いずれもハイクラスなプレミアムフードとして知られる、イギリス原産のドッグフード「カナガン」と、ニュージーランド原産のドッグフード「キアオラ」。いずれもグレインフリーのドッグフードであり、動物性タンパク質が豊富に含まれたドッグフードですが、比較していくとどのような特徴で、どちらが優れたドッグフードなのでしょうか。

そこで今回は「カナガン チキン」と「キアオラ ラム」の成分値や品質内容を徹底比較してみたいと思います。

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カナガンの特徴について


カナガンは原材料の60%以上を「動物性タンパク質」で占める、犬にとって最適な栄養バランスのドッグフードです。また、カナガンに利用される原材料は、いずれもヒューマングレードの原材料となりますので、高い栄養化と新鮮な原材料、安全性の高い食事を愛犬に与えることが出来ます。

さらに、カナガンはグレインフリーのドッグフードとなりますので、犬にとって消化の悪い穀物類は原材料に一切含まず、犬が本来消化すべき「肉類」に加え、消化の働きを助ける「食物繊維」が原材料の約40%を占めます。

さらに、クランベリーやカモミールといったハーブ類も原材料に含まれ、健康維持にもプラスαの効果を与えています。

カナガンの大きな特徴となるのが、この「生物学的に適切な栄養素」と言われる動物性タンパク質60%と、40%の食物成分の割合である点です。

キアオラの特徴について

キアオラの特徴は、これまで疫病を出したことのないニュージーランド産のドッグフードであるという点です。ニュージーランド産の食肉や安全性としてはイギリス産のキアオラよりも高い評価となるでしょう。

ニュージーランドの検疫体制は非常に厳しく、家畜動物の品質が特に重要となっている昨今では、こうした疫病非感染国の食肉が重要な食材の一つとなりつつあります。同じく疫病非感染国の一つであるオーストラリアのオージービーフもお馴染みですよね。

各国、十分な品質管理が行われてはいるものの、やはりこのような疫病非感染国の食材は、特に重要なブランド力を持つため、品質という点では過去感染国よりも強い影響を与えます。

こうした理由のため、キアオラの品質に関しても安心のおけるものとなっているのです。

両フード共にアレルギーに配慮したドッグフード

キアオラはカナガンと同じくグレインフリーのドッグフードですので、穀物アレルギーを持つ犬にもおすすめなドッグフードとなっています。また、キアオラのラインナップには「ラム」「ベニソン」「グラスフェッドビーフ」の3種があり、それぞれ食物アレルギーに配慮したラインナップが揃います。

対するカナガンは「チキン」のみのラインナップ。仮に愛犬が鶏肉に対してアレルギーを持っていたのであれば、選択肢には入りません。同ランクのドッグフードを探しているのであれば、キアオラは良い選択と言えるでしょう。

また、キアオラの動物性タンパク質の割合は、「ラム」や「ベニソン」といった単一の「肉原料」に加えて、「サーモン」の2種類のみ。こうしたこだわりも食物アレルギーに対してのものとなります。

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カナガンとキアオラの原材料を比較

では実際にカナガンとキアオラの原材料について見てみましょう。

【カナガン チキン 原材料】
骨抜きチキン生肉26%、乾燥チキン25%、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモ、エンドウタンパク、アルファルファ、鶏脂3.1%、乾燥全卵3.1%、チキングレイビー1.6%、サーモンオイル1.2%、ミネラル(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン(ビタミンA 16,250IU/kg、ビタミンD3 2,400IU/kg、ビタミンE 240IU/kg)、グルコサミン1000mg/kg、メチルスルフォニルメタン(MSM)1000mg/kg、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、オオバコ、海藻、フラクトオリゴ糖、コンドロイチン700mg/kg、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、クランベリー、アニスの実、コロハ

【キアオラ ラム 原材料】
ラム生肉、乾燥サーモン、えんどう豆、ポテト、乾燥ラム、全粒亜麻仁、鶏脂、キャノーラ油、天然フレーバー、フィッシュオイル、タウリン、ビタミン類(ビタミンEサプリメント、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)、ビタミンAサプリメント、チアミンモノニトレート(ビタミンB1)、リボフラビンサプリメント、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、ビタミンB12サプリメント、ビタミンD3サプリメント、葉酸(ビタミンB9)、塩化コリン)、ミネラル類(塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸鉄、炭酸カルシウム、硫酸銅、硫酸マンガン、ヨウ素酸カルシウム、硫酸コバルト、亜セレン酸ナトリウム)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物・グリーンティ抽出物・スペアミント抽出物)

