは、「パウチ」や「缶詰」などでお馴染みの、液状に近いような状態のフードで、素材そのものの状態を維持しているものになります。価格的にも圧倒的にウェットフードの方が高く、また、嗜好性(食いつき)もウェットフードの方が良いでしょう。そのため、ドライフードのトッピングとして使用したり、高齢猫や病中・病後の猫などにも与えやすいフードです。

ドライフードの重要性

食いつきが良いならウェットフードだけを与えたほうがいいのでは?と考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。確かに、栄養も豊富で食いつきもよいので、ウェットフードを与えていたほうが、猫にとっても嬉しい事かもしれません。

しかし、子猫〜成猫になる頃には特に注意が必要ですが、いつまでもウェットフードのように柔らかい食べ物ばかりを食べていると、顎の力も弱くなってしまい、老齢期をむかえる頃には固いものを噛むことができなくなってしまう恐れもあります。

そのため、幼猫期が終わる頃には「歯固め」の目的も兼ねて、ドライフードに切り替えて顎を鍛えさせる必要もあるのです。

顎が弱いと思うように食事を食べることも出来ず、体の弱い猫に育ってしまいますので、子猫の頃は特にしっかりとかんで食べているかも確認しましょう。

ウェットからドライフードへ

幼猫期ではウェットフードや液状のご飯を食べさせているので、消化する際にもスムーズに消化することが出来ています。しかし、突然固いドライフードを与えてしまうと、スムーズに消化できずに消化不良を招く場合もあります。

ウェットフードからドライフードに移行する際には、スムーズに消化できるようドライフードをふやかす等し、徐々にドライフードを消化できるように慣らせていきましょう。

始めは芯が無くなる程度にしっかりとふやかし、徐々にふやかす時間を減らし、カリカリの状態でもドライフードを問題なく食べられるようにしていきましょう。

野生下での生活であれば、獲物の骨などを噛むことで顎は鍛えられていきますが、ペットとして飼育されている猫ではそうにはいきません。そのため、ドライフードを与える重要性があるのです。

栄養バランスも重要な要素


ドライフードには色々な添加物が入っていそうなので、手作りご飯を与えたいと考える事もあると思います。しかし、猫の健康をしっかりと維持するには、それなりの栄養に関する知識や、栄養バランスについての理解が必要になります。

ドライフードはこうした栄養バランスを考えられて作られているので、1日に必要なエネルギー量や栄養バランスが計算されて作られています。安易に手作りごはんを与え続けてしまうと、栄養バランスに偏りが生じてしまい、結果として病気を引き起こしてしまったり、抵抗力が弱くなってしまう可能性もあります。

こうした細かな計算を行わずとも、1日の摂取量が計算されたキャットフードを与えていたほうが、猫の栄養バランスが正確に摂取できるのです。

「酸化」はドライフードの天敵

ドライフードは、実は良いことばかりではありません。それは、封を開けた時から始まる「酸化」と呼ばれる状態になった場合です。

キャットフードの多くは、肉を主原料としています。様々な加工方法で1粒のドライフードに加工される訳ですが、乾燥していても肉であることには代わりありません。酸化するということは、その肉が傷んでいってしまっているのと同じような事なのです。

キャットフードが酸化してしまうと、風味が落ちるだけでなく、発がん性やアレルギーを引き起こす要因にもなりかねないものになってしまいます。こうした酸化を防ぐために、キャットフードには「酸化防止剤」と呼ばれる成分が使用されます。酸化防止剤は、酸化を防ぐために配合される成分です。

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キャットフードに使用される添加物

この酸化防止剤にも「トコフェロール(ビタミンE)」等の自然由来のものや、合成添加物、もしくは人工添加物と呼ばれる科学的な酸化防止剤も存在します。

この合成添加物に関しては、酸化を抑えるものの、その成分自体に悪影響があるものとして、近年では粗悪なキャットフード等でしか使用されなくなってきているものなのです。

プレミアムフードと呼ばれるフードには使用されることはまれですが、粗悪なキャットフードには「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」や「BHT(ブチルヒドロキシトルエン)」「エトキシキン」などの合成添加物が使用されます。

これらは自然由来のものよりもコストが安いため、安価なキャットフードに多く使用されるものですが、猫の体にとって良いとは言えない原材料でもあります。

アレルギーを引き起こすリスクも

合成添加物は上記で触れた酸化防止剤のほか、着色料なども該当します。

着色料については人間用の食品でも使用を避けている流れもありますが、ペットフードは人間の食品ほど明確な決まりもないため、まだまだ安価なキャットフードに使用されています。

例えば、野菜を連想させる緑のキャットフードや、肉を連想させる赤いキャットフードを見たことが無いでしょうか。これらはすべて着色料で着色されたキャットフードです。着色されていないキャットフードは、基本的に茶色、もしくはこげ茶色です。

当然ながら猫は色でキャットフードを選んでいるわけではありませんので、猫にとって着色料は何ら意味のない添加物です。さらにはアレルギーを引き起こす要因になるとも考えられているため、着色料を使用したキャットフードはできるだけ避けたいところではあります。

キャットフードのプレミアムフードとは>

ドライフードにも、色々なメーカーから販売されているものがたくさんあります。どのメーカーのドライフードにも特徴や、価格相応の優れた内容のものがあるのです。

中でも、プレミアムフードでは当たり前となっているのが「合成添加物は不使用」という大前提です。前述の通り、合成添加物は猫の健康にとってリスクでしか無く、愛猫の健康を考えるのであれば使用する価値の無いものです。

酸化についても触れてきましたが、酸化したキャットフードを与える事は健康にも悪影響を及ぼしますが、そのために合成添加物を使用し、酸化を抑えるのは本末転倒とも言えるのではないでしょうか。

プレミアムフードかどうか、最低限の基準となるのはこの合成添加物を使用しているかいないかという事でも分けられるかもしれません。

猫は穀物よりも肉が必要


最近では「グレインフリー」と呼ばれる穀物不使用のキャットフードや、ヒューマングレードの肉や原料を使用したプレミアムフードもたくさんあります。

当然ながら高品質な原材料を使用したほうが、キャットフードそのものの新鮮さや味も変わってきますので、猫の食いつきも良くなると言って良いでしょう。

キャットフードに穀物を使用しない理由は、穀物アレルギーに配慮しているだけでなく、本来猫が食べる食事をドライフードで再現したものであり、猫は消化に悪い穀物をそんなに多く必要としていないためです。

主原料に穀物を使用しているキャットフードも多いですが、猫は肉食の動物ですので、主原料は動物性タンパク源である必要があるでしょう。

まとめ

穀物からも栄養は摂取出来ますが、より消化によく、より猫にあった食材は動物性タンパク源です。

一概にどのフードが良いというのは言えませんが、最低限、合成添加物を使用していないキャットフードを選ぶべき、可能であれば動物性タンパク源の含有量の多いキャットフードがおすすめと言えます。

普段何気なく与えているキャットフード、こうした理由があるということがわかりましたね。キャットフードだから何でも良いというわけではないのです。

まずは現在与えているキャットフードの原材料をチェックして、より安心なキャットフードを愛猫に選んであげて下さいね!

※内容は2017年2月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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