たくさんの「ファーム」が存在するフェレットですが、このファームの中のひとつ「カナディアンフェレット」の特徴はなんといってもその「大きさ」と「耳のタトゥー」。このカナディアンフェレットについて、特徴なども交えてご紹介します。
フェレットの「ファーム」と種類
フェレットには「パスバレー」「マーシャル」「ルビーファーム」など色々なファーム(繁殖場)と呼ばれる種類が存在し、そのファームによってもフェレットの特徴がそれぞれ違っています。
こうしたファームから来るフェレットは、乱繁殖を防ぐため「去勢・避妊手術」が施されており、また、ペットとして飼うために必要とされる「臭腺の除去手術」が済まされた状態でペットショップ等に入ってきます。
このような手術が施されているフェレットの事は「スーパーフェレット」と呼ばれ、一方で、こうした施術等を行っていないフェレットの事を「ノーマルフェレット」と呼んで区別されています。
ただし、国内で販売されているフェレットのその殆どは施術等が行われている「スーパーフェレット」にあたるため、特に説明が無ければ施術済のフェレットと考えて問題はないでしょう。
「ファーム」と証明書の確認を
ノーマルフェレットに関しては一般的ではなく、あくまでもフェレットを飼うことに慣れた上級者向きのフェレットとなります。
というのも、ノーマルフェレットは臭腺を切除していないので、第一に臭いが強いと言うことが挙げられます。また、去勢手術なども行われていない状態ですので、発情期には当然、発情の行動を見せるのですが、その時には更に強い臭いがします。
性質的にも「野生」に近い状態のフェレットになるため、気性は激しくなつきにくいという点がノーマルフェレットの特徴となります。
スーパーフェレットはペットとして飼育しやすいように品種改良もなされているため、一般の人でもフェレットを飼いやすい状態になっているわけです。
また、フェレットを日本に輸出する際には「ジステンパーの予防接種」も義務付けられています。購入時にフェレットと一緒に渡される証明書には、「出生証明」「施術済」「予防接種済」がわかるように記載されています。ペットショップでフェレットを購入する際には、こうした書類が用意されているか確認すると良いでしょう。
ファームのひとつ「カナディアン」について
このようにフェレットにもノーマルフェレットやスーパーフェレット、ファームといったように色々な種類がありますが、今回取り上げる「カナディアン」はカナダのバンクーバーにあるファームです。
カナディアンは、日本国内でもマーシャルやパスバレーと共に人気の高いファームですので、ペットショップなどでも比較的見ることの多いファームのフェレットです。
カナディアンフェレットは、ファーム出身を証明するために耳に「入れ墨」が入れられており、耳の入れ墨を見ただけで「カナディアン」であることがわかります。マーシャルフェレットも同じく耳に入れ墨が入っていますが、両ファームとも入れ墨のデザインも違いますので、一目瞭然です。
こうした入れ墨が彫られている事は、カナディアンフェレットを狩っている人にとっての「自慢」の一部でもあるようですが、それにも増してカナディアンフェレットの最大の特徴でもあり自慢となるのが、他のファームと比較して「大きい」フェレットが多いことが挙げられます。
スポンサードリンク
他ファームよりも「大きさ」が自慢のカナディアンフェレット
一見してフェレットの大きさは、大して変わらないように見えるかもしれませんが、カナディアンフェレットの平均体重が約1.8kg前後なのに対し、パスバレーフェレットやマーシャルフェレットの平均体重は約1.5kg前後となっています。
このフェレットのサイズでの300g程度の差は、結構大きな違いで持った重みもまた変わってきます。また、数値で見る体重差に比べ、見た目も違うことに気がつくでしょう。
他ファームのフェレットに比べ、カナディアンフェレットは骨太・肉付きが違います。これも、持った感じでわかるかもしれませんが、ゴロンと大きな印象を受けることでしょう。
特にメスよりもオスのほうが大きくなり、カナディアンフェレットが選ばれる理由の一つとして、この他のファームよりも「大きくなる」というのが挙げられ、他のファームでは味わえない大きさや、抱き心地が人気の理由のひとつです。
カラーも豊富なカナディアンフェレット
カナディアンフェレットが他ファームよりも大きい事が最大の特徴ですが、カナディアンフェレットは、パスバレーフェレットと同じように、豊富なカラーバリエーション(毛色)もひとつのウリとなっています。
フェレットにはたくさんのカラーがあり、フェレットを選ぶ際にすごく悩む部分だと思います。定番の「セーブル」、「バタースコッチ」や「シルバーミット」「マークドホワイト」といったように、パスバレーと並びたくさんのカラーがありますので、「大きさ」と「カラー」を重要視しているのなら、カナディアンフェレットは最適なファームといえるでしょう。
黒っぽいカラーから真っ白なカラー、金色っぽいカラーなど、たくさんの綺麗なフェレットがいるので、お気に入りのカラーをぜひ見つけてみて下さいね。
カナディアンフェレットは噛み癖が強い?
