普段、鳥を飼っている際に、鳥が下痢をしていたり、調子が悪そうにしていないでしょうか。もしかすると、何かしらの病気を引き起こしている可能性もあります。今回は鳥の下痢の症状に関する病気について解説していきます。
意外と少ない、鳥を診断できる動物病院
鳥を飼い始めたらチェックしておきたいのが、鳥を診ることのできる病院です。近所にもたくさん動物病院があると思いますが、その大多数は犬と猫を専門とした動物病院であるでしょう。うさぎやフェレットまでなら、まだ診ることのできる動物病院もあるようですが、鳥となると診断できない動物病院も多いのです。
こうしたことは、意外と知られておらず、動物病院なら全ての動物が対応していると思うのは間違っています。飼っている鳥が、特に病気をしていなくとも、万が一ということはあります。
こうしたときのためにも、事前に鳥の診断も行っている動物病院を探しておくようにしましょう。いざ、動物病院に連れて行かなければいけないとなっても、診られない病院が多ければ、それだけたらい回しにされてしまい、間に合うものも間に合わなくなってしまっては大変です。
動物病院のリサーチをしておきましょう
いざという時に大慌てにならないよう、日頃から鳥の診られる動物病院をリサーチしておくようにしましょう。そして、一度は健康診断でも良いので利用してみてみることも大事です。せっかく見つけても、あまり印象が良くなかったり、あまり詳しくないという事も稀にあります。
実際に動物病院の先生に会って、観てもらいやすい動物病院かどうかを判断しておくことも大事です。こうすることで、万が一の事態になったときにも比較がしやすく、また、こちらとしても安心感が違いますよね。
鳥は特に体の小さな動物です。万が一の事態になってしまった時には、1分1秒を争うことも少なくありません。無駄に移動したり探したりといった事が無いよう、スムーズに病院に診断できる態勢を整えておくことが、愛鳥のピンチを救うこととなります。
下痢?それとも普通の便?
鳥の便は、セキセイインコでいくとおおよそ5ミリ弱程度の、小さな緑色の便をします。その中に白い部分が見られますが、これが鳥の尿(尿酸)になります。
水を多く飲んでいる場合や、水分の多い野菜等をたくさん食べている場合には、この便も水っぽくなり、通常であればティッシュでサッととれるような便も、水っぽい場合には下にしみてしまう程になっていることもあります。
こうした場合の便は、下痢とは言えず、あくまでも飼い主側で食べ物の調整を行うだけで、通常の便に戻すこともできるでしょう。中には、栄養バランスが崩れているために、下痢っぽい便を排泄する場合もありますので、こうした場合には栄養過多、もしくは栄養不足が原因で、下痢を引き起こしているのです。
環境の変化など、ストレスの原因を探る
鳥は体も小さいため、すぐに便の状態に症状が現れます。私達が思うよりもすぐに体に影響が見られ始めますので、愛鳥が下痢をしている様子が見られたら、注意深く観察をするようにしましょう。
また、何かしらのストレスを感じている場合にも下痢をする場合もあります。鳥かごの場所は変えていないでしょうか。鳥かごの近くがいつもと環境が変わっていないでしょうか。愛鳥がストレスを感じている「何か」を発見して、解決させましょう。
水っぽい便をしている場合には、まずは鳥の食生活や、どのようにして生活しているかを確認するようにしましょう。そして、温度にも敏感ですので、特に季節の変わり目には温度変化もあります。十分に注意するようにしましょう。
赤い色がにじんだ便
上記に挙げた便の感じで、赤い色が混ざってしまっている場合には、何かしらの病気が疑われるでしょう。特に疑われるのは消化管内の炎症や腫瘍によるもの、総排泄腔内の炎症や腫瘍、肝不全等が挙げられます。
また、性別によっても変わり、メスであれば産卵後の卵管口裂傷が考えられ、オスであれば自らの自慰行為等による外傷が考えられます。
こうした血が混じったような血便を排泄している場合には、いずれの場合にも、すぐに病院に診断をしに行ったほうが良いでしょう。
尿(尿酸)が黄色すぎると感じた場合には
前述の通り、緑色の便に混じっている白い部分は尿酸ですが、この尿酸は、健康体であれば白いはずですが、肝疾患等を患っている場合には、この尿酸部分が黄色くなっていることでしょう。
感染性肝炎といった病気や、脂肪肝症候群といった肝疾患により、尿酸が黄色くなっていると考えられますので、こうした場合にもすぐに病院に診断しにいくようにしましょう。この場合には、肝機能の状態を検査するために、血液検査が行われるでしょう。
