動物性タンパク源を60%以上使用した「カナガン キャットフード」と、ネスレのプレミアムフード「プロプラン」はどちらの方がより高品質なキャットフードと言えるのでしょうか。

そこで今回はカナガン キャットフードとネスレ ピュリナ プロプランを比較、その特徴や原材料について解説していきたいと思います。

ネスレ ピュリナ プロプランとは


世界的にもシェアが多く、取り扱いブランドも豊富な「ネスレ ピュリナ」。ネスレ ピュリナには「ONE(ワン)」や「モンプチ」「フリスキー」等のブランドがありますが、これらのブランドの中でもプレミアムフードに位置するのが、ネスレ ピュリナの「PRO PLAN(プロプラン)」です。

プロプランの特徴は獣医師・栄養士が開発したキャットフードである点や、科学的に実証された栄養が含まれるキャットフードであるという点です。

プロプランのキャットフードのラインナップには年齢別に分けられた「ライフステージ別 健康寿命対策」と、猫の状態に合わせてフードを選ぶことができる「スペシャルケア」の、大きく2種類のラインナップに分けられます。

プロプランは6種類のラインナップ

さらに、年齢別に分けられた「ライフステージ別 健康寿命対策」のラインナップには「子猫用」「成猫用」「7歳以上の成猫用」の3種類に分けられ、「スペシャルケア」では「太りやすい体質に」「室内飼いの猫に」「繊細な肌に」の3種類に分けられ、プロプラン全体では計6種類のラインナップが揃います。

また、主原料に関しても異なっておりチキンを主原料にした「子猫用」「7歳以上の成猫用」「室内飼いの猫に」、サーモンを主原料にした「成猫用」「太りやすい体質に」「繊細な肌に」に分けられます。

今回は「カナガン キャットフード」の比較となりますので、チキンを主原料とした「室内飼いの猫に」について詳しく見ていきたいと思います。

プロプラン「室内飼いの猫に」の特徴について

ネスレ ピュリナ プロプラン「室内飼いの猫に」は、主に室内で生活する猫が不足しがちな栄養素や、室内生活で気をつけるべきポイントをカバーするために最適なキャットフードです。

ポイントとなるのは「理想的な腎臓の健康維持」。室内で生活する猫は外猫に比べると運動量もやや少ないと言えますので、キャットフードの消化吸収にも配慮しなければなりません。

特に猫は動物性タンパク源を多く必要とします。そして動物性タンパク源を消化・吸収するためには丈夫な内蔵機能を維持する必要があります。「室内飼いの猫に」は健康的な腎臓を維持するために最適な栄養を摂取することのできるキャットフードとなっています。

このほか、歯垢の蓄積を軽減させる効果、腸内環境を改善させる効果、毛玉の生成や毛玉の排出を促す効果など、猫が抱える様々なトラブルにも配慮されたキャットフードでもあります。

プロプランの原材料をチェック

では具体的に、ネスレ ピュリナ プロプラン「室内飼いの猫に」の原材料をチェックしてみましょう。

【ネスレ ピュリナ 室内飼いの猫に 原材料】
コーングルテンミール、チキン、小麦、動物性油脂、ツナミール、ビートパルプ、シリアルブラン、チコリ、大豆ミール、魚油、大麦、サーモンミール、たんぱく加水分解物、ミックスエキストラクト、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン)、ビタミン類(A、E、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、B12、コリン、K、ビオチン、C、ベータカロテン)、アミノ酸類(アルギニン、メチオニン、タウリン)、ピロリン酸Na、酸化防止剤(ミックストコフェロール)

プロプラン「室内飼いの猫に」は「チキン」をベースとしたキャットフードではありますが、主原料となっているのは穀物類である「コーングルテンミール」です。続いて動物性タンパク源である「チキン」が含まれますが、次に再び穀物類である「小麦」が含まれます。

近年では穀物アレルギーを持つ猫も少なくありませんが、穀物アレルギーを持つ猫にはおすすめできる原材料ではありません。また、プロプラン自体は消化吸収や腸内環境の改善に配慮された内容ではありますが、猫にとって穀物は消化のしにくい食材であるため、主原料に穀物を使用しているのは残念なポイントと言えます。

