動物性タンパク源を豊富に含み、高タンパクなキャットフードで知られる「カナガン」と、日清製粉グループの国産ペットフードメーカー「日清ペットフード」が製造している「JPスタイル」はどちらの方がよりおすすめのキャットフードと言えるのでしょうか。
今回はカナガン キャットフードとJPスタイルの特徴や原材料を比較、どちらがよりおすすめのキャットフードなのかを見ていきたいと思います。
カナガン キャットフードとは?
「カナガン(CANAGAN)」は動物性タンパク源を60%以上使用した高タンパクなキャットフードで、猫に必要な「タウリン」も2,200mg/kg配合した、栄養豊富なキャットフードです。
カナガンはイギリス原産のキャットフードで、「FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)」の基準をクリアした工場で製造されている、安全性の高いキャットフードです。また、原材料には猫の体に害が及ぶ可能性のある合成添加物の使用は一切しておりません。
近年では食物の安全性にも十分配慮されていなければならず、私達飼い主としてもペットの食事はより安全なものでなければ不安があります。安価なキャットフードでは製造工場のレベルや原材料のクオリティにも不安が残るものも少なくありませんので、カナガンのようなクオリティの高いフードを選ぶ価値は十分にあるでしょう。
より消化に良い食事のために
また、猫は肉食の動物ですので主原料には肉や魚といった動物性タンパク源が使用されているものが理想的です。動物性タンパク源には豊富なタンパク質のほか、猫にとって必要な栄養素がたくさん含まれていますし、なにより猫は肉や魚を消化するのに適した体ですので、よりスムーズな消化と栄養の吸収を考えるのであれば、動物性タンパク源から摂取するのがより自然と言えます。
しかし、安価なキャットフードでは主原料に穀物を使用しているものも少なくありません。穀物にも豊富な栄養が含まれてはいますが、残念ながら猫は穀物を消化するのが苦手としています。
そのため、穀物主体のキャットフードを与えると、体の中ではいつまでも消化が行われている状態になり、栄養のスムーズな消化吸収も行われなくなります。穀物主体のフードを与えると便の匂いが強くなるのも、腸内で発酵される時間が長くなるためです。
穀物を利用したキャットフードが悪いというわけではありませんが、より猫に適している、より猫の自然な食性を考えるのであれば、動物性タンパク源の含有量が多いカナガン キャットフードのようなフードを選択するのがベストとも言えるでしょう。
JPスタイルについて
続いて今回比較する日清ペットフードの「JPスタイル」について見てみましょう。
日清ペットフードは、私達の食べ物でもお馴染みの日清製粉のグループ企業のひとつ。日本を代表する企業の一つでもあり、高い技術力を持った食品会社でもあります。
そんなJPスタイルの特徴と言えるのが原料へのこだわりや製法です。JPスタイルに使用される原材料は、人間用の食品と同じチェックが行われており、高い品質が保証されたものとなります。
また、日清製粉ならではの高い技術力はペットフードにも応用されており、キャットフードに使用される原材料には日清製粉独自の技術である「微粉砕原料」がもちいられています。この微粉砕原料とは、一般的なドライフードで粉砕される原材料よりも3分の1の細かさまで粉砕された原材料で、高い消化吸収を実現したもの。
キャットフードはより栄養価が高く、より消化吸収の早いものが理想的といえます。猫は肉食動物ですが、自然界においては肉などを食べ、すぐに消化することができています。一方、ドライフードとなると乾燥した状態で摂取するため、消化吸収までに時間がかかることがネックとなります。
栄養バランスを取るためにはドライフードは非常に適したものではありますが、実際に愛猫にキャットフードを与える際には、できるだけスムーズに消化できるものが理想的なのです。
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両フードの原材料を比較
では実際に、両フードの原材料を比較してみましょう。
【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ
【JPスタイル 和の究み 1歳から 遊び盛りの成猫用 原材料】
