猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は猫種の一つ「アメリカン・ショートヘアー」についてチェックしてみましょう。
アメリカン・ショートヘアーとは
アメリカン・ショートヘアーといえば、猫の中で最も知名度が高く、「アメショー」とも呼ばれ、日本だけでなく世界的に不動の人気を誇っています。また、独特の美しい縞模様が特徴であるとも言えます。
かつては、ペットとしてではなく、ネズミ捕りのハンターとして活躍していた事もあるためか、運動神経抜群で頑丈であり、遊び甲斐がある猫です。
アメリカン・ショートヘアーのルーツ
アメリカン・ショートヘアーは、イギリス原産のブリティッシュ・ショートヘアーが祖先であると考えられており、1620年頃にこのブリティッシュ・ショートヘアーは、メイフラワー号に乗って、イギリスからアメリカへ渡ってきたと言われています。
この猫たちは、ペットとしてではなく、穀物を荒らすネズミを捕まえるために飼育されていました。当時はハンターとしてはとても優秀で、ネズミの被害に苦しむ多くの農場や家庭で求められ、このアメリカン・ショートヘアーの血が入っていれば雑種でさえ、高額で取引されていました。
その後の1906年、アメリカの愛猫団体「CFA」では、「ドメスティック・ショートヘアー」という名称で登録しましたが、この猫の作成時に多くの猫と掛け合わせていたこともあり、雑種という印象が強かったようで、あまり人気は出なかったのだとか。
その後厳選な交配などが行われ、良質な血統を作出することに成功し、1966年に「アメリカン・ショートヘアー」と改名されてから、どんどん人気を高めていったようです。
アメリカン・ショートヘアーの性格
アメリカン・ショートヘアーは、陽気で明るく、とても好奇心旺盛な性格なので、子供との相性も良く、いい遊び相手になるでしょう。元々ハンターとしての気質もあるため、「猫じゃらし」や「ボール」などを使うと喜んで飛びついてきます。
また、他の猫種と比べても、友好的で人見知りすることもなく、他の猫や犬などとも仲良く接することができるので、多頭飼いにも向いています。しかし、あまりベタベタと抱っこされることは苦手なようなので、少しずつ距離を置いて様子を伺いながら近づきましょう。
アメリカン・ショートヘアーの平均体重はどのくらい?
アメリカン・ショートヘアーの平均体重は、オスで約4kg〜7kg、メスで3kg〜6kgほど。オスのほうがメスよりもやや大きい位です。
アメリカン・ショートヘアーは人気の高い猫種であるため、アメリカン・ショートヘアーのサイズを基準にして話をすることも。例えば、「アメリカン・ショートヘアーよりも大きい猫」ですとか、「アメリカン・ショートヘアー位の大きさ」といった具体に、比較の対象として挙げられる場合が多いようです。
これも、アメリカン・ショートヘアーの事を知る人が多いので、比較対象として出て来る機会があるのでしょう。
また、猫の平均的な体重は、アメリカン・ショートヘアーとほぼ同じくらいとなっています。家庭で飼育するにもちょうど良いくらいのサイズなのでしょうね。
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アメリカン・ショートヘアーの被毛
アメリカン・ショートヘアーの被毛は、寒さや湿気、皮膚の外傷から保護するため、硬く短い被毛で覆われています。被毛の手入れはとても簡単で、1日1回くらい、スキンシップも兼ねてブラッシングしてあげるのが良いでしょう。
被毛の管理も大事ですが、爪切り等を行う際にも日頃からスキンシップを図っておくことは大事になります。爪切りのときだけ抱きかかえようとすると、また嫌なことをされると思って、思うように爪切りが行えない場合もあります。
頻繁に被毛の管理を行う必要はありませんが、1日1回はしっかりと膝の上に座らせてブラッシングしてあげたり、愛猫の気持ちのよいポイントを見つけてあげたりするスキンシップを取るようにしましょう。
アメリカン・ショートヘアーの柄
アメリカン・ショートヘアーの被毛のカラーで一番有名なカラーとなるのは、「シルバー・クラシックタビー(シルバーの地色にブラックの縞模様)」ではないでしょうか。非常に美しい毛色と柄をしているので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
「タビー」とは縞模様や斑点の柄の事を指しており、シルバー・クラシックタビーの他にも「ブラウン・クラシックタビー(ブラウンの地色にブラックの縞模様)」「レッド・タビー(明るいレッドカラーの地色に濃いレッドカラーの縞模様)」「クリーム・タビー(淡いクリームの地色にレッドカラーの縞模様)」と言った、縞模様柄が入った毛色も存在するんです。
アメリカン・ショートヘアーと言えば、シルバー・クラシックタビーのイメージが強いですが、同じ縞模様(タビー)を持つ毛色は、上記の他にも沢山存在しているんです。
たくさんある、アメリカン・ショートヘアーの毛色
アメリカン・ショートヘアーと言えば、前述の通り、綺麗な縞模様柄(タビー)が印象的ですが、実はタビーが入っていない単色のアメリカン・ショートヘアーも存在するんです。
「ブラック」「ホワイト」「クリーム」「ブルー」「レッド」などの単色も存在しており、アメリカン・ショートヘアーに関しては、基本的には全ての毛色が認められています。中でも特に人気の高い毛色は「シルバー・クラシックタビー」や「ブラウン・マッカレル・タビー」が挙げられます。
また、特に希少色とされているのは「クリーム・カメオタビー」と呼ばれる毛色。見た感じはクリーム色にタビーが入っている毛色ですが、毛をめくってアンダーコートを見てみると真っ白という、美しい毛色のカラーです。
アメリカン・ショートヘアーは暑さに強い?弱い?
