高タンパクで動物性タンパク源の含有量が高いキャットフード「カナガン キャットフード」と、日本国内でも特に有名なフードブランドの「ヒルズ サイエンスダイエット」。両フードを比べると、どちらの方がより高品質でおすすめのキャットフードと言えるのでしょうか。

そこで今回は、カナガン キャットフードとヒルズ サイエンスダイエットの原材料や特徴を比較、どちらがおすすめのキャットフードかを検証してみたいと思います。

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ヒルズ サイエンスダイエットについて


「ヒルズ」というフードメーカーは日本でも特に有名で、中でも「サイエンスダイエット」というフードブランドは、犬や猫を飼育していない方でも耳にしたことがあるほどに有名なブランドではないでしょうか。

ヒルズはアメリカ原産の老舗ペットフードメーカーで、日本でも古くから親しまれてきているフードブランドでもあります。かつてはサイエンスダイエットといえば動物病院で購入するフードというイメージもありましたが、近年ではホームセンターやコンビニなどでも見かける、最も身近なフードブランドの一つでもあります。

そんなサイエンスダイエットですが、じつはホームセンターなどで販売される「サイエンスダイエット」と、ペットショップなどで販売される「サイエンスダイエットPRO」の2種類に分けられていることをご存知でしょうか。

2タイプのサイエンスダイエット

実際にはヒルズには3タイプのブランドがあり、1つは病院などで扱われる療法食の「プリスクリプション・ダイエット」、残り2タイプが上記に挙げた「サイエンスダイエット」と「サイエンスダイエットPRO」です。

「PRO」が付いただけで、価格や販売店も大きく異なる両ブランドですが、基本的に「サイエンスダイエット」は低価格で販売店は多種多様、「サイエンスダイエットPRO」は高単価で販売店は専門店系のみの販売ルートとなっています。

大きな違いは原材料の質や成分などのグレードの違いですが、簡単に言えばサイエンスダイエットがベースであれば、サイエンスダイエットPROはベースよりさらに高品質なキャットフードで、ラインナップが豊富なのでより愛猫に適したフードを選ぶことができるという事が特徴になります。

サイエンスダイエットの原材料をチェック

今回はカナガン キャットフードとの比較として、サイエンスダイエットの室内猫用である「インドアキャット」を比較材料にしていきたいと思います。では原材料を見てみましょう。

【ヒルズ サイエンスダイエット インドアキャット アダルト チキン 原材料】
トリ肉(チキン、ターキー)、トウモロコシ、米、コーングルテン、セルロース、チキンエキス、植物性油脂、動物性油脂、小麦、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、イオウ、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、カルニチン、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)

サイエンスダイエット インドアキャットの主原料は「トリ肉(チキン、ターキー)」となっています。カナガン キャットフードが「チキン」で構成されているのに対し、サイエンスダイエットはチキンとターキー(七面鳥)を動物性タンパク源に採用していることがわかります。

しかし続いて配合されているのは「トウモロコシ」や「米」といった穀物類。中でもトウモロコシや小麦といった「小麦グルテン」が含まれる穀物類は、穀物アレルギーを引き起こすリスクが高いので、穀物アレルギーを持つ猫に与えることはおすすめできません。

猫は動物性タンパク源が重要

近年は穀物アレルギーを持つ猫も多くなってきているのですが、前述の通り穀物アレルギーを引き起こしているのは「穀物」というよりも、「小麦グルテンを含む穀物」です。

そのため、小麦グルテンを排除した「グルテンフリー」のキャットフードも多く登場してきていますが、穀物自体が猫にとって、そこまで必要とはしていない原材料であるため、穀物自体を使用していない「グレインフリー」のキャットフードの方が多く登場してきています。

穀物は猫にとって消化がしにくく、消化不良や肥満を引き起こすリスクを高める原材料でもあります。猫にとって最適な原材料は動物性タンパク源であり、本来は肉食である猫にとっても自然な原材料なのです。

こうした点にこだわっているキャットフードが「カナガン キャットフード」です。

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カナガン キャットフードについて


カナガン キャットフードはイギリス原産のキャットフードで、動物性タンパク源を70%、残り30%が植物成分で構成された高タンパクなキャットフードです。また、穀物類は一切使用していないグレインフリーのキャットフードとしても知られます。

そして、カナガン キャットフードに使用される原材料は全てヒューマングレード、人間が食べられるクオリティの原材料が使用されていますので、品質的にも高品質なキャットフードとなっています。

近年では食に対する基準も高くなってきており、特に安価なキャットフードでは食用には適さないような原材料が使用されていたりという事件も聞かれる事があります。

原材料が高品質であれば、それだけキャットフードの質も上がりますし、何より素材そのものの香りや旨味も高いと言えますので、猫の食いつきの良さにも直結するものとなります。

カナガンの原材料をチェック

では具体的に、カナガン キャットフードの原材料をチェックしてみましょう。

【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ

カナガン キャットフードの主原料は「乾燥チキン」が35.5%、「骨抜きチキン生肉」が25%と、半数以上が動物性タンパク源であるチキンで占められています。植物成分としては「サツマイモ」などの野菜類、「リンゴ」などの果物類、「カモミール」等のハーブ類が配合されています。

前述の通り、やはり猫は肉食動物ですので、カナガン キャットフードのような動物性タンパク源を多く配合しているキャットフードの方が、より本来の食性に合ったキャットフードと言えます。

その理由としてあげられるのが消化に関しての問題です。猫は肉を消化することは得意ですが、穀物や植物成分を消化するのには適した消化器官を持ちません。そのため、よりスムーズな消化吸収を考えれば、必然的に動物性タンパク源が最も適した食材であることがわかります。

カナガンとサイエンスダイエットの成分を比較


では、カナガン キャットフードとサイエンスダイエット インドアキャットの成分を比較してみましょう。

【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal

【ヒルズ サイエンスダイエット インドアキャット アダルト チキン 成分】
タンパク質:33.9%、脂質:8.5%、粗繊維:8.2%、灰分:6.3%、オメガ6脂肪酸:2.58%、オメガ3脂肪酸:0.19%、カロリー(100gあたり):約330Kcal

タンパク質は37%と、動物性タンパク源を多く含むカナガン キャットフードの方がより高タンパクなキャットフードとなっています。

脂質、カロリーに関してもカナガン キャットフードの方が高く、脂質は10%以上の差、カロリーも60kcalもの差がありますので、肥満猫にとってはサイエンスダイエットの方がおすすめ、と言いたいところですが、これはあくまで成分だけを見た場合です。

実際に原材料を見てみると、やはりより消化吸収に優れていると考えられるのはカナガン キャットフードです。成分的には脂質もカロリーも高いですが、スムーズな消化と、適度な運動量を交えるのであればカナガン キャットフードの方がより、健康的にダイエットが行えると思います。

まとめ

今回はカナガン キャットフードとヒルズ サイエンスダイエットの比較をしてきましたが、原材料の質や動物性タンパク源の配合量といった面でも、カナガン キャットフードの方がより高品質でおすすめなキャットフードと言えます。

ヒルズ サイエンスダイエットに関してネックとなるのは穀物の含有量です。穀物アレルギーを持つ猫はもちろん与えることが出来ませんが、消化の悪い猫にもおすすめできるフードではありません。

猫の健康は腸内環境を整えてあげることが重要です。腸内環境を改善するには、より消化に良い食べ物を与えるようにし、スムーズに栄養を吸収できる事が大切となります。こうした点で考えると、猫は動物性タンパク源が最適な原材料であり、比較の結果としてカナガン キャットフードの方がよりおすすめであると言えるのです。

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