「ボストン・テリア」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方も多いのではないでしょうか?今回は「ボストン・テリア」について、飼育上気をつけなければいけない事など、犬種別の特徴や性質を理解していきましょう。

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ボストン・テリアとは

知的で温厚な性格と、黒と白のコントラストがある毛色を持つボストン・テリアは、「タキシードを着た紳士」「アメリカ界の紳士」「小さなアメリカ紳士」とも呼ばれています。

ボストン・テリアは、よくフレンチ・ブルドッグと見間違われることがありますが、それもそのはずで、ボストン・テリアの作出には、フレンチ・ブルドッグが大きく関わってきたという由来があります。

分かりやすく見分けるポイントは、ボストン・テリアはスラッと細身で足が長く、フレンチ・ブルドッグはずんぐりむっくりな体型で足が短いという特徴を持ちます。

ボストン・テリアのルーツ


ボストン・テリアのルーツは、1860年代のアメリカのボストン市で、ブルドッグとイングリッシュ・テリアの交配により作出された、体重13kgほどの「ホッパーズ・ジャッジ」という犬種が祖先であると考えられています。

その後、この犬種と小型の白い雌犬である、「バーネッツ・ジップ」という犬種を掛け合わせ、誕生した雄犬と小型の雌犬により生まれた小型犬をフレンチ・ブルドッグと掛け合わせてボストン・テリアが作られたと言われています。

1889年頃、ボストン・テリアはアメリカで瞬く間に人気を博し、この犬種の愛好家たちが、「アメリカン・ブル・テリア・クラブ」というクラブを設立させましたが、イギリス原産の「ブル・テリア」の愛好家たちが、その名前を使用したことに反発し、結局出身地にちなんで「ボストン・テリア」と名付けられました。

1893年には、ボストン・テリアの誕生から20年も経たない異例の速さで、アメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」により公認されています。

ボストン・テリアの性格

ボストン・テリアは、テリア気質からか、やんちゃで活発な面がありますが、普通のテリア犬と比べると、比較的穏やかでしつけやすい犬種です。

ボストン・テリアは、警戒心が強く、縄張り意識が高いところも持ち合わせており、見知らぬ人や犬に対して吠えることもあります。また、テリアの性質から、遊びなどの延長により、興奮して暴れることもしばしばです。興奮して吠えた時は、ひとまず冷静さを取り戻すことができるように、幼少期からの訓練が必要になるでしょう。

そして、ボストン・テリアはプライドが高いところもありますので、躾に関しては、頭ごなしにガミガミと叱るのではなく、良いところを大袈裟に褒めてあげながら躾をするのが良いでしょう。ボストン・テリアは人を喜ばせることが好きな性格のため、飼い主さんが喜んでいることは何度でもしようとします。

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ボストン・テリアとコミュニケーションを取るときはおもちゃがおすすめ


陽気で愛情深い性格のボストン・テリアは、家族とのコミュニケーションを大切にし、子供とも上手に遊ぶことができます。また、とても利口で遊び好きな所があるので、躾やトレーニングをする際は、「ボール投げ」や「宝探し」などの遊びを取り入れ、愛犬も飼い主さんも楽しみながら訓練をするのが良いでしょう。

ボールやぬいぐるみなどのおもちゃを利用することで、取りに行かせる・持ってくる・おもちゃを離すといった一連の躾を行うことができます。こうして遊びを交えながら躾を行うことで、愛犬も楽しみながら物事を覚えていくことが出来ます。

幼少期から一緒に遊んであげることで、愛犬との距離もより近くなります。楽しみや褒められることが大好きなボストンテリアにとって、おもちゃを使ったトレーニングはより適した道具にもなるのです。

ボストン・テリアの被毛

ボストン・テリアの被毛は、「スムースコート(短毛)」で硬く密生していて、滑らかさと光沢があり、手入れも比較的簡単で、固く絞ったタオルで全身を拭く程度で問題ないのですが、顔の「シワ」の間は通気性が良くないので、雑菌や細菌が繁殖しやすくなっています。また、皮膚炎の原因にもなるので、日頃からこまめに拭いてあげましょう。

ボストン・テリアの被毛のカラーは、ブラックやシール(明るい光の下で見ると赤みがかったブラックのこと)、ブリンドル(黒を地色に茶色や白の差し毛が入ったもの)の地色に白のマーキングが入ります。

ボストン・テリアは暑さに弱い?


