動物性タンパク源を豊富に含む高タンパクな「カナガン キャットフード」と、オーブンベイク製法を特徴としている「ロータス キャットフード」はどちらが、より高品質なキャットフードと言えるのでしょうか。
そこで今回は、カナガン キャットフードとロータス キャット アダルトの特徴や原材料について比較していきたいと思います。
カナガン キャットフードとは?
「カナガン キャットフード」はイギリス原産のキャットフードで、豊富な動物性タンパク源を含む高タンパクなキャットフードとして知られます。
猫にとってタンパク質は非常に重要な栄養ですので、できる限りタンパク質を多く摂取させたいものです。タンパク質は丈夫な筋肉を作り、丈夫な体を作るのにも欠かせないものです。
そして、タンパク質を多く摂取するには肉や魚といった動物性タンパク源を多く摂取するのが、猫の食事のバランスとして最適と考えられています。カナガン キャットフードは動物性タンパク源を70%の割合で配合しており、のこり30%の割合で果物や野菜、ハーブ類といった植物成分を含むキャットフードです。
なお、多くのキャットフードに含まれる「穀物類」に関しては、猫が消化しにくい食材でもありますので、カナガン キャットフードは一切含んでおりません。
カナガン キャットフードの原材料
カナガン キャットフードの原材料を見てみましょう。
【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ
前述の通りカナガン キャットフードの主原料は「乾燥チキン」「骨抜きチキン生肉」となっております。
上記を見ても分かる通り、カナガン キャットフードの原材料は非常にシンプルな構成になっており、その半分以上がチキンを利用したキャットフードです。また、猫の体にリスクを与えるような人工添加物も一切使用していない、安全なキャットフードです。
人工添加物には保存料や酸化防止剤、添加物などに使用されることが多く、アレルギーや病気を引き起こす可能性があると指摘されています。そのため、近年ではこうした人工添加物を使用しないキャットフードが増加してきているのです。
必ず害となる確証もありませんが、全く害がないとも言えない人工添加物もありますので、できるかぎり人工添加物の使用していないキャットフードを選びたいところです。
ロータスとは?
では続いてカナガン キャットフードと比較する「ロータス」について見てみましょう。
ロータスはカナダ原産のキャットフードで、大きな特徴としては「オーブンベイク製法」で作られたフードであることを特徴としています。また、原材料はヒューマングレードの素材が使用されているなど、内容としては高品質なキャットフードとなっています。
そして、ロータスのキャットフードには腸内環境を改善・維持させるのに期待できる「アシドフィルス菌」「ラクティス菌」「カセイ菌」といった善玉菌を配合。プロバイオティクスのキャットフードとなっています。
腸内環境の改善は、愛猫の健康維持にも高い効果が期待でき、皮膚や被毛の健康維持にも良い効果を与えてくれることでしょう。
オーブンベイク製法とは?
オーブンベイク製法とは、ビスケットと同じ要領でじっくりと焼き上げるフードの製法で、メリットとしては栄養素や旨味を破壊せず、より凝縮したフードに仕上げることができるという点です。
一般的なペットフードは強力な圧力が加えられ、高熱で一気に焼き上げる「エクストルーダー製法」と呼ばれるフードの製法で作られています。エクストルーダー製法のメリットは効率よく、早くフードを製造することができますので、大量生産するのに向いています。
しかし、高圧と高熱で栄養素や旨味は破壊されてしまい、本来、原材料から摂取できる栄養素や旨味の多くが失われた状態となってしまいます。
オーブンべイク製法は時間をかけて焼き上げるので、時間もかかりコストも掛かってしまいますが、栄養価をできるだけ損なうこと無く、素材本来の旨味を活かすことができる製法ですので、消化の良さや食付きの良さに定評があるフードの製法となっています。
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ロータスの原材料
ロータスのラインナップの中で、今回は「ロータス キャット アダルト チキンレシピ」を取り上げてみたいと思います。
【ロータス キャット アダルト チキンレシピ 原材料】