穀類(小麦全粒粉、コーングルテンミール、中白糠、とうもろこし、ホミニーフィード、小麦粉)、肉類(チキンミール、ミートミール)、でんぷん、油脂類(動物性油脂、フィッシュオイル)、魚介類(削り節ミール、フィッシュパウダー、まぐろ節、かつおパウダー)、ビートパルプ、粉末セルロース、オリゴ糖、β-グルカン、ユッカ抽出物、乳酸菌末(エンテロコッカス・フェカリス)、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、フマル酸、アミノ酸類(メチオニン、タウリン)、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、B6、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、コリン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)
カナガン キャットフードの主原料は「乾燥チキン」「骨抜きチキン生肉」といったように、動物性タンパク源が使用されています。一方、JPスタイルの主原料は「穀類」となっており、「小麦全粒粉」や「コーングルテンミール」「中白糖」「とうもろこし」「ホミニーフィード」「小麦粉」が使用されています。
前述の通り、猫にとって穀物は消化のしにくい食材ですが、JPスタイルでは多くの穀類が主原料として使用されています。JPスタイルは独自の技術により消化吸収を高めていますので、一般的な穀物を主原料としたキャットフードよりも消化吸収は高いと言えるでしょう。
しかしながら、やはり栄養価や消化吸収といった点で猫にとって最適と言える原材料は動物性タンパク源です。動物性タンパク源から得られる多くのアミノ酸は、猫の健康維持にも欠かせないものです。植物性タンパク質だけでは補うことのできないアミノ酸を、動物性タンパク質は豊富に含んでいるのです。
両フードの成分を比較
続いて両フードの成分を比較してみましょう。
【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal
【JPスタイル 和の究み 1歳から 遊び盛りの成猫用 成分】
タンパク質:30%、脂質:12%、粗繊維:59%、灰分:%、水分:10%、カロリー(100gあたり):約350Kcal
カナガン キャットフードのタンパク質は37%、JPスタイルは30%となっています。猫は多くのタンパク質を必要とする動物ですので、年齢や状態にもよりますがタンパク質は高いほうが良いでしょう。
続いて脂質はカナガン キャットフードが20%、JPスタイルは12%とJPスタイルのほうがヘルシー内容。カロリーに関してもカナガン キャットフードが390Kcal/100g、JPスタイルが350kcal/100gとJPスタイルのほうが低カロリーなキャットフードとなっています。
カナガン キャットフードは高タンパク・高カロリーなキャットフードですので、活発な成猫が最も適したキャットフードと言えます。逆に運動量の少ない猫や高齢猫にとっては、肥満を引き起こす可能性もあるキャットフードと言えます。
JPスタイルに関しては比較的にどの年齢層の猫にも与えやすいキャットフードと言えますが、タンパク質の量は少々物足りなさを感じなくもありません。また、原材料が穀類というのもマイナスポイントと言えます。
プロ目線から見たフードの比較
実際のところ日本産のペットフードとペット先進国のペットフードを比較すると、まだまだ日本産のペットフードは、ペット先進国のペットフードよりも内容的に劣っており、原材料の品質やフードに対する考え方、ペットに対する考え方という点においても、まだまだ追いつけていないというのが実情です。
そんな中、今回比較として挙げたJPスタイルは国産フードの中でも、今後に期待が持てる内容と言えるでしょう。日清製粉のグループ企業ということもあり、日清製粉の技術がペットフードに応用されているという点は高評価。特に原材料の粉砕技術に関しては、より消化のしやすいキャットフードを製造することができるため、原材料の品質が向上すれば良質のキャットフードに仕上げることが出来るでしょう
とはいえ、今回比較したJPスタイルの原材料はほぼ穀類で仕上げられているため、せっかくの技術も活かせていないというのが正直なところです。やはり猫にとって動物性タンパク源は重要なポイントとなりますし、タンパク質の摂取量は猫の健康維持のためにも需要なポイントです。
今回の比較は原材料の品質や内容という点でカナガン キャットフードの方がよりおすすめのキャットフードと言えますが、JPスタイルも捨てがたい技術で製造されている事を評価したいと思います。
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