高タンパクなキャットフードとして知られる「カナガン」のウェットフードと、日本市場でもよく売れているウェットフード「キャネット 3時のスープ」は同じウェットフードですが、どのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回はカナガン キャットフードのウェットフードとキャネット 3時のスープの違いや特徴について解説していきたいと思います。
カナガン キャットフードについて
「カナガン キャットフード」はイギリス原産のキャットフードで、動物性タンパク源を70%配合した高タンパクなキャットフードとして知られます。カナガン キャットフードは動物性タンパク源を70%、残り30%は植物成分として構成されており、穀物は一切含まないグレインフリーのキャットフードとなっています。
穀物は猫が消化を苦手としている食材ですので、よりスムーズな消化を促すためにもグレインフリーである必要があります。動物性タンパク源は猫にとっても消化のしやすいものであり、猫が最も必要とするタンパク質を豊富に含む食材です。
カナガン キャットフードは猫本来の食性に近い、こうした内容のキャットフードであるのが特徴となっていますが、カナガン キャットフードのウェットフードも同じようにグレインフリーのウェットフードで、動物性タンパク源を豊富に含んだ高淡白なウェットフードとなっています。
カナガン ウェットフードの原材料と成分をチェック
では具体的にカナガン キャットフードのウェットフードの原材料をチェックしてみましょう。
【カナガン キャットフード チキン&サーモン 原材料】
チキン(58%)、チキン煮汁 (32%)、サーモン(5%)、タピオカ、サンフラワーオイル、ビタミン類、ミネラル類
動物性タンパク源である「チキン」「チキン煮汁」「サーモン」が主原料として配合されています。チキンに関してはフードの半分以上である58%含まれており、肉食動物である猫にとって最適な食事を摂取できるように作られています。
続いて以下が成分となります。
【カナガン キャットフード チキン&サーモン 成分】
タンパク質:19%、脂質:1.2%、粗繊維:0.03%、灰分:1.2%、水分:77%、カロリー(100gあたり):約93Kcal
タンパク質は19%とウェットフードとしては高タンパクな内容です。また、100gあたりのカロリーも高いため、キャットフードのトッピングとして与える際には給餌量に注意する必要があります。
カナガン キャットフードのウェットフードはそれ単体でもかなり高い栄養素となりますので、ウェットフードと手作り食、キャットフードへのトッピングなど、主に「食事」として利用しやすいウェットフードと言えます。
キャネット「3時のスープ」の特徴
日本のペットフードメーカーの一つ「ペットライン」のフードブランドのひとつ「キャネット」。このキャネットの猫用ウェットフードのラインナップ「3時のスープ」は1袋25gと少量の製品になっており、1回食べきりサイズとして非常に便利なパウチタイプのウェットフードです。
ラインナップには以下の8種が揃っており、飼い主さんも愛猫もそれぞれのフレーバーを楽しむことができます。
・しらす添えかつおだしスープ風
・カニかまぼこ添えブイヤベース風
・小海老添えクリームシチュー風
・白身魚添え鶏だしスープ風
・おかか添えあごだしスープ風
・サーモン添え海鮮ポタージュ風
・緑黄色野菜添えほたてのチャウダー風
・まぐろ添えいりこだしスープ風
キャネット 3時のスープの特徴は小分けで便利というだけでなく、原材料に使用される鶏肉は国産の鶏肉が使用されており、安心の「国産品」という点が特徴となっています。
1袋25gなので、キャットフードへのトッピングにもおやつとして与えるのにも最適なウェットフードとなっており、市場でもかなり売れているウェットフードの一つと言って良いでしょう。
キャネット 3時のスープの原材料と成分をチェック
具体的にキャネット 3時のスープの中身を見てみましょう。
【キャネット 3時のスープ サーモン添え 海鮮ポタージュ風 原材料】
鶏むね肉、コーンスターチ、サーモン、ホタテエキスパウダー、カニエキス、ミルク(乳糖フリー)、赤パプリカ、パセリ、ビタミンE
「キャネット 3時のスープ サーモン添え 海鮮ポタージュ風」の主原料となるのは動物性タンパク源の「鶏むね肉」で、続いて植物性タンパク質として「コーンスターチ」が配合されています。
コーンスターチの原料となっているのは「トウモロコシ」。コーンスターチはこのトウモロコシから取られるデンプン質で、植物性タンパク質として配合されています。続いて動物性タンパク源の「サーモン」が配合となっています。
