自然界の鳥は、様々な食物から栄養を補い、体に不足している栄養素を本能的に摂取しています。しかし、ペットとして飼われる鳥は、同じ食事を繰り返すために栄養不足や栄養過多になりがちです。今回は、鳥の食事について考えていきたいと思います。

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バードフードとバランスの取れた食事


市販で販売されているバードフード。様々な種子を混ぜ合わせたもので、インコにとってバランスの良い栄養を摂ることの出来る配合がされていて、バードフードと塩土や野菜をあげるだけでも、インコは健康的な生活を送ることが出来ます。

しかし、鳥の体調が崩れてしまった場合はどうでしょうか。こういった時のためにも、飼っている鳥それぞれの不足している栄養素、もしくは過多になっている栄養素を見極める必要があり、これらを把握することによって健康な体を維持することが可能となるのです。

こうした場合に備えて、インコに栄養のある食事や、食べてはいけない食事をしることで、毎日の健康管理にも役に立つでしょう。では、実際にインコにとって栄養価の高い野菜や果物について見てみましょう。

主食や副食は健康を維持するために重要なもの

鳥に食べ物を与える際には大きく分けて4つの目的・分け方に考えられます。

一つは「主食」。主食となる食べ物としてはバードフードが挙げられますが、常に食べられる状態にしておくべき食べ物で、多くの栄養をこの主食から摂取する事となります。

次に「副食」。副食に挙げられるのは、カルシウムやミネラル分を摂取するためのカトルボーンや塩土などです。副食は、主食で補えない分の栄養を摂取させるためのもので、副食も常に食べられる状態にしておく食べ物です。

主食と副食に関しては、鳥の健康を維持させるために無くてはならない食べ物です。常に新鮮な状態にしておき、常に鳥が食べられる状態にしておかなければなりません。

この主食と副食以外に与える食べ物が、「野菜」と「おやつ」となる食べ物です。

栄養にプラスαの食べ物

鳥は栄養バランスが崩れてしまうと、すぐに体に影響が見られ始めます。いくら主食と副食で全体の栄養バランスを支えていると言っても、やはりプラスαで栄養を摂取させる必要があります。

そこで必要になるのが、3つ目の食べ物である「野菜」です。野菜によって栄養価も異なるものになりますが、ローテーションを組んで、色々な野菜を与えてバランスを取っていくと良いでしょう。

そして4つ目の食べ物が「おやつ」となる食べ物です。野菜はおやつ代わりにもなりますが、時には果物や市販のおやつを与えても良いでしょう。

おやつは鳥の栄養バランスというよりかは、飼い主さんとのコミュニケーションを取るための道具となります。鳥も果物は大好きですので、好みの果物を見つけてあげるようにしましょう。

果物はおやつ代わりにもなる栄養素

果物は、与える量に気をつければ、ビタミンも食物繊維も豊富なものがおおいので、少量ならば体にも良いものです。

ただし、果物を与える時には与えすぎに注意し、適量を見極めて少量ずつから与え始めましょう。というのも、野菜も果物も水分量が高く、食べすぎてしまうと消化が追いつかず、下痢をしてしまう場合があるのです。

ですので、はじめは少量から、糞の状態を確認しながら適量を見つけましょう。初めて与える時には、りんごであれば1cm角程度から試してみましょう。鳥自身も適量を理解していますので、無理して全部食べることはありませんが、念の為、少量から始めて便の状態をしっかりと確認するようにしましょう。

便の状態がゆるくなれば、与えすぎとなりますので、さらに少量に減らすようにしましょう。

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りんごなど、果物は水分量も多いです

果物では、ビタミンCが豊富に含まれている「みかん」「オレンジ」も体に良いものです。このほか、「リンゴ」はあげたことがある方も多いのではないでしょうか。

リンゴは食物繊維が豊富で体に良いものですが、種や葉の部分を与えるのはNGです。この部位はインコにとっては有毒なものであるので、与えるなら実の部分にしましょう。同じく、「イチゴ」も種さえ取り除けば、ビタミンCの豊富な果物です。

この他、「バナナ」は炭水化物、カルシウム、カリウム、タンパク質も豊富な栄養満点な果物です。市販で販売されている鳥のおやつは、乾燥した物が多いと思いますが、水分量のコントロールが難しいため、このような乾燥した製品が多いのかもしれませんね。

おやつの与えすぎに注意

前述では主食や副食など、大きく分けて4つの食べ物に分けられると説明しましたが、おやつに限っては与えても与えなくてもよいものではあります。

最近の主食となるフードには、果物の成分が含まれているペレットが入っていたりもしますので、様々な栄養を主食から摂取することが可能となっています。

おやつに関しては与えすぎに注意しなければいけません。鳥も糖分が好きですので、おやつは美味しく食べてくれることでしょう。ただし、主食に変わるほど摂取していたのでは栄養バランスが崩れてしまいかねません。

