動物性タンパク質が60%以上と豊富な「カナガン」と、同じくタンパク質が豊富なウェルネスの「ウェルネスコア」シリーズ。共に同じくタンパク質が多いドッグフードですが、どちらの方が良いドッグフードと言えるでしょうか。
そこで今回は「カナガン チキン」と「ウェルネスコア 小型犬 成犬用」の成分値や品質内容を徹底比較してみたいと思います。
カナガンの特徴について
ネットでも話題になっている「カナガン」ですが、特徴となるのは「生物学的に適性な栄養バランス」です。犬は雑食性の肉食動物ですが、最も適した栄養バランスと言われているのが「動物性タンパク質60%、植物成分40%」の割合です。
カナガンはこの割合に沿って作られたドッグフードで、動物性タンパク源となる原材料は60%以上になっています。半分以上が「肉」で構成されているドッグフードですので、本来犬が必要としている栄養素も摂取でき、犬にとっては消化のしやすい割合となっているので、消化の弱い犬にもおすすめと言えるドッグフードです。
また、犬が苦手とする穀物類の消化に配慮し、カナガンはグレインフリーのドッグフードとなっているのも特徴の一つとなっています。
ウェルネスコアの特徴について
「ウェルネス」は1997年にウェルペット社が開発したドッグフードで、ウェルネスの他にも、ウェルネスのグレインフリーのシリーズとなる「ウェルネス穀物不使用」、高たんぱく質・穀物不使用で作られた「ウェルネスコア」、1種類の動物性タンパク源に絞って作られた「ウェルネスシンプル」などのシリーズが展開されています。
中でもカナガンと似た内容となるのが「ウェルネスコア」シリーズとなりますが、ウェルネスコアの特徴となるのが、基本ラインとなる「ウェルネス」シリーズよりも約28%増となっているタンパク質量です。
また、乳酸菌を含みますので消化も促進、動物性タンパク質が多めですので消化の弱い犬にも適したドッグフードと言えます。
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カナガンとウェルネスの原材料を比較
では具体的にカナガンとウェルネスコアの原材料について見てみましょう。
【カナガン チキン 原材料】
骨抜きチキン生肉26%、乾燥チキン25%、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモ、エンドウタンパク、アルファルファ、鶏脂3.1%、乾燥全卵3.1%、チキングレイビー1.6%、サーモンオイル1.2%、ミネラル(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン(ビタミンA 16,250IU/kg、ビタミンD3 2,400IU/kg、ビタミンE 240IU/kg)、グルコサミン1000mg/kg、メチルスルフォニルメタン(MSM)1000mg/kg、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、オオバコ、海藻、フラクトオリゴ糖、コンドロイチン700mg/kg、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、クランベリー、アニスの実、コロハ
【ウェルネスコア 小型犬成犬用 骨抜き七面鳥 原材料】
骨抜き七面鳥、七面鳥ミール、チキンミール、じゃがいも、えんどう、乾燥粗挽きじゃがいも、鶏脂(ミックストコフェロールで酸化防止)、トマトポマス、チキンエキス、粗挽き亜麻仁、サーモン油、ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、パセリ、りんご、ブルーベリー、ケール、さつまいも、スペアミント、チコリ根抽出物、ラクトバチルス・プランタルム※、エンテロコッカス・フェシウム※、ラクトバチルス・カゼイ※、ラクトバチルス・アシドフィラス※、ユッカ抽出物、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、ベータカロテン、A、B1、パントテン酸、B6、B2、D3、ビオチン、B12、葉酸、C)、ミネラル類(亜鉛タンパク化合物、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸第一鉄、鉄タンパク化合物、硫酸銅、銅タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸マンガン、亜セレン酸ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム)、アミノ酸類(タウリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物、スペアミント抽出物)※乳酸菌
カナガンは「骨抜きチキン生肉」「乾燥チキン」と、チキンのみの原材料で構成されています。一方のウェルネスコアは「骨抜き七面鳥」「七面鳥ミール」「チキンミール」と、七面鳥(ターキー)とチキンの2種類の動物性タンパク源で構成されています。
チキンは低カロリーで高タンパクな食材で知られ、栄養素もバランスが良いことから多くのドッグフードにも採用されている原材料ですが、ターキーはチキンよりもさらに高タンパクながら低脂質なヘルシーな食材です。