猫のルーツともいわれる「リビアヤマネコ」。アフリカ等に生息している猫でアフリカヤマネコとも呼ばれることもあります。
アメリカン・ショートヘアーを含むすべてのイエネコは、このアフリカに生息するリビアヤマネコをルーツに持つと言われていますので、当然、暑さにも強いだろうと思いがちですが、こうして様々な種類の猫が誕生するにあたり、多くの改良が重ねられてきたために、一概に暑さに強いとは言えなくなってきています。
アメリカン・ショートヘアーもその中の1種で、前述のようにブリティッシュ・ショートヘアーから改良されてきた猫です。そして、アメリカで誕生しているアメリカン・ショートヘアーは、暑さよりも寒さに耐性があるため、どちらかというと暑さに弱い方といえるでしょう。
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アメリカン・ショートヘアーがかかりやすい病気
【流涙症】
目から涙が溢れて流れ落ちることで、要は涙目の状態を言います。角膜炎や結膜炎や目瞼炎などが原因であったり、先天的な奇形のため、涙が過剰に分泌したり、涙管が詰まったりして、涙の行き場がなくなって涙が溢れてしまう病気です。
「常に涙が出ていないか」「涙やけで茶色くなっていないか」「眩しくないのに目がショボショボしていないか」など、日頃から目のチェックをして、目の周りは清潔に保ちましょう。
【眼瞼内反症】
これは、眼瞼(まぶた)が内側に反り返った状態を言います。そのため、目の表面にマツゲが刺さり、眼球を傷付けることにより、角膜炎や結膜炎を引き起こしてしまいます。原因は先天的な場合と、後天的な要因は、ケンカなどにより外傷を負った場合とあります。
「まばたきの回数が増えていないか」「最近目ヤニや涙が多くないか」「目をしきりに擦っていないか」「目は充血していないか」など、日頃から目のチェックが必要です。
アメリカン・ショートヘアーのブリーダーや販売価格は?
アメリカン・ショートヘアーは人気猫種ですので、ペットショップにもほぼ確実と言っていいほど見る機会があるでしょう。ペットショップから迎え入れる場合には、相場価格としてはおおよそ15万円前後ほど。高くとも30万程度となるでしょう。
ブリーダーから迎え入れる場合には、この価格よりももう少し抑えられ、10万円前後ほどで取引されることが多いでしょう。なお、アメリカン・ショートヘアーは毛色も非常に多いことから、お目当ての毛色を探すとなると、時間がかかる場合も。
好みのイメージがあるのならば、ペットショップで探すよりも、ブリーダーから迎え入れることを考えたほうが良いでしょう。また、毛色によっては希少色の場合もありますので、販売価格が高騰することも。
アメリカン・ショートヘアーと暮らすために
アメリカン・ショートヘアーは、活動的なところがあるため、非常に多くの運動量が必要な猫です。運動不足になると太りやすい傾向にあるため、体を使うような遊びを取り入れた方が良いでしょう。
また、一人遊びも得意なので、キャットタワーなどの退屈しのぎ&運動できるものを置いてあげると、留守番も上手に出来るようになります。
アメリカン・ショートヘアーは、かつては多くの猫と掛け合わせていた時代もあるからか、遺伝疾患は少ないとされています。しかし、動物を飼う以上は「絶対に病気にかからない」ということはありません。
どの猫に関係なく、猫の死因で最も多いのは「慢性腎不全」と言われています。また、この病気は徐々に進行するため、飼い主さんが気付いた時にはかなり病気が進行している場合が多いのです。
アメリカン・ショートヘアーだけでなく、どの猫を飼育する場合も、7歳以上のシニア期に入ったら、年に1度の健康診断を受診することをお勧めします。
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