ネットでも話題に上がる「カナガン キャットフード」と、ペットフードメーカーの中でも人気の高いニュートロの、高タンパクを売りにした「ワイルドレシピ」。やや似たところもある両フードですが、どちらの方がより良いキャットフードと言えるのでしょうか。
そこで今回は、カナガン キャットフードとニュートロ ワイルドレシピのチキンを比較していきたいと思います。
カナガン キャットフードとは?
イギリス原産のキャットフード「カナガン キャットフード」は、主原料の60%以上をチキンで占めており、穀物は一切使用しないグレインフリー(穀物不使用)のキャットフードです。
また、猫の体にも悪影響が懸念される人工添加物も使用されておらず、原材料に使用される食材もヒューマングレードの原材料となっていますので、愛猫にも安心して与えることのできるキャットフードとなっています。
カナガンはネットでも話題に上がっているキャットフードで、実のところ実店舗で購入することは出来ません。購入はウェブからのみの販売となっており、定期購入することでよりお得に購入できるというキャットフードです。
そんなカナガンですが、日本では「フリーランチキン(平飼いチキン)」のみの販売となっていますが、イギリス本土ではフリーランチキン以外にもラインナップが揃います。
とはいえ、日本ではフリーランチキンのみの取扱となりますので、今回はニュートロ ワイルドレシピの「アダルト チキン」と比較してみたいと思います。
ニュートロ ワイルドレシピとは?
日本でも人気フードブランの一つである「ニュートロ」。ニュートロには大きく分けて3つのフードブランドがあり、「ナチュラルチョイス」「ワイルドレシピ」「シュプレモ」と分けられています。
中でも動物性タンパク源の使用とグレインフリーであるキャットフードを特徴とした「ワイルドレシピ」シリーズは、肉食動物である猫にとって最適な栄養バランスを摂取できる、高タンパクなキャットフードとなっています。
動物性タンパク源には、チキンをはじめ、白身魚、サーモンのラインナップが揃いますが、今回比較するのはこの中の成猫用キャットフードである「アダルト チキン」です。
ワイルドレシピには3種のフレーバー違いがラインナップされていますが、チキンに関しては「キトン(幼猫用)」「アダルト(成猫用)」「エイジングケア(高齢猫用)」とステージ別のラインナップがありますので、主原料は変えずに年齢に応じて切り替えることが可能となっています。
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両フードの原材料を比較
では具体的に、「カナガン キャットフード」と「ニュートロ ワイルドレシピ アダルト チキン」の原材料を見てみましょう。
【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ
【ニュートロ ワイルドレシピ アダルト チキン 原材料】
チキン(肉)、チキンミール、エンドウタンパク、エンドウマメ、鶏脂*、タピオカ、ビートパルプ、ポテトタンパク、フィッシュミール、サーモンミール、アルファルファミール、タンパク加水分解物、亜麻仁、ユッカ抽出物、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
カナガン キャットフードの主原料は「乾燥チキン」「骨抜きチキン生肉」と、チキンだけで60%以上を占めます。対してワイルドレシピは、「チキン(肉)」「チキンミール」と、同じようにチキンを40%以上使用したキャットフードとなっています。
いずれのキャットフードも品質的には十分に高品質ですが、違いが見られるのは単一の動物性タンパク源を使用しているか、使用していないかという点です。
カナガン キャットフードが「チキン」のみの単一の動物性タンパク源なのに対し、ワイルドレシピは主原料は「チキン」ですが、「フィッシュミール」「サーモンミール」と、白身魚・サーモンの3つの動物性タンパク源が含まれます。
同じ動物性タンパク源でも、魚に含まれる栄養素はチキンやラムとは異なり、猫の健康維持にも最適な栄養素をプラスαで含みます。
カナガンとワイルドレシピの成分
続いてカナガンとワイルドレシピの成分について見てみましょう。
【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、粗灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、
カロリー:390Kcal/100g