ボストンテリアは暑さに弱い犬種です。ボストンテリアに限らず、短吻種の犬種は「体温調整が苦手」な犬種でもあるのです。そのため、熱中症には十分気を付ける必要があります。

夏場の散歩では特に注意が必要になりますが、日が沈んだからといって油断してはいけません。犬は毛の少ない「お腹」が弱点になりますが、まさにこの弱点となるお腹がダメージを受けてしまうのです。その原因となるのがアスファルトです。

いくら気温が低くとも、日中熱くなったアスファルトはなかなか温度が下がらず、日が沈んだと思っても、アスファルトはまだまだ熱いままの場合が多いです。そのため、地面から高い温度が感じられ、お腹が弱点のボストンテリアも、気がつけば熱中症になってしまうことも考えられるのです。

日中、温度が高かった日には、念のため地面を触って温度を確かめてみるようにしましょう。

ボストン・テリアはエアコンの温度にも注意

ボストンテリアは暑さに弱い犬種ですが、エアコンを効かせすぎている部屋に長時間いることでも、体調を崩してしまう場合があります。

外の気温が高いと、ついついエアコンの設定温度も下げてしまいがち。しかし、クーラーで低い温度が保たれてしまうと、一時的には大丈夫なものの、長時間その部屋にいると体温調整が思うようにできなくなってしまいます。

ボストンテリアは呼吸器系に問題を抱える犬種のひとつ。温度や気圧などにも非常に敏感な犬種なのです。エアコンは効かせ過ぎにせず、できるだけ適温を保つようにし、ボストンテリアの呼吸の仕方にも注意深く観察するようにしましょう。

特に留守番させる時にも注意が必要です。部屋が暑すぎるのは危険が伴いますが、極端に温度を低くしないよう、適度な温度に設定するようにしましょう。

ボストン・テリアのいびきの正体


ボストンテリアを飼っていると、いびきがうるさいなと感じることもあるでしょう。このように、犬もいびきもかきますが、人間と同じように鼻が詰まっているのが原因なのでしょうか。それとも別の原因があるのでしょうか。

実はボストンテリアに限らず、鼻が短い犬種に多い「鼻腔狭窄」という、鼻の穴が潰れて狭くなり、呼吸がしづらくなる病気があります。ボストン・テリアにも多い病気で、原因は先天性によるものと、鼻の中の粘膜が炎症を起こし、鼻の穴が腫れて狭くなったことで鼻腔狭窄を引き起こしてしまうといった、後天性によるものがあります。

鼻腔狭窄の主な症状は、ブーブーと鼻を鳴らして呼吸をしたり、よく鼻水を飛ばしたり、鼻で呼吸がしづらいため、口で呼吸するようになったり、軽く運動しただけでも酸欠状態になる症状が見られます。このような症状に気が付いたら、すぐ動物病院で診てもらいましょう。

ボストン・テリアの後ろ足にも注意

ボストン・テリアは「膝蓋骨脱臼」という病気も気を付けなければいけません。この病気は、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる病気です。

意外と気がつくのが遅くなってしまう、この膝蓋骨脱臼。最初のうちは気付かない場合も多く、気が付かずに放置してしまっていると、どんどん症状も悪化していってしまいますので注意が必要です。

日頃から、愛犬が散歩中スキップしたり、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号です。この膝蓋骨脱臼を予防するためには、まず膝に負担をかけないことです。フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷いてあげるなど、出来る限り膝に負担がかからないような工夫をしておきましょう。

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ボストン・テリアが気を付けたい他の病気は?

ボストンテリアは「第三眼瞼腺逸脱」も注意するべき病気であると言えます。「第三眼瞼腺逸脱」は「チェリーアイ」と呼ばれることもある目の病気で、涙を作る役割を持つ第三眼瞼腺が、瞬膜の縁を越えて外へ飛び出してしまい、炎症を起こし、結膜炎や角膜炎を引き起こすこともある病気です。

普段から、目を気にして擦ったり、瞬きの回数が増えたり、眩しくないのに目をショボショボするような仕草をしていないでしょうか。第三眼瞼腺逸脱は日頃からしっかりと愛犬の様子を見ていれば見つけることが出来る病気です。

第三眼瞼腺逸脱を予防するためにも、毎日、しっかりと目を見てコミュニケーションを取るようにしましょう。こうしたコミュニケーションを行うことで、ちょっとした異変にも気がつけるようになるでしょう。また、ちょっとでも気になったら動物病院へ行き、診察を受けましょう。

ボストン・テリアと暮らすために

ボストン・テリアを飼う上で気をつけなければならないのが、ボストン・テリアの特徴でもある「短吻種(目の前から口までの長さが短い犬のこと)」だと言う事です。短吻種の犬種は、体の構造的に呼吸器の機能が弱く、麻酔を行う場合は若干リスクが高くなるので配慮が必要です。

また、熱や気圧の変化にも弱いことから、飛行機での輸送を断られる場合があるので、飛行機を利用して旅行に行く際は、予め航空会社で確認するようにしましょう。

そして、ボストン・テリアは顔や肩幅に比べて骨盤が小さく、自然分娩が難しい犬種でもあります。ほとんどが、帝王切開での出産になりますが、帝王切開の場合、リスクが高い麻酔を使用せざるを得ませんので、動物病院の先生とよく相談しましょう。

ボストン・テリアは、「ブサカワ」という愛嬌のある風貌を持ち、活発で明るい性格なのに、実は心は繊細で傷付きやすい・・・というところも持ち合わせています。人間でもこんな性格の人っていますよね?こんなにひょうきんで分かりやすい性格なボストン・テリアだからこそ、これからも家族を楽しませること間違いなし!ですね。

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