高タンパクなキャットフードとして知られる「カナガン」ですが、自然派のキャットフードとして知られるニュートロの「ナチュラルチョイス」と比較してみると、どちらの方が猫にとって良いフードと言えるのでしょうか。
そこで今回はカナガン キャットフードとニュートロ ナチュラルチョイスの原材料や特徴について解説していきたいと思います。
「カナガン」とは
イギリス原産のキャットフード「カナガン」は、動物性タンパク源を60%以上使用したキャットフードとして知られます。
猫にとってタンパク質は、健康維持を含めて様々な役割を果たすもので、高タンパクなキャットフードほどよいキャットフードとも言えるでしょう。また、原材料に使用されているのは新鮮な動物性タンパク源ですので、愛猫の嗜好性も高く、消化吸収にも優れていると言えるでしょう。
消化吸収という点では、カナガンは穀物を一切使用せずに作られたグレインフリーのキャットフードでもあります。
穀物類は猫にとってはそこまで必要とは言えない原材料です。というのも、穀物は消化するのにも時間がかかり、腹持ちが良いとは言えますが、猫は穀物を消化するのが苦手な動物でもありますので、消化不良を引き起こしてしまう場合もあります。
消化する時間が長くなればなるほど、猫の体にも負担が生じてきますので、動物性タンパク源のような消化しやすい原材料が猫には向いているのです。
カナガンの主原料
カナガンの原材料を見てみましょう。
主原料は「乾燥チキン」「骨抜きチキン生肉」と、動物性タンパク源であるチキンで60%以上を占めています。
また、前述の通り、原材料に穀物類は含まれておらず、野菜や果物、ハーブ類といった植物成分が含まれます。
【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ
猫にとって食物成分も消化のしやすいものではありませんが、消化を促す作用や腸内環境を整える働きをしますので、微量の食物成分は摂取するべきです。野生化では、獲物を狩った時に、獲物が食べて消化している食物成分を摂取することで補っていたと考えられています。
猫にとってあくまでも主原料は「肉」ではありますが、微量の食物成分も摂取していたことが分かります。この他、ハーブ類でプラスαの効果も得ることができます。
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ニュートロ「ナチュラルチョイス」とは
日本でもプレミアムフードでお馴染みの「ニュートロ」。ニュートロには2つのブランドがありますが、中でも自然素材を利用した「ナチュラルチョイス」はニュートロの主力商品とも言えるラインナップとなっています。
ナチュラルチョイスの特徴となるのが「ミートファースト」であること。第一主原料には動物性タンパク源が使用されていますので、カナガン同様にタンパク質を多く必要とする猫にとって良質なキャットフードと言えるでしょう。
今回はカナガンとの比較として、ニュートロ ナチュラルチョイスの「食にこだわる猫用 アダルト チキン」を取り上げて紹介していきたいと思います。
ナチュラルチョイスの中にもいくつかのランナップがあり、主原料がチキンである物の他にもターキーやサーモン、ダック、白身魚などを主原料としたランナップがあります。その中でも、この「食にこだわる猫用」は、通常のラインナップよりも嗜好性を高め、高タンパクな内容にした商品となっています。
ナチュラルチョイスの原材料
ニュートロ ナチュラルチョイス 食にこだわる猫用の原材料を見てみましょう。
主原料は「チキン」「チキンミール」と続き、単一の動物性タンパク源ではなく、「フィッシュミール」「サーモンミール」といった動物性タンパク源も取り入れています。魚はご存知の通り、肉からは摂取できない様々な栄養を含んでいますので、健康面にもより安心のおける原材料と言えます。
【ニュートロ ナチュラルチョイス 食にこだわる猫用 アダルト チキン 原材料】
チキン(肉)、チキンミール、エンドウタンパク、エンドウマメ、鶏脂*、タピオカ、ポテトタンパク、ビートパルプ、フィッシュミール、サーモンミール、アルファルファミール、 タンパク加水分解物、亜麻仁、ユッカ抽出物、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