おやつは1日1回や、3日に1回など、飼い主さんがしっかりとルールを決め、適切な量を与えるようにしましょう。体調を崩してしまっては、おやつも与えられなくなってしまいます。

小松菜を始めとする栄養価の高い野菜


インコに与えて良い野菜と言えば、「小松菜」が連想されるかもしれませんね。小松菜はカルシウムや鉄分、ビタミンCなども含む、栄養に優れた野菜です。小松菜は、科目としては「アブラナ科」と呼ばれる科目の野菜で、他にも「チンゲン菜」「水菜」「白菜」「大根菜」「豆苗」などが挙げられます。

また、栄養価の高い野菜には「カボチャ」が挙げられます。カボチャは、免疫力を高める効果が期待できるほか、老化防止にも一役買う野菜です。「人参」や「ピーマン」も食べることができ、また、ビタミンも多く含まれ、がん予防にも効果が期待できるようです。

「唐辛子」もおやつとして売られているのを見たことが無いでしょうか。唐辛子は、ビタミンA、ビタミンCを含む野菜で、唐辛子に含まれる成分「カプサイシン」は、抗炎症作用や体を暖める効果があるので、少し体の弱いインコにもよいかもしれません。

同じ野菜でも、鳥にとって害になる野菜

鳥は緑のものならなんでも良いと思うのは間違いです。緑の野菜であっても、鳥にとっては体に良くない成分を含むものもあり、食べて良い「部位」悪い部位を知ることが大切になります。

注意が必要なのが「ほうれん草」です。ほうれん草に含まれる「シュウ酸」という成分が、鳥のカルシウム吸収を妨げてしまい、肝機能に悪影響を及ぼしてしまうのです。このように、一見あげてしまいそうなほうれん草ですが、実はあげてはいけない野菜だったりもします。

この他、「オクラ」や「トマト」、「キャベツ」も注意しましょう。また、「じゃがいも」は芽と緑の部分、「セロリ」は筋の部分を取ってから鳥にあげましょう。これらも鳥にとって毒素となる部分ですので、しっかりと除去してから、食べさせてください。

鳥にとって猛毒になりうる、食材とは

普段、私達の生活環境でも身近な食材である「ニラ」や「たまねぎ」「にんにく」に代表される「ネギ類」も、鳥にとっては猛毒となります。摂取することで「ネギ中毒」と呼ばれる中毒症状を引き起こし、血液中の赤血球が破壊され、貧血・肝臓病を引き起こし、命の危険にさらされる結果となります。

また、数年前からメジャーな食材として扱われるようになったアボカドも、非常に危険な食材となります。アボカドに含まれる「ペルシン」と呼ばれる成分が猛毒となり、摂取してしまうことで痙攣や呼吸困難、肝機能の低下、最悪の場合は命を落とす結果となります。

この他、モロヘイヤの種と実に含まれる「ストロファンチジン」という成分が、鳥にとって猛毒となりえます。食べることで中毒症状を引き起こし、最悪の場合、命を落とすこともあります。

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危険な食べ物はしっかりと把握しましょう


鳥自身も危険な食べ物は理解しているはずですが、それでも誤って食べてしまったということは起こりえます。危険な食べ物を鳥が食べてしまってからでは手遅れになってしまいますので、これらの食べ物を利用する際には、必ず愛鳥はケージの中に入れておきましょう。

鳥に危険とわかっている食べ物を愛鳥にあえて与える人はいません。こうした事故は不注意によるものがほとんどですので、鳥にとって何が危険であるかを必ず覚えておくようにしましょう。

特に飼育に慣れ始める2年目以降は注意が必要です。飼いはじめの頃はこうした事も神経質に覚えているものですが、だんだんと慣れていくに連れ、飼い主さんの警戒心も薄れていってしまいますので、うっかり事故にならないようにしましょう。

心身に良い影響が期待できるハーブ

最近ではハーブの配合されたおやつなども見かけるようになりました。それぞれに豊富なビタミンが含まれており、「タンポポ」は消化器系の働きを促進、「クローバー」はマグネシウムが豊富で血液の循環を高める作用、「オオバコ」は消化器系や泌尿器系の改善や予防に、「パセリ」は抗菌作用に優れ、炎症などの緩和に、「ナズナ」は胃腸や下痢にたいして効果があるなど、それぞれに優れた効果・効能が期待できるものばかりです。

サプリメント変わりに少量ずつ与えても、体に良い効果をもたらすハーブ類は、ぜひとも取り入れていきたい食べ物でもありますね。

まとめ

まだまだ様々な食材が存在しますが、鳥にとってよりよい野菜や果物をしることで、日頃からの健康管理に役立てるようにしましょう。また、注意が必要な食材に関しても、まだまだたくさんあります。なんでもかんでも与えるのではなく、栄養面などに注意するようにして、鳥に合った食材を与えるようにしましょう。

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