カナガン、キアオラ共に第一主原料、第二主原料に動物性タンパク質が含まれています。また、「ミート」類のような怪しげな原材料も含まれておらず、保存料・酸化防止剤に関しても自然由来の原材料が使われていますので、愛犬の身体にも安全な原材料となっています。

関節や軟骨にも配慮しているカナガン


2つのドッグフードの明らかな違いとなるのが、カナガンが関節や軟骨成分に対して配慮されているのに対し、キアオラは主にアレルギーに配慮し、免疫力の向上・維持に配慮した内容であるという点です。

カナガンには「コンドロイチン」「グルコサミン」に加えて「メチルスルフォニルメタン(MSM)」と呼ばれる有機硫黄化合物が含まれているのが特徴的です。メチルスルフォニルメタンはコラーゲンの生成に必要不可欠な栄養素として知られており、サプリメントなども多く販売されている成分。

コンドロイチンやグルコサミンはお馴染みの栄養素ですが、メチルスルフォニルメタンも含むことで、より関節や軟骨成分に配慮した内容となっているので、育ち盛りの犬や、老犬を迎える前の犬にもおすすめのドッグフードと言えます。

カナガンとキアオラのカロリーを比較

カナガンが「老犬を迎える前」におすすめと言う理由に挙げられるのが、カナガンの豊富過ぎるタンパク質量、脂質、カロリーです。

【カナガン チキン 内容成分】
・粗タンパク質:33.00%
・脂質:17.00%
・エネルギー(100gあたり)/約361kcal

【キアオラ ラム 内容成分】
・粗タンパク質:30.0%
・脂質:15.00%
・エネルギー(100gあたり)/約382kcal

活動量の多い犬、育ち盛りの犬であればこれらの豊富なエネルギーを消費することは容易ですが、病気を抱えている犬や老犬にとっては、少々重すぎるエネルギー量なのです。

特に、タンパク質が豊富ですと肝臓や腎臓の働きがしっかりしていなければ、逆に犬にとって負担の掛かってしまう内容となってしまうため、しっかりとバランスを考えなければなりません。

一方のキアオラに関しても、一般的なドッグフードよりも高タンパク、高脂質、高カロリーなドッグフードですので、カナガンと同様に年齢や犬の体調を考慮した上で与える必要があります。

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プロ目線から見たフードの比較


多くのドッグフードは「子犬用」や「成犬用」と言ったように、ライフステージ別に分けられたラインナップが一般的です。カナガンとキアオラに関しては全年齢対応のドッグフードとなりますので、いずれのドッグフードも体重によって給餌量を変えていく必要があります。

カナガンであれば、3kgの成犬で1日の給餌量が35g〜80g。
キアオラであれば、3kgの成犬で1日の給餌量が51g〜89g。

具体的には犬の体調や状態、便の状態を見て給餌量を細かく変えていく必要がありますが、カナガンは高タンパク・高脂質という事もあり、給餌量の幅もやや広めの印象です。その分、愛犬の体調に幅広く合わせられるという事でもあるでしょう。

また、価格に関してはカナガンは2kgで3,960円(税抜)、100gあたり198円。キアオラ ラムは2.7kgで5,800円(税抜)、100gあたり215円という価格に。これを上記の給餌量で当てはめていくと、1日51gを与えた場合にカナガンは「1日あたり101円」、キアオラは「1日あたり110円」という計算になります。

キアオラの方が高い印象ですが、1日あたりの価格で見ていくと、その差は約9円ですので、価格帯としてはほぼ似たドッグフードであることがわかります。

まとめ

食物アレルギーに配慮している点では、両フード共に高評価となりますが、日本国内の市場においてはチキンのみのラインナップであるカナガンは、チキンアレルギーを持っていない犬のみが対象となります。そのため、3種のラインナップが揃うキアオラの方がおすすめと言えるでしょう。

カナガンとキアオラを比較していくと、カナガンは「チキンアレルギーが無く活動量の多い犬向け」、キアオラは「食物アレルギーを持つ活動量の多めな犬向け」という事がわかりました。

いずれも甲乙つけがたい結果となりましたが、比較で行くとキアオラのほうがニュージーランド産である分、飼い主さんもより安心して愛犬に与えることができるドッグフードと言えるのではないでしょうか。

どちらも優れたドッグフードにあることは代わりありませんので、まずは試してみて、愛犬の食付きで判断してみるのが良さそうです。

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