動物性タンパク質の割合が60%以上の「カナガン」は、少し前から日本でも人気の出始めたドッグフードですが、老舗フードメーカーとしても知られる「アボ・ダーム」と比較すると、どちらが良いドッグフードなのでしょうか。

そこで今回は「カナガン チキン」と「アボ・ダーム オリジナルチキン」の成分値や品質内容を徹底比較してみたいと思います。

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カナガンの特徴について

カナガンの特徴となるのが「グレインフリー」である点と、動物性タンパク質の割合が60%という点が大きなポイントとなります。

比較的安価なドッグフードですと、穀物類を多く使用し、コストダウンさせている内容のドッグフードが多く、さらには穀物類は犬にとって消化のしにくい食材でもあるため、消化不良を起こしたり、便の状態が悪くなるといったデメリットもあります。

カナガンに関しては犬が本来必要としている動物性タンパク質を60%と多く利用されているため、犬にとって最適な栄養バランスと肉本来の旨味が、カナガンの特徴であると言えます。

また、使用されている原材料はすべて人間が食べられる品質の原材料を意味する「ヒューマングレード」の原材料が利用されているので、旨味や品質にも安心がおけるものとなっています。

アボ・ダームの特徴について


アボ・ダームは決して派手ではないものの、根強いファンも多いアメリカの老舗ドッグフードメーカーの一つです。アボ・ダームの最大の特徴となるのは、愛犬の皮膚や被毛の健康維持に高い効果が期待出来るという点で、特に得意としているのが涙やけに対するトラブルです。

こうした改善・維持のためにアボ・ダームのドッグフードに含まれる成分が「アボカド」。アボカドは犬が食べてはいけない食材の一つとしても有名ですが、実はその全てではありません。

アボ・ダームに含まれるアボカドは、犬にとって安全な部分のみが使われており、犬が抱えるスキンケアトラブルに対して、アボカドに含まれる豊富なビタミンとミネラル成分が弱アルカリ性の体質へと変えていき、トラブルを解決する手助けをしてくれるドッグフードとなっています。

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カナガンとアボ・ダームの原材料を比較

では実際にカナガンとアボ・ダームの原材料について見てみましょう。

【カナガン チキン 原材料】
骨抜きチキン生肉26%、乾燥チキン25%、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモ、エンドウタンパク、アルファルファ、鶏脂3.1%、乾燥全卵3.1%、チキングレイビー1.6%、サーモンオイル1.2%、ミネラル(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン(ビタミンA 16,250IU/kg、ビタミンD3 2,400IU/kg、ビタミンE 240IU/kg)、グルコサミン1000mg/kg、メチルスルフォニルメタン(MSM)1000mg/kg、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、オオバコ、海藻、フラクトオリゴ糖、コンドロイチン700mg/kg、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、クランベリー、アニスの実、コロハ

【アボ・ダーム オリジナルチキン 原材料】
乾燥チキン、玄米、白米、オートミール、トマト繊維、亜麻仁、乾燥アボカド果肉、鶏脂肪、ナチュラルフレーバー、塩化カリウム、塩、海藻、乾燥ニシン、ビタミン(塩化コリン、ビタミンE、ビタミンC、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンB6、ビタミンD3、葉酸)、ミネラル(硫酸亜鉛、硫酸鉄、鉄アミノ酸キレート、亜鉛アミノ酸キレート、セレニウム酵母、銅アミノ酸キレート、硫酸銅、硫酸マンガン、マンガンアミノ酸キレート、ヨウ素酸カルシウム)、アボカドオイル、ローズマリーエキス、セージエキス、パイナップル、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、エンテロコッカス・フェシウム

前述の通り、カナガンは高い割合を動物性タンパク質で占めており、他の原材料に関しても健康的な野菜や果物、ハーブ類が原材料として使われています。対してアボ・ダームも第一主原料には動物性タンパク質が採用されておりますが、第2主原料には玄米、白米、オートミールと全粒穀物が続きます。

タンパク質が多めなカナガン


原材料に続いて、成分について比較してみましょう。

カナガンの特徴でもある高タンパクの栄養成分は、タンパク質33%、脂質17%という高タンパク・高脂質な成分内容となっています。一方、アボ・ダームに関してはタンパク質21%、脂質 12%と、カナガンと比べるとかなり低タンパク質・低脂質な内容となっています。