チキン、チキンミール、挽き割り玄米、挽き割り大麦、鶏レバー、エンドウ豆繊維、鶏脂(酸化防止剤としてミックストコフェロール<天然ビタミンE>、クエン酸)、乾燥ビール酵母、天然チキンフレーバー、乾燥全卵、オイルブレンド(大豆オイル、オリーブオイル、サーモンオイル、酸化防止剤としてミックストコフェロール<天然ビタミンE>、クエン酸)、かぼちゃ、りんご、さつまいも、人参、ほうれん草、ブルーベリー、乾燥クランベリー、はまぐり、挽き割りフラックスシード、炭酸カルシウム、海塩、塩化カリウム、タウリン、緑イ貝、チコリ根、ユッカエキス、乾燥ケルプ(海草)、ビタミンC、ビタミンE、硫酸鉄、DL-メチオニン、プロピオン酸亜鉛、酸化亜鉛、マンガンアミノ酸キレート、ナイアシン、銅アミノ酸キレート、葉酸、ビタミンB12、硫酸銅、マンガン酸化物、ビタミンA、ナトリウム亜セレン酸塩、チアミンモノニトレイト(ビタミンB1)、カルシウムパントテン酸塩、リボフラビン(ビタミンB2)、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン、ビタミンD3、カルシウムヨウ素酸塩、アシドフィルス菌、ラクティス菌、カセイ菌、ローズマリーエキス
カナガン キャットフードとの大きな違いとなるのが、穀物類を含んでいるキャットフードであるという点です。前述の通り、近年では穀物を使用しないグレインフリーのキャットフードが多くなってきていますが、その理由の一つに挙げられるのが、穀物アレルギーをもつ猫が増えているということです。
穀物アレルギーの原因と考えられているのが、穀物に含まれる「小麦グルテン」と呼ばれる成分に対してアレルギーを引き起こす事なのですが、この小麦グルテンを含まない「グルテンフリー」のペットフードも増えてきています。
ロータスに関してはこのグルテンフリーのキャットフードで、小麦グルテンを含む「小麦」や「とうもろこし」「大豆」などの穀物類は一切使用されていないキャットフードとなっています。
カナガンとロータスの成分を比較
ではカナガン キャットフードとロータスの成分を比較してみましょう。
【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal
【ロータス キャット アダルト チキンレシピ 成分】
タンパク質:35%、脂質:19%、粗繊維:3.5%、灰分:7%、水分:10%、オメガ6脂肪酸:2.5%、オメガ3脂肪酸:0.35%、リン:1.25%、マグネシウム:0.13%、ナトリウム:0.41%、カルシウム:1.61%、カロリー(100gあたり):約382.5Kcal
動物性タンパク源の含有量を特徴としているカナガン キャットフードのタンパク質は37%、対してロータス キャットのタンパク質は35%と、わずかながらの差となります。
脂質、カロリーについてもカナガン キャットフードの方がわずかながら高い数値となっており、脂質は20%、カロリーは390kcal/100gと言う内容。
成分としては大差ないという内容と言えますが、ポイントとしては原材料や製法の違いとなるでしょう。カナガン キャットフードは動物性タンパク源を豊富に使用しているのに対し、ロータスはチキンを主原料にしながらも穀物類を含む点です。
ただし、ロータスに含まれる穀物類はグルテンフリーですので、アレルギーには配慮されており、さらにプロバイオティクスであるフードですので消化吸収にもこだわられたキャットフードと言えます。
一見すると動物性タンパク源を豊富に含むカナガン キャットフードの方が高品質なキャットフードと感じますが、ロータスのほうがより繊細な内容のキャットフードであると言え、栄養バランスや愛猫の消化吸収を考えるとロータスのほうが内容的には期待ができそうなキャットフードと言えます。
プロ目線から見たキャットフード比較
カナガン キャットフードとロータスの比較ですが、どちらも高品質なキャットフードには違いありません。ただし、愛猫の状態や年齢によってはおすすめが変わります。
動物性タンパク源を消化・吸収するには腎臓の働きが健康でなければなりません。そのため、病中・病後の猫や高齢猫は、消化器官も弱まってしまいますので、動物性タンパク源を多く含むカナガン キャットフードはあまりおすすめとは言えません。
ただし、より高い栄養を必要とする幼猫や成猫、特に活発な猫は動物性タンパク源を多く含むキャットフードの方が喜んでくれることでしょう。
それに対し、ロータス キャットフードは全体的にバランスが良く、いずれの年齢の猫でも与えやすい内容と言えます。また、今回比較しているのはロータス キャットのアダルト(成猫用)ですが、ラインナップの中にはシニア猫にもおすすめの「ローファット」があります。
ローファットのタンパク質は31%とやさしめの内容になっていますので、高齢猫にも与えやすいキャットフードとなっています。
カナガン キャットフードは残念ながらラインナップも1つしかありませんので、より与えやすく、長く与え続けていきやすいのはロータスのキャットフードと言えるのではないでしょうか。
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