【ニュートロ ワイルドレシピ アダルト チキン 成分】
タンパク質:40%、脂質:18%、粗繊維:4%、粗灰分:10%、水分:10%、
カロリー:380Kcal/100g
カナガンは高タンパクなキャットフードとしても知られますが、ワイルドレシピはそれを上回る40%という高タンパクなキャットフードです。
脂質に関してはカナガンが20%と高く、カロリーもカナガンが390Kcalとワイルドレシピの380Kcalよりも高カロリーな内容になっています。
猫は多くのタンパク質を必要としますので、特に活発な猫はタンパク質の多いキャットフードを選ぶと良いでしょう。タンパク質は健康な体を維持するのにも大事で、猫の健康を支える丈夫な筋肉を維持するのにも欠かせません。
ただし、両フードとも脂質は高めですので、肥満傾向の猫にとっては脂質も高く、カロリーも高めなフードですので、ダイエット向きとは言えないキャットフードです。
とはいえ、日頃から運動量の多い猫であれば、十分にカロリーも消費しますので、若年の猫や活発な猫には特におすすめなキャットフードとなっています。
グレインフリーである意味とは
カナガンもワイルドレシピも「グレインフリー」であることを特徴としていますが、グレインフリーである意味とはどのようなことがあるのでしょうか。
まず言われるのが、近年増加傾向にある食物アレルギー(穀物アレルギー)に対して配慮できるという点です。以前ではあまり見かけることも少なかったグレインフリーのキャットフードですが、近年は特に増えてきており、穀物に対してアレルギーを持つ猫も増加傾向にあることが予想されます。
穀物は肉食である猫にとってあまり必要ではない食材の一つとも言えますまた、穀物は猫にとって消化のしにくい食材でもあります。
穀物からも食物性タンパク質を摂取することができ、また消化がしにくいために腹持ちが良いという特徴を持ちますが、猫にとってはより消化・吸収がよい食材のほうが、体への負担も少なく、スムーズに栄養を摂取することが出来るのです。
キャットフードに含まれる穀物は、ある程度消化のしにくい状態に加工されてはいますが、どちらが消化吸収に優れているかと言えば、答えは簡単でしょう。
こうした理由もあり、近年ではグレインフリーのキャットフードが増加してきておりますが、比較的安価なキャットフードではまだまだ穀物を多く使用したキャットフードが多いと言えます。
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プロ目線から見た両フードの違い
カナガン キャットフードとニュートロ ワイルドレシピを比較する際の、大きなポイントとなるのが、両フードともにグレインフリーであること、主原料となる動物性タンパク源の2つのポイントです。
いずれも同じ条件のキャットフードとなりますが、注目したいのはラインナップの差です。
ニュートロのワイルドレシピは幼猫用・成猫用・高齢猫用とステージごとに分けられており、抗酸化成分を配合するなど、高齢猫にも配慮した内容となっています。
対してカナガンはオールステージ(全年齢対応)のキャットフードとなっており、給餌量の増減でコントロールする形となります。
カナガンには元々抗酸化作用の働きがある成分も含まれていますので、オールステージ対応のキャットフードとしても問題はありませんが、よりきめ細やかに栄養管理を行うのであれば、やはり年齢によってフードも切り替えておきたいところです。
一生涯与えられるキャットフードの条件とは
前述の通り、カナガンに関しては1ラインナップのみとなりますので、万が一切り替えが必要になった場合には、同メーカー内での対応は出来ません。メーカーが変わってしまうと微妙に味も変わってきてしまうため、より好みする猫であれば少々不安が残ることでしょう。
愛猫が成猫であれば、今のところはカナガンのような1ラインナップのみのキャットフードでも問題はありませんが、将来的に与え続けていけるキャットフードとして考えるのであれば、ニュートロのワイルドレシピのように年齢に応じて変えられる、ラインナップの揃っているフードのほうが安心ではあります。
より愛猫に合ったキャットフードを選ぶことも大事ですが、より大事にしたいのは高齢になった時に健康でいられるか、高齢になった時に対応できるフードかどうかです。
こうした観点から見ると、やや似た内容の両キャットフードではありますが、ワイルドレシピのほうがより安心して与えることの出来るキャットフードと言えるでしょう。
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