続いて成分を見てみましょう。
【キャネット 3時のスープ サーモン添え 海鮮ポタージュ風 成分】
タンパク質:4.3%、脂質:0.5%、粗繊維:0.5%、灰分:1.9%、水分:90%、カロリー(1袋 25gあたり):約17Kcal
タンパク質はカナガンのウェットフードと比較すると圧倒的に低い4.3%という内容です。3時のスープは「おやつ」としての要素もありますので、食事の邪魔をしない内容というところでしょうか。
対してカナガンのウェットフードは「食事の足し」にするべきウェットフードですので、タンパク質も十分な内容です。
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グレインフリーである意味とは
近年ではグレインフリーのキャットフード、ウェットフードも多く、今回比較しているカナガン キャットフードのウェットフードもグレインフリーの製品ですが、猫にとって穀物は必要のないものなのでしょうか。
猫は本来、完全な肉食の動物です。自然界においての猫は獲物を捕らえ、動物性タンパク源として獲物を食べています。ただし、完全な肉食動物である猫も100%肉だけを摂取して生きていくことはできず、微量ながらも食物繊維や炭水化物も必要としています。
といっても猫が直接、野菜や穀物を摂取するわけではなく、獲物の胃袋や腸を食べることで、獲物が食べていた食物繊維を摂取しているわけです。猫は食物繊維や炭水化物を消化する能力が低いため、猫の獲物である動物が食物繊維や炭水化物を摂取し、消化されているものを猫が摂取するのです。
獲物が摂取し、消化し始めていたものを摂取するわけですから、摂取量は微々たるものではありますが、猫にとってはこれくらいの量でも十分なわけです。
穀物であるコーンスターチ
2013年に発表された「ペット栄養学会誌」での「構造の異なる炭水化物が猫の血統変動に与える影響について」によると、炭水化物5種を猫に与え続けることの影響についての研究が行われ、その結果が発表されています。
比較された炭水化物はキャットフードでもよく見られる
・グルコース
・マルトース
・トレハロース
・デキストリン
・コーンスターチ
の5種。
この結果によると、トレハロースとコーンスターチは他の炭水化物よりもインスリンの上昇率が小さい傾向が見られたとのこと。また、トレハロースとコーンスターチは他の炭水化物よりも脂肪の蓄積を抑制するとの見解が記されています。
同じ炭水化物でもこのような違いが見られたわけですが、猫は穀物に含まれるグルテンを消化するための酵素をほとんど持ち合わせていません。そのため、消化には時間がかかりますので、インスリンの上昇も緩やかになるわけです。
インスリンとダイエットの関係
ダイエットを行う場合にはインスリンの急上昇を緩やかにすることが大切で、最も簡単にインスリンの上昇を抑制させるには、一度の食事量を減らし、1日量のキャットフードを与えるタイミングを複数回に分けてあげることです。
例えば、1日1回の食事であれば1日3〜4回に分けてあげることで、インスリンの上昇は大きく抑制させることが可能となるでしょう。一気に食事を与えてしまいますと、食べ物を一気に消化しようとインスリンも急上昇してしまいますので、少ない量でゆっくりと、インスリンの分泌を一定にさせることが大切なのです。
インスリンが余分に分泌されてしまうと、インスリンは糖質となり脂肪へと蓄えられて肥満を引き起こしてしまいます。そのため、必要以上のインスリンを分泌させないためにも、急激な食事の摂取や空腹状態を減らすことが、ダイエットでは大事なポイントとなるわけです。
まとめ
ウェットフードは猫があまりすすんで摂取しない水分を豊富に含んだフードで、特に夏場や夏バテ時の栄養補給、病中・病後の栄養管理・水分補給に優れた食事です。
今回比較したカナガン キャットフードのウェットフードとキャネット 3時のスープはそれぞれ同じウェットフードではありますが、使い勝手は大きく変わるでしょう。
内容的には圧倒的にカナガンのウェットフードの方が高品質と言えますが、使いやすさという点でいえばキャネット 3時のスープはちょっとした時に、栄養過多などを深く考えずに使用できるウェットフードと言えます。おやつに近い感覚でしょう。
両フードを同じ土俵で比較するのは難しいですが、食事としてのカナガン ウェットフード、おやつとしてのキャネット 3時のスープという捉え方がベストかと思います。
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