このようにカナディアンフェレットの特徴は大きさが挙げられますが、もう一つの特徴が「噛み癖」がある子が多いということや、性格もやんちゃな子が多いということが挙げられます。
パスバレーフェレットも、比較的に噛み癖があるファームで知られますが、カナディアンフェレットの方がよりその印象は強く、良く言えば好奇心旺盛で活発、悪く言えばやんちゃで気の強いフェレットも多いように見受けられます。
このやんちゃで噛み癖がある所が、野性的でたまらない!というカナディアンフェレットファンもいますが、体も大きくやんちゃで元気なフェレットに噛まれるのはけっこう痛い・・体が大きな分、力も心なしか強いようにも感じます。
とはいえ、これも一般的で平均的な見方をした場合。筆者がこれまで見てきたフェレットの中でも、最も甘えん坊で良い子だったのは、実はカナディアンフェレットでした。あくまでも個体差はありますので、あとは躾をいかにしていくかでも変わります。
ペットショップと家の違いに戸惑うことも
フェレットのしつけの第一難関とも言える「噛み癖」の矯正ですが、実際のところ多くはペットショップでしつけられている場合が多いかもしれません。
入荷した日数があまり経っていなければ、躾も十分に入っておらず、噛み癖が治っていない場合も多いですが、おそらく日数が経っていれば経っているほど、噛み癖の矯正はされているはずです。
しかし、ペットショップではいい子にしていたのに、家に連れてきたらしつけが入っていなかったなんてこともあるのです。
フェレットも環境や飼い主が変われば、不安や興奮から噛み癖が再来することもあるため、これはしつけが入っていなかったのではなく、飼い主さんとの仲がまだ浅く、住む環境も変わったために、フェレットが戸惑って不安になっているだけなのです。
フェレットの「しつけ」は必ず行いましょう
前述の通り、ペットショップにいても、幼いフェレットであればあるほど、噛み癖の矯正はされていない確率が高いと言えますが、どの年齢であれ、噛み癖が残っている場合には必ず矯正する必要があります。
とはいえ、幼いフェレットに「噛むな」といっても理解できるわけがありません。フェレットの噛み癖を治すためには、噛まれるのは嫌でも、一度、あえて噛まれることも必要になってきます。
痛いから嫌だなと思うかもしれませんが、飼い主さんが噛まれ(嫌なことをされる)、その反発でフェレットにも「嫌なことが起きる」という反復を行なうことで、フェレットの噛み癖をしつけていくのです。
飼い主さんがフェレットに噛まれた時には、「痛い」等の声がけ(サイン)を出し、フェレットの鼻を「軽く」デコピンしたりしてみましょう。あくまでもフェレットは小動物、力加減には十分に注意するようにしましょう。
躾に重要な「保定」とは
フェレットのしつけは大変なものですが、噛まれたからと言ってすぐにケージに戻していては、いつまで経っても噛み癖は治すことが出来ません。これでは「噛んだら解放される(ケージに戻れる)」と認識してしまいます。
これを繰り返していると、飼い主さんがなめられるだけでなく、フェレットとの「絆」もいつまで経っても生まれないでしょう。
そして、躾に絶対必要となるのは「保定」と呼ばれる、フェレットの抱き方です。首の根元をつまむ抱き方ですが、フェレットの体(被毛)は少し脂がのっていますので、コツが掴めないと滑ってしまいます。
保定は慣れることが一番なのですが、保定を覚えると躾だけでなく、耳掃除や爪切り、健康チェックなど、様々なお手入れも簡単に行えるようになります。頑張って保定を習得してみましょう。
カナディアンフェレットと共に過ごすために
カナディアンフェレットのイメージとしては前述の通り、やんちゃで躾が大変そうなイメージになってしまいましたが、こうしたやんちゃな時代をしつけていくと、大人になった時の感動もひとしおです。
フェレットにかかわらず、犬や猫にも同じことが言えますが、躾が大変だった子に限って、お互いにわかりあえてると感じた時の感動は大きな物があります。こうした躾をあきらめずにできる方は、カナディアンフェレットのかわいさもわかるはずなので、おすすめかもしれません。
脅すように書きましたが、もちろんカナディアンフェレットにも大人しい子はいますので、そこは個体差によります。色々なフェレットに触れて、性格を確認した上で迎え入れるようにしてみましょう。自分と性格の合う子は必ずいますので、辛抱強く色々な子と触れ合ってみてくださいね。
スポンサーリンク