テレビCMでもお馴染みの「カルカン」。日本国内では非常に人気の高いキャットフードブランドの一つですが、ネットでも話題に上がっている「カナガン キャットフード」と比較すると、どちらが良いキャットフードと言えるのでしょうか。

そこで今回は「カナガン キャットフード」と「カルカン」の特徴や成分について解説していきたいと思います。

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カルカンについて


「カルカン」は30年以上の歴史を持つキャットフードブランドのひとつ。現在はマース傘下であるカルカンですが、キャットフードを自社開発しているだけでなく、ペットフードの研究所で知られるウォルサム研究所と連携した、キャットフード開発も行われています。

カルカンといえば、とても親しみやすいイメージを持つ方も多いかと思いますが、日本国内においてシェアを拡大している要因として大きいのは、キャットフードの価格によるものも大きいかと思います。

実際に、ネットショッピング大手のアマゾンでは、1.6kgが593円という価格。また、ホームセンターやスーパーマーケットでも購入することができることから、入手のしやすいキャットフードの一つとも言えるでしょう。

カナガンについて

「カナガン キャットフード」はイギリス原産のキャットフードで、動物性タンパク源を使用し、穀物類を一切使用しないグレインフリーを特徴としているキャットフードです。

猫は完全な肉食動物ですので、当然ながら猫の主食に最適なのは動物性タンパク源です。カナガン キャットフードはフードの70%が動物性タンパク源を使用しており、残り30%は野菜などの植物成分で構成されています。

猫にとって穀物は不必要であるというのがカナガンの考え方ですので、グレインフリーの内容となっていますが、近年はこのグレインフリーのキャットフードも増加傾向にあります。

まだまだ安価なキャットフードでは穀物を多く使用したキャットフードが多いですが、高品質であるかどうかの判断基準も、このグレインフリーであるかどうかというポイントが大きくなっています。

グレインフリーである意味とは

猫にとって穀物類は消化のしにくい食材であり、植物性タンパク源よりも動物性タンパク源を多く摂取した方が、より猫にとって良い栄養価を摂取できるのです。

前述の通り、猫は多くの動物性タンパク源を必要とする動物ですので、当然ながらタンパク質の量も豊富に含まれているキャットフードが、猫にとって理想的なフードと言えます。

また、動物性タンパク源は消化もしやすく、消化吸収にも優れていますが、穀物は消化がしにくいだけでなく、食物アレルギーを引き起こすリスクが高い食材でもあります。消化不良を招く要因でもあり、場合によっては毛艶や皮膚トラブルを引き起こしてしまう場合もあるのです。

こうした理由から、近年は穀物を使用しないグレインフリーのフードが多く登場してきており、キャットフードの品質もより高品質な傾向になってきています。

カナガンの原材料をチェック


ではカナガン キャットフードの原材料を見てみましょう。

【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ

前述の通り、カナガン キャットフードの主原料は「乾燥チキン」が35.5%、「骨抜きチキン生肉」が25%使用と、動物性タンパク源を多く使用されている、高品質なキャットフードです。

また、原材料の品質についてもクオリティが重視されており、人間が食べる品質であるヒューマングレードの原材料がすべてに採用されています。近年ではこうして、キャットフードにも高品質さだけでなく、安全性も求められるようになってきております。

原材料に使用される添加物には、人工添加物を使用せずに自然素材の添加物が使われるといったように、食の安全性もより向上したものとなっています。

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カルカンの原材料をチェック

ではカルカンの成猫用 ドライタイプ チキンと野菜味の原材料を見てみましょう。

【カルカン 成猫用ドライタイプ チキンと野菜味 原材料】
穀類(とうもろこし、小麦等)、肉類(チキンミール、チキンエキス等)、大豆、家禽類、植物性タンパク、油脂類(パーム油、大豆油等)、魚介類(フィッシュエキス等)、野菜類(ほうれん草、にんじん等)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸)、ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロライド、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、リン)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(クエン酸、BHA、BHT)、着色料(赤102、青2、黄4、黄5)、pH調整剤、保存料(ソルビン酸K)