カナガン同様に、ニュートロ ナチュラルチョイスも穀物を使用しないキャットフードとなっています。近年ではこうして穀物を使用しないキャットフードが増えてきていますが、安価なキャットフードや低質なキャットフードでは未だに穀物が使われています。
キャットフードを選ぶ際の最低条件とも言えるのが、こうして動物性タンパク源を主原料にしているか、穀物は使用していないかという点です。カナガンもニュートロ ナチュラルチョイスも、この条件はクリアしていますので、いずれも良質なキャットフードと言えるでしょう。
両フードの成分を比較
続いて両フードの成分を比較してみましょう。
【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal
【ニュートロ ナチュラルチョイス 食にこだわる猫用 アダルト チキン 成分】
タンパク質:40%、脂質:16%、粗繊維:6%、灰分:10%、水分:10%、オメガ6脂肪酸:2.5%、オメガ3脂肪酸:0.3%、マグネシウム:0.12%、カロリー(100gあたり):約370Kcal
タンパク質の量はニュートロ ナチュラルチョイスの方が40%と高タンパクな内容に。反面、脂質とカロリーはカナガンのほうが高いので、肥満猫には向かないキャットフードかもしれません。
ナチュラルチョイスの脂質は16%、カロリーは370Kcalとなっているので、平均的と言えるでしょうか。猫にも与えやすい成分と言えそうです。
キャットフード選びでポイントとなってくるのが、長く与えていけるフードかどうかという点です。猫はグルメな子が多いので、キャットフードを不用意に切り替えてしまうと、より好みして食べなくなるという声も聞かれます。
そのためできるだけ長く、おなじキャットフードを与えていける方が、何かと安心なのです。
全年齢対応のキャットフード
こうして比較すると、カナガンの特徴は動物性タンパク源の配合量の多さ。ナチュラルチョイスはバランスの取れた成分が、両フードを比較した時の特徴と言えます。
ただし、カナガンで気になる点と言えるのが全年齢対応のキャットフードであるという点です。対してニュートロはラインナップも豊富なので、幼猫〜高齢猫、猫の状態に合わせたラインナップなどが揃っています。
カナガンは与え始めている時は問題ないにしても、愛猫が高齢になった時や病気になってしまった時に、ラインナップが1種類しかありませんので、どうしてもフードを切り替えなければいけないケースが出てきてしまうでしょう。
フードを切り替えるに当たり、やはり同じフードブランド内のほうが味の極端な違いはありませんので、長い目で見据えた時に、飼い主さんとして与えやすいキャットフードはニュートロになるかと思います。
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プロ目線から見たカナガンとニュートロ
カナガンは厳選素材で作られた、原材料もヒューマングレードのキャットフードですが、前述の通り1ラインアップというのは少しネックになるでしょう。内容的には高品質であり、ニュートロ以外の高タンパクなキャットフードと比較しても見劣りする内容ではありませんが、いざという時のフード変更がメーカー内で行えないのは残念なところではあります。
ニュートロはラインナップも揃っていますので、愛猫の状態に合わせてフードを切り替えて挙げやすいという利点もあります。成猫であれば、今回ご紹介した味にこだわる猫用や、タンパク質37%の「室内猫用 アダルト チキン」がおすすめですが、味に飽きないようにフードローテーションを行い、違うフレーバーを試すことも出来ます。
まとめ
今回はカナガンとニュートロのキャットフードを比較していきましたが、品質的にはほぼ同レベルといったところでしょうか。より高品質な素材を使用している点では、カナガンにやや軍配が上がるところですが、その他のポイントで比較していくと、やはりニュートロのほうがおすすめしやすいキャットフードと言えます。
両フードとも、人工添加物も使用していませんし、原料の品質も高品質ですので
愛猫に安心して与えることの出来るキャットフードです。あとは何を大事にするかというところで選択肢が変わりますが、多くの選択肢で考えても、ニュートロのほうが与えやすいキャットフードであると言えるでしょう。
とはいえ、やはり味で選ぶのは愛猫ですので、まずはお試しで両フードを試してみるのもよいかと思います。
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