問題行動の一つと言われている「吠え癖」ですが、その吠え癖のある愛犬に悩まされている飼い主さんも多いのではないでしょうか。この吠え癖には、様々な原因があると考えられています。今回は、吠え癖のある愛犬のしつけについて考えてみましょう。

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犬が吠える原因

犬の吠え癖には幾つか種類があります。犬が吠える原因で一番多いのが、犬自身の欲求による無駄吠えであり、他にも不安や恐怖、警戒心による無駄吠え、痛みや認知症による吠えなどがあります。
吠える原因によっては、吠え癖を治す方法も変わってきますので、まずは、愛犬がどうして吠えるのか、その原因を探ってみる必要があるでしょう。

欲求による無駄吠え

愛犬の欲求による無駄吠えとは、愛犬が何らかの欲求を飼い主さんに叶えて欲しくて吠えるものです。例えば、水が入っていない、トイレが汚れてオシッコができないなど、生活していく上で支障がある場合は、この欲求を叶えてあげることで解消されるでしょう。

しかし、散歩へ連れて行って欲しい、構って欲しい、おやつが欲しいなどの欲求に関しては、愛犬側でなく飼い主さんの都合で行動することなので、これらの欲求で吠えている場合、徹底的に無視をする必要があります。10分でも30分でも吠え続けるかもしれませんが、どんなに長い時間、愛犬が吠えていたとしても、吠えている間は、目も合わすことなく、知らん顔を貫いて下さい。

しばらくすると、吠えても構ってもらえないと諦めて寝てしまうでしょう。しかし、飼い主さんが立ち上がったり、何らかのアクションを起こすと、また吠えるようになりますが、それでも無視を続けます。途中、あまりにも無視され続ける愛犬が可哀想になり、構ってしまいたくなる衝動に駆られると思いますが、ここは心を鬼にして無視を続けましょう。

そのうち、吠える時間が少なくなりますが、こうなったらこっちのものです。愛犬が大人しくなって落ち着いた頃、急に愛犬の欲求を叶えてあげましょう。これが愛犬にとってのご褒美となります。吠え癖のしつけはこれの繰り返しで、愛犬は、自分が吠えても何の欲求も叶わない、飼い主さんの都合でしか叶えてもらえないと学習します。諦めさせることを覚えるまでは、一度でも吠えている途中に欲求を叶えないで下さい。今までの苦労が水の泡になり、前よりもっと吠えるようになります。

不安や恐怖による無駄吠え

雷や花火など、家の外で大きな音が鳴ったり、カラスなどの動きなど、人間からしてみたら些細なことですが、犬にしてみたら不安や恐怖の引き金となることもあります。こんな時は、愛犬に寄り添ってあげて、「大丈夫だよ」と声を掛けてあげましょう。

また、飼い主さんが留守にする場合は、ロールカーテンを下げて外の視界を遮断させたり、テレビやラジオのボリュームを上げて、外からの音を遮るのも良いでしょう。

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チャイムの音による無駄吠え

配達業者や来客時などにチャイムが鳴って吠える子も多いのではないでしょうか。これは、自分のテリトリーに見知らぬ人が侵入してきたことによる警戒心によって吠える場合と、来客者に構って欲しくて吠える場合があります。

愛犬が警戒心によって来客者に吠える場合、先述した通り、愛犬に「大丈夫」と声を掛けて、来客者に危険が無いことを理解させてあげましょう。また、来客者に構って欲しくて吠える場合、様々な躾の方法がありますので、幾つか紹介したいと思います。

来客者に吠えるのを止めさせる方法

まずは、愛犬を驚かせて吠えるのを止めさせる方法ですが、愛犬がチャイムで吠えた時、キーホルダーに沢山カギが付いている物などを、吠えている愛犬の傍に投げつけます。その際、すごく大きな音が出ることにより、チャイムの音よりもカギの音に驚いて吠えるのを止めるでしょう。これを何度も繰り返すことで、吠えるとカギの音に驚かされると学習して吠えなくなります。

次は、臭覚が敏感な犬の性質を利用した方法ですが、酢を水で5倍くらいに薄めた物をスプレー容器に入れておきます。愛犬がチャイムで吠えた時、愛犬の鼻先にシュッとスプレーして下さい。この時、直接鼻に掛けないように注意しましょう。愛犬は、スプレーされたことに不快に感じ、吠えることを止めます。これを何度も繰り返すことで、吠えるとスプレーの不快な臭いがすると学習して、吠えなくなるでしょう。

最後の方法は、賛否両論あり、「このやり方は良くない」と言われることがあるのですが、筆者自身も、これで愛犬の無駄吠えを止めさせたことがあります。これは、愛犬の首に付けると、吠え声に反応して、首に静電気のような刺激がくる首輪です。私たち人間でも突然の静電気には毎回びっくりさせられます。そのため、愛犬も刺激に慣れることはないので、首輪をしている間は吠えることはありません。これで吠えなくなったら、首輪の電源を切ります。ただ、多頭飼い家では、沢山の犬の声で反応してしまうのでお勧めしません。

痛みによる吠え

愛犬が痛みによって吠えているのであれば、これは無駄吠えでは無く、緊急を要するものです。犬は、少しの痛みくらいなら我慢する動物です。それが声を上げて鳴いているということは、余程のことでしょう。吠えの原因がケガや病気である場合、すぐ獣医さんに診てもらいましょう。

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認知症による吠え

愛犬が老化によって認知症になった時に、吠えてしまうことがあります。これは、年を取ると子供に戻って甘えん坊になる場合や、空腹や喉が渇いた、トイレや痛みなど、何かを欲求する場合もありますので、その原因を探る必要があります。寂しさや甘えからくるのであれば、愛犬の傍に寄り添い、何か欲求によるものであればそれを解消してあげましょう。

さいごに

愛犬が吠えるということは、何かを訴えているから吠えるのです。人間は言葉で相手に伝えることができますが、犬のように言葉を持たない動物は吠えることでしか相手に伝えられません。
愛犬が吠える場合、まずなぜ吠えるのか理由を探ってみましょう。

「もしかしたら、最近散歩を疎かにしていて、欲求不満になって吠えてるのかもしれない」
「もしかしたら、最近仕事が忙しくて、留守番ばかりで寂しい思いをさせているのかも」
「もしかしたら、どこか痛がっているのかな」

ただただ、「無駄吠えだ」と決めつけて止めさせようとするのではなく、なぜ愛犬が吠えているのか原因を考えてから対応するようにしましょう。

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