イギリスのキャットフード「カナガン キャットフード」と、ドイツのペットフードメーカー「ボッシュ」のキャットフード「ザナベレ」を比較すると、より幼猫に適したキャットフードはどちらと言えるのでしょうか。

そこで今回は、カナガン キャットフードとボッシュ ザナベレのキトンを比較、どちらがよりおすすめのキャットフードなのかを解説していきたいと思います。

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カナガンとは?


イギリス原産のペットフードメーカー「カナガン(CANAGAN)」は、イギリスでも人気のペットフードメーカーの一つ。そんなカナガンのキャットフードが「カナガン キャットフード」ですが、最大の特徴となるのが動物性タンパク源を70%使用した高タンパクなキャットフードであるというポイントです。

猫は完全な肉食動物ですので、やはりキャットフードに求められるのは高タンパクなふーどであり、動物性タンパク源を豊富に使用しているキャットフードです。というのも、猫は肉を消化するのには適した体をしていますが、穀物などを消化するのには適していない体の構造となっています。

野生化で暮らす猫も、獲物となる動物の肉からタンパク質を摂取していますが、同時に獲物が食べ、消化していた「植物成分」も一緒に食べることで、微量の食物繊維や炭水化物を摂取していると考えられています。

グレインフリーである意味とは

100%肉を摂取しているだけでは猫にとって必要な栄養を摂取出来るわけではありません。カナガン キャットフードは動物性タンパク源を70%、植物成分を30%の割合で構成されたキャットフードで、穀物の割合は0%のグレインフリーのキャットフードとなっています。

安価なキャットフードになると主原料が穀物である場合もありますが、前述の通り、猫にとっては消化しにくい穀物を主原料とするのは、消化や栄養の吸収効率が悪いキャットフードと言えるかもしれません。

食事のバランスというのはこの事で、いくら肉食である猫でも多少の食物繊維は必要とします。しっかりとタンパク質を摂取しつつ、適度な食物繊維がなければ、愛猫の体も健康に維持することができません。

グレインフリーとグルテンフリー

近年では「グレインフリー」のキャットフードが多く登場してきていますが、これは穀物アレルギーに配慮している部分も多いです。

穀物アレルギーの原因となるのは穀物に含まれる「小麦グルテン」。小麦グルテンはすべての穀物に含まれるわけではありませんが、キャットフードにもよく使用されている「小麦」や「トウモロコシ」などに多く含まれます。

穀物には豊富に栄養が含まれてはいますが、小麦グルテンがあることで消化の妨げにもなるため、消化不良やアレルギーを引き起こす要因となってしまう場合があるのです。

グレインフリーのフードは穀物アレルギーに配慮している部分と、消化のしやすいフードにしているという部分もありますが、小麦グルテンを含まない穀物を使用した「グルテンフリー」と呼ばれるフードも存在します。

穀物を使うと消化に悪いと思いますが、グルテンフリーは小麦グルテンを含まない穀物を使用する代わりに、穀物から得られる栄養を摂取するためのフードと言って良いでしょう。動物性タンパク源にも豊富な栄養は含まれますが、穀物ならではの栄養を摂取することも出来るわけです。

カナガン キャットフードの原材料をチェック

では具体的にカナガン キャットフードの原材料を見てみましょう。

【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ

カナガン キャットフードの主原料は「乾燥チキン」が35.5%、「骨抜きチキン生肉」が25%配合されており、他にも「鶏脂」や「乾燥全卵」「チキングレイビー」「サーモンオイル」と、動物性タンパク源が豊富に使用されています。

動物性タンパク源が70%使用されているキャットフードは、そう多くはありませんので、カナガン キャットフードはキャットフードの中でも動物性タンパク源が高配合のキャットフードと言えるでしょう。

このほか、野菜類、果物類、ハーブ類と言った植物成分が含まれ、植物成分ならではの栄養やプラスαの栄養を摂取することができます。多くは免疫力の維持・向上や身や心のリフレッシュ効果が得られる物が配合されており、サプリメントのような効能が期待できるでしょう。