また、安価なドッグフードで多く使われる「ミール」類。ミールは生肉とは違いミンチ状にされた肉を指しますが、栄養価の無い部位もミールとして使われているケースもあるので注意が必要です。因みに、ウェルネスコアのチキンミールはミネラル量をコントロールした低灰分のチキンミールと記載がありますので、こうした心配はしなくても良さそうです。
カナガンとウェルネスの成分を比較
カナガンとウェルネスの成分値を比較してみましょう。
ウェルネスの中でも特に高タンパクなシリーズであるウェルネスコアですが、タンパク質量が36%と、他のドッグフードよりもかなり高い数値となっています。対してカナガンのタンパク質量は33%と、他のドッグフードに比べると高いタンパク質なのですが、ウェルネスコアよりも少し低いタンパク質量となっています。
脂質に関してはカナガンが17%、ウェルネスコアは15%とやや抑えめです。繊維質はカナガンが3.5%に対し、ウェルネスコアは5%と高めの繊維質になっており、水分量も10%と一般的なドッグフードの平均的な水分量となっています。
カナガンの水分量はやや少なめの8.5%、繊維質もやや低めであることから、カナガンは高タンパク・高脂質のドッグフードで、繊維質は低めの内容となります。
ウェルネスコアは高タンパクながらも脂質や繊維質、水分量は一般的なドッグフードに近い数値になっているので、純粋にタンパク質を摂取するのに最適なフードと言えるでしょう。
カナガンとウェルネスのカロリーを比較
カナガンとウェルネスコアのカロリーを比較してみましょう。
カナガンのカロリーは100gあたり361kcal、ウェルネスコアのカロリーは100gあたり359kcalと、カナガンよりも低いカロリーとなっています。微妙な差ではありますが、ウェルネスコアは高タンパクという特徴をしっかりと出したドッグフードと言えるでしょう。
一方のカナガンはタンパク質、脂質、カロリー共に高いドッグフードで、しっかりと動物性タンパク質を摂取でき、活動的な犬の栄養をしっかりと支えることが出来るドッグフードと言えるでしょう。
両方のドッグフードもカロリーは高めですので、与える際には活動的な犬が適しているドッグフードです。肥満犬や老犬には不向きかもしれません。
関節ケアはカナガンの方が優勢
犬の関節の健康維持をするのに欠かせない「コンドロイチン」や「グルコサミン」ですが、両フードの含有量を比較してみたところ、カナガンはグルコサミンの含有量が1000mg、コンドロイチンの含有量が700mgなのに対し、ウェルネスコアはコンドロイチンの含有量が200mg、グルコサミンの含有量が250mgと大きな差がありました。
特に老犬は関節や軟骨のケアが必要となりますので、出来るだけ摂取しておきたいところですが、カナガン自体が高カロリー・高タンパクのドッグフードですので、カナガンは老犬向きとは言えません。特に内蔵への負担が大きく、腎臓に病気を抱えている場合には避けたほうが良いでしょう。
とはいえ、カナガンはオールステージ対応のドッグフードですので、子犬〜老犬までを対象としたドッグフードとなっています。子犬や成犬にとっては豊富な栄養を摂取でき、消化のしやすいドッグフードとなっていますので、活発な成犬まではおすすめと言えるドッグフードです。
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プロ目線から見たフードの比較
実は両方のフード共に、購入する際には限定された方法でしか購入することが出来ないドッグフードとなっています。
ウェルネスコアに関してはアマゾン、もしくはイオンペットのみの取り扱いになりますので、購入する際にはネットからか、イオンでのみしか購入する方法がありません。
一方のカナガンはネット経由でのみ購入する方法しかありませんので、店頭で購入することは出来ません。ただし、カナガンの場合は継続して買うコースに切り替えれば、10%OFF〜20%OFFの価格で購入することが出来ますので、非常にお得です。
両フードともに購入するルートは限られますが、カナガンのほうがお得にドッグフードを購入することができますので、愛犬の食いつきが良いようであれば、定期コースに申し込むことをおすすめします。
まとめ
ウェルネスコアは高タンパクのながらも、バランスの取れた成分内容という印象。カナガンははっきりと高タンパクフードである事がわかるドッグフードという比較でした。
高タンパクのドッグフードを探しているのであれば、アレルギーや年齢が高い場合にはウェルネスコアがおすすめ。一方、活発な成犬で病気やチキンアレルギーがないのであれば、カナガンはおすすめのドッグフードとなります。
2種類ともに高タンパクなドッグフードですので、与える際には一日の活動量や肥満にも注意しなければなりませんが、犬にとって優れた栄養源である「肉」が主体となっているドッグフードですので、高い栄養価を求める子犬や成犬はこうした栄養バランスのドッグフードがおすすめです。
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