後述しますが、犬の皮膚トラブルや肥満予防には低タンパク・低脂質なドッグフードの方が適しているため、カナガンのような高タンパク・高脂質なドッグフードは避けたほうが良いというのが実際のところです。

また、カロリーに関してはカナガンが100gあたり361kcal、アボ・ダームが100gあたり340kcalとなっています。活動量の多い犬であればカナガンはおすすめのドッグフードと言えますが、活動量も少なく、自宅内で過ごす事も多く、運動量の少ない犬には少々、高すぎるカロリーとなっています。

「グレインフリー」と「グルテンフリー」

アボ・ダームに関しては、カナガンの特徴である「グレインフリーフード」ではなく、グルテンを含まない「グルテンフリーフード」という内容になります。

犬の穀物アレルギーの多くは小麦や大麦などに含まれる「グルテン」であり、このグルテンを含まないフードは「グルテンフリー」と呼ばれます。「グレインフリー」は穀物を使用しないと言う意味、「グルテンフリー」は穀物に関係なくグルテンが含まれないという意味です。

グルテンは植物性のタンパク質で、安価なドッグフードでは「タンパク質」の量を増やすために小麦(小麦粉)が多く使われるのですが、このグルテンに対してアレルギーを引き起こす犬も多く、また、アメリカでは数年前に中国産の小麦に関連する事件が発生したこともあり、グレインフリー以外にもグルテンフリーのドッグフードが増えてきているのです。

なお、アボ・ダームには別に「グレインフリー」のドッグフードもありますので、グレインフリーと皮膚トラブルを解決することが目的であれば、アボ・ダームを選んでみても良いかと思います。

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プロ目線から見たドッグフードの比較


カナガンとアボ・ダームに関しては、同じドッグフードでも目指すところが異なるため、原材料や品質的に見てもどちらが良いフードかというジャッジは出来ません。

例えば、カナガンに関しては高タンパク・高脂質のドッグフードですので、より健康的な食事、より安全な食事を目指すのであればカナガンに軍配が上がる形となりますが、皮膚トラブルを抱えている場合には、カナガンは逆効果になる可能性も。

皮膚トラブルに関してはアボ・ダームの得意とするところなので、文句なしにこの場合はアボ・ダームに軍配が上がりますが、決してカナガンが皮膚トラブルを招くという意味ではありません。

カナガンのように高タンパク・高脂質なドッグフードはどうしても肥満を引き起こす可能性も高く、肝臓や腎臓にも多くの負担がかかってきます。アレルギー性皮膚炎などのトラブルを抱えている犬は、肝臓を一時的に休ませてあげ、犬の体に無理のかからない程度の動物性タンパク質を摂取させることも大切なのです。

皮膚トラブルを解決するためには適切な栄養バランスが重要となります。この点においては両フード共にバランスの取れたドッグフードとなっていますが、アボ・ダームはより肌トラブルに配慮した低タンパク・低脂肪な成分設計となっており、アボカドの栄養素が良い効果を与えているため、皮膚や被毛も改善方向に向かっていくわけです。

まとめ

カナガンとアボ・ダームに関しては、それぞれが良いフードであることは間違いはありませんが、愛犬の年齢や健康状態によっては、適したフードではなくなる場合もあります。

カナガンはあくまでも健康的な状態の犬におすすめなドッグフードであり、皮膚トラブルや内臓系の病気、食事療法が必要な犬などには、高タンパク・高脂質なドッグフードであるために、こうした犬たちには不向きと言えるドッグフードです。

反面、アボ・ダームに関しては比較的低タンパク・低脂肪のドッグフードであり、皮膚トラブルに対しても高い効果が期待できるドッグフードですが、活動量の多い犬や育ち盛りの犬に関しては、もう少し栄養が欲しいところ。

このように、犬の体調や年齢によってもフードの良し悪しが代わりますので、愛犬によって良いと言えるフードは変わります。いずれのドッグフードも決して内容が悪いフードではありませんので、与え方さえ間違えないようにすると、愛犬の体調も良くなっていくことでしょう。

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