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ボッシュ ザナベレとは


続いてドイツ原産のペットフードメーカー「ボッシュ」のキャットフードブランドである「ザナベレ」の子猫用「キトン+」について見てみましょう。

前述で挙げたカナガン キャットフードは全年齢を対応とした「オールステージ対応」のキャットフードであるのに対し、ボッシュのザナベレには子猫用のキャットフードや成猫用、老猫用といった年齢別に分けられたフードのほか、肥満猫用や消化器系にトラブルを抱えている猫用など、猫の状態にあったキャットフードを選ぶことができます。

全年齢のキャットフードでも支障はありませんが、より細かなケアを行うには年齢別に分けられたキャットフードがやはりおすすめと言えます。子猫が求めているもの、高齢猫が求めているもの、トラブルを抱えている猫が求めているもの、やはりそれぞれ求められる栄養やフードの質は異なります。

ボッシュ ザナベレの原材料をチェック

「猫」としての栄養だけを考えればオールステージ対応のキャットフードでも特に問題はありませんが、より細かなケアを行うにはフードも適したものを選びたいところ。では具体的にボッシュ ザナベレのキトン+の原材料を見てみましょう。

【ボッシュ ザナベレ キトン+ 原材料】
フレッシュチキン(20%以上)、米、鶏肉粉、動物性脂肪、肉粉、ソルガム(ミロ)、レバー粉、ジャガイモタンパク質、加水分解タンパク質、シュマルツ(ドライ)、魚粉、ビートパルプ(糖分除去)、黄キビ、亜麻仁、酵母(ドライ)、魚油、炭酸カルシウム、塩化カリウム、コケモモ(ドライ)、ブルーベリー(ドライ)、貝粉、チコリパウダー、キンセンカの花(ドライ)、ユッカエキス

ザナベレ キトン+の主原料は「フレッシュチキン」が20%以上配合された、動物性タンパク源主体のキャットフードとなっています。このほか、穀物や植物成分が含まれていますが、穀物に関しては前述でも触れたグルテンフリーのキャットフードとなっています。

両フードの成分を比較


では両フードの成分を比較してみましょう。

【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal

【ボッシュ ザナベレ キトン+ 成分】
タンパク質:34%、脂質:21.5%、粗繊維:2%、灰分:6.6%、水分:10%、リン:1%、マグネシウム:0.08%、ナトリウム:0.35%、カルシウム:1.25%、カリウム:0.55%、カロリー(100gあたり):約416Kcal

子猫の場合、多くの蛋白質を必要としていますので、タンパク質は高いほうが良いと言えるでしょう。また、ある程度カロリーが高いほうが子猫用フードとしてはおすすめです。

栄養バランスに関しては両フードとも高い品質のキャットフードですので、申し分のない内容かと思います。

プロ目線から見たフードの比較

子猫用として大事になるポイントはフードが「ふやけやすい」かどうかというポイントです。子猫は成猫よりも消化する力がまだ備わっていませんので、出来る限りふやけやすく、消化のしやすいものが理想的です。

こうしたポイントで見ると、カナガンはオールステージ対応のキャットフードであり、日本で扱われているのはチキンの1種のみ。対してボッシュは幼猫用から高齢猫用までが揃っており、年齢に沿った配合やフードの開発が行われています。

子猫は特にすぐに消化でき、スムーズに栄養を吸収できることが大事であります。カナガンは子猫から高齢猫まで対応しており、栄養バランスもある程度整ってはいますが、やはり子猫に特化した食事のほうが飼い主さんも安心ではないでしょうか。

まとめ

今回はカナガン キャットフードとボッシュ ザナベレキトン+の比較をしてきました。

両フードとも高品質なキャットフードですので、どちらもおすすめのキャットフードではありますが、強いて差を付けるとすると、今回は「子猫用」のキャットフードとして比較した場合、やはり子猫用のキャットフードのほうが安心感や使い勝手が良いという点で、ボッシュ ザナベレ キトン+の方がよりおすすめであると判断しました。

カナガン キャットフードは品質自体は良いのですが、子猫に関わらず、高齢猫にとっては逆にタンパク質が高すぎるためにあまりおすすめしたい内容ではありません。全年齢対応ではありますが、基本となるのは成猫向けと言った内容ですので、今回の比較で言えば、ボッシュの方がより子猫用としておすすめであると言えるでしょう。

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