カルカンの主原料は穀物類が採用されており、動物性タンパク源としてはチキンミールが使用されています。

前述の通り、猫にとって穀物類はあまり理想的とは言えない原材料ではありますので、主原料として使用しているカルカンは、カナガン キャットフードと比較するとグレードは落ちてしまうと言えます。

さらに気になるポイントとしては、前項でも触れた「人工添加物」が多く使用されている点です。カルカンに含まれる人工添加物には「酸化防止剤」のほか、「保存料」「着色料」と多量に使用されていますが、これらは猫の健康にもリスクがある内容とも言えるでしょう。

人工添加物について

人工添加物には病気を引き起こすリスクを高めたり、アレルギーを引き起こすリスクを高めると言った、健康面での不安要素が多く、なるべくであれば摂取は避けたいものではあります。

特に着色料に関しては、色が付いていてもいなくても、実際に食べる猫にとっては何ら関係のないものです。これに関しては飼い主さん向けの配慮と言える内容で、猫の健康を考えるのであれば、不必要な要素であると言わざるを得ません。

そして、酸化防止剤に使用されている「BHT(ブチルヒドロキシトルエン)」「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」は、最近では話題に上がることも多い人工添加物で、病気を発症するリスクを高めると考えられており、徐々に使用するフードも減少し始めています。

カルカンは残念ながらこうした人工添加物をフルコースで使用されているため、猫の健康維持を第一に考えたキャットフードとは言いにくい内容となっています。

カナガンとカルカンの成分を比較


では、カナガン キャットフードとカルカンの成分を比較してみましょう。

【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal

【カルカン 成猫用ドライタイプ チキンと野菜味 成分】
タンパク質:28%、脂質:10%、粗繊維:3%、灰分:9%、水分:12%、リン:0.9%、マグネシウム:0.09%、カルシウム:1%、カロリー(100gあたり):約355Kcal

カナガン キャットフードは高たんぱくを売りにしているキャットフードでもありますので、タンパク質の量は37%と高配合になっています。対してカルカンは28%と少なめのタンパク質です。

タンパク質は特に子猫や成猫の健康維持だけでなく、丈夫な筋肉を作るのにも必須の栄養素ですので、できるだけしっかりと摂取するべきものです。

ただし、カナガン キャットフードは脂質も20%と高いので、運動量の少ない猫は肥満を引き起こしてしまう可能性も高いキャットフードと言えるでしょう。カロリーに関してもカナガン キャットフードは390kcalと高いので、肥満傾向の猫にはあまり合わないかもしれません。

プロ目線から見たカルカンとカナガン

カナガン キャットフードとカルカンは、フード自体のクオリティに違いが多すぎるので比較材料としてはあまり適さないと言えます。

カナガン キャットフードは動物性タンパク源を70%使用しているのに対し、カルカンは穀物を主原料としている時点で、フードとしての比較としてはカナガン キャットフードの方がランクが上と言えるでしょう。

価格面で見ると5倍以上の差もある両フードですが、その内容としては5倍以上の差があると言っても過言ではありません。残念ながらカルカンは日本でも人気のキャットフードではありますが、決しておすすめしたい内容のキャットフードとは言えない内容です。

その理由として、穀物を主原料としている点、人工添加物を多く使用している点が挙げられ、動物性タンパク源としても「ミール類」の内容が明確ではないため、タンパク源としての品質にも不安が残る内容となっているためです。

愛猫の健康を第一に考えるのであれば、この両フードで選ぶと間違いなくカナガン キャットフードをおすすめと言えるでしょう。カルカンは安価で購入もしやすいキャットフードではありますが、愛猫の健康維持を考えて、グレインフリーのキャットフード、動物性タンパク源を豊富に使用したキャットフードを選んであげるようにしましょう。

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