穀物からも栄養を摂取することは出来ますが、主原料は動物性タンパク源であることが、キャットフードの最低限の理想ではあります。これに対し、カナガン キャットフードの内容を見てみましょう。

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カナガン キャットフードについて


「カナガン キャットフード」はイギリス原産のキャットフードで、動物性タンパク源を60%使用した高タンパク質なキャットフードです。

前述の通り、猫は多くのタンパク質を必要とする動物で、特に消化吸収にも最適な動物性タンパク源が、猫にとって最適な食材であります。カナガン キャットフードは、フードの半分以上を動物性タンパク源で占めているので、より自然な食事に近いキャットフードとも言えるでしょう。

また、猫が消化しにくい穀物類に関しては一切使用しておらず、動物性タンパク源以外には野菜や果物、ハーブ類と言った植物成分が40%の割合で使用されています。

60%は動物性タンパク源、40%が植物成分、穀物類は0%という内容のキャットフードですので、愛猫の食付きや消化吸収にも期待の持てるキャットフードと言えるでしょう。

カナガン キャットフードの原材料をチェック

では、カナガン キャットフードの原材料をチェックしてみましょう。

【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ

カナガン キャットフードの主原料は「乾燥チキン」「骨抜きチキン生肉」となっています。

この他、「サツマイモ」等の野菜類、「リンゴ」などの果物類、「クランベリー」などのハーブ類が含まれ、動物性タンパク源から摂取できないビタミン類などを豊富に摂取することが出来ます。

また、カナガン キャットフードに使用される原材料はすべてヒューマングレードの原材料が使用されており、高い品質管理で維持された工場で製造されています。食の安全性という面でもこうした配慮がされており、さらに、原材料には合成添加物も一切使用されていませんので、安心して愛猫に与えることができるキャットフードでもあります。

カナガンとプロプランの成分を比較


では両フードの成分を比較していきましょう。

【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal

【ネスレ ピュリナ 室内飼いの猫に 成分】
タンパク質:32%、脂質:12%、粗繊維:8%、灰分:10%、水分:12%、オメガ6脂肪酸:1.0%、オメガ3脂肪酸:0.7%、ナトリウム:2%、カロリー(100gあたり):約347Kcal

前述の通りカナガン キャットフードは動物性タンパク源の配合量が豊富ですので、タンパク質が37%と高タンパク質な内容となっています。対してプロプランのタンパク質は32%。高くはありませんが、決して低くもないタンパク質と言えます。

脂質に関してはカナガン キャットフードが20%、プロプランは12%とカナガン キャットフードの方が高脂質、カロリーに関してはカナガン キャットフードが390Kcal/100g、プロプランが347Kcal/100gとカナガン キャットフードの方が高カロリーな内容となっています。

両フードともに全年齢を対応としたキャットフードですが、カナガン キャットフードの方が成猫に最適なキャットフードと言える内容です。

プロ目線から見たキャットフードの比較

カナガン キャットフードとプロプランのキャットフードを比較してみると、同じプレミアムフードながら、その差はカナガン キャットフードの方がより高いものと言えるでしょう。

動物性タンパク源の含有量だけではなく、原材料の安全性や合成添加物の使用を避けるなど、より安心して愛猫に与えることのできるキャットフードである点が挙げられます。

プロプランに関して気になる点は原材料に含まれる「ピロリン酸Na」です。ピロリン酸ナトリウムは変色を防ぐために用いられる合成添加物で、基本的には摂取しても体外へと排出されるようです。

しかしながら、ラットによる実験では長期的にピロリン酸Naを与え続けることで腎石灰症の発症が認められたようです。

まとめ

カナガン キャットフードとプロプランを比較してきましたが、よりおすすめと言えるのはカナガン キャットフードと言えるでしょう。

最もおすすめしたい点は動物性タンパク源の配合量、より高品質なタンパク質を摂取させることができる点です。特に成長期の猫にとってタンパク質は非常に重要な栄養素となりますので、高タンパクなキャットフードを与えるのがおすすめです。

プロプランに関しては合成添加物以外にも、主原料に穀物が使用されている点が残念なところです。グレインフリーが猫にとって最適ではあると思われますが、主原料にはせめて動物性タンパク源を使用してほしいというのが正直なところです。

両フードを比較すると、こうした点からカナガン キャットフードがよりおすすめのキャットフードであるという結論になります。

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