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緑の部分が余りにも濃い色・黒っぽい場合
通常であればやや濃い目の緑色をした、鳥の便。この便が、余りにも黒ずんでいる、または緑色が濃すぎると感じた場合にも、注意が必要になります。この濃い色の便に加え、下痢を引き起こしている場合には、何かしらの中毒症状が現れている場合があります。
一番考えられるのは「鉛」などの金属中毒が疑われます。おもちゃに付いている鈴や、なにかしらの部品など、鳥が口にしていることは無いでしょうか。こうした部品を噛じったり、塗装面を舐めたりすることで、金属中毒を引き起こし、こうした黒っぽい緑の便を排泄する場合もあります。
こうした便が見られた場合には、すぐに飼育している環境を確認するようにし、鉛などの金属を側に置かないようにすることが大事になってくるでしょう。
便に未消化が見られる場合
鳥の便は、綺麗な緑色と尿酸の白い部分が混ざっている便です。この便に、鳥が食べたであろう食物が未消化で排泄されている場合にも、何かしらの病気や感染が疑われます。
通常であれば、胃の部分で穀類等はすり潰されるようになっていますが、未消化が見られた場合、胃の中に寄生虫やバクテリアが潜んでいる事が考えられます。
こうしたバクテリアが胃にとどまることにより、感染性の胃炎や胃がんといった病気になるリスクが高まります。このような未消化の便を発見した場合には、すぐに病院に診断死に行くと良いでしょう。
腹痛や状態が悪い時は羽を膨らましています
鳥は体調が悪くなると、足が冷たくなります。様子がおかしいなと感じた時には、指に乗せて足の温度や指を掴む力を確認してみるのも、鳥の体調を確認する一つの方法です。また、体調が悪い時には羽を膨らまし、じっと動かなくなるといった様子も見られます。
鳥の場合は早めの処置が非常に重要になってくるのですが、状態が悪化するに連れて、自力で食べ物や液体を飲む力も無くなってしまうため、素早い判断と処置が重要になります。
なにかおかしいなと感じたら、まずは愛鳥の温度や足の温度・力を確認してみましょう。いつもの状態よりも冷たかったり弱く感じたら、まずは保温をしっかり行い、便の状態や色などを確認し、状況を把握するようにしましょう。
病気のサインを見逃さないように
下痢を発見し、鳥の体調不良を確認する場合には、鳥のお尻を必ず確認するようにしましょう。
鳥のおしりは正常であれば上に上がっているため、尻尾の羽自体が地面に触れることは通常ではありえません。そのため、おしりも地面につくことがないので、おしりが汚れているということは、下痢を繰り返していた可能性が高いです。
おしりが汚れているのであれば、すぐに動物病院に向かったほうが良いです。考えられる病気はいくつかありますが、自力で回復することができず下痢を繰り返している事が予想されるため、すでに体力も弱っているはずです。
しっかりと保温を行い、汚いからと言ってお尻を拭き取らないようにしましょう。病院ではどういった検査を行うかわかりませんので、現状維持で向かいましょう。また、ウェットティッシュ等で拭き取ると濡れてしまい、体を冷やしてしまうことになりますので避けましょう。
保温を行い、移動しましょう
愛鳥の不調を発見しましたら、様子を見ることも大事ですが、可能であれば動物病院にすぐに連れて行ってもよいでしょう。ただし、移動する時には十分な注意をしなければなりません。
特に重要なのは温度の管理です。冬場は特に注意が必要ですが、鳥が体調を崩している時は、温度を30度弱に保ち、移動を行うようにしましょう。ただし、夏場は外気温に合わせ、暑すぎる環境は避けなければなりません。
鳥は体調を崩すと温度管理もできなくなってしまいます。しっかりと保温をしてあげなければ、ますます体調を崩してしまうでしょう。移動中に弱らしてしまっては意味がありませんので、冬場はカイロなどを移動用ケージに貼り付けるなどして、温度が下がらないようにしなければなりません。
まとめ
非常にわかりにくい鳥の体調ですが、便を確認することでも、事前に病気を察知することも可能です。水分過多などによる下痢はすぐに認められるため、色が付いていたり、未消化だったりする場合には、なにかしらの病気を引き起こしている場合が多いです。
普段、何気なく掃除している際にも、便の健康チェックをするようにし、健康な体を維持できるよう、体調管理に気をつけてあげましょう。
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