鳥といっても、種類や鳥の大きさによって、鳥が必要とする鳥かごの大きさはまちまちです。また、鳥がまだヒナの状態では、成鳥が入るような鳥かごでは、飼育に適していない場合もあるのです。今回は鳥かごを選ぶポイントについて解説していきます。

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オブジェとしてではなく、住居として考えましょう

どうせ買うなら、オブジェになるような美しいデザインの鳥かごを購入したいと考えてしまいますが、その鳥かごがしっかりと愛鳥のためになっているか、飼育のしやすい鳥かごかを改めて考えてみましょう。

鳥かごにも色々な種類があり、オブジェになるようなデザイン性の高い鳥かごや、機能性に特化したシンプルな鳥かご、簡易的にすぐに組み立てられるような鳥かごなど様々です。
しかし、実際にその鳥かごで生活するのは愛鳥ですので、愛鳥が過ごしやすい条件は満たしているかが最も肝心なポイントとなります。

また、ポイントと言っても小型の鳥や大型の鳥、ヒナ鳥と分けて考えると、必要となるポイントはそれぞれ違ってきます。その条件やポイントとはどのようなものがあるかを見てみましょう。

ヒナ鳥に適した鳥かごとは


鳥がヒナ鳥の場合には、十分に保温が出来る環境で飼育する必要があります。まだまだ抵抗力の少ないヒナ鳥は、しっかりとした温度管理の基で育てる必要があり、ちょっとした温度変化などにもすごく弱いので、注意が必要です。

これは、どのヒナ鳥に対しても言えることで、文鳥のヒナ鳥であっても、ヨウムのヒナ鳥であっても同じことがいえます。また、体の大きい鳥の方が丈夫かと思いきや、大型の鳥のヒナ鳥の方が、より温度管理が必要とし、抵抗力も弱く飼育レベルが高いです。

ヒナ鳥を飼育する際に適した温度は、約25℃〜30℃程度を要します。また、昼夜を問わず一定の温度にする必要があり、かつ通気が良く、湿気・乾燥の少ない状況にする必要があります。

ヒナ鳥は保温対策も必要

このように、ヒナ鳥の鳥かごは成鳥用とは違い、ヒナ鳥の為の特別な配慮が必要となります。そのため、ヒナ鳥を飼育する場合には、小さめの水槽や、しっかりと熱がこもるケージが最適と言えるでしょう。

成鳥が入る鳥かごではたくさんの隙間がありますので、温度管理ができず、飼育するには難しい環境となります。どうしても成鳥用の鳥かごを利用する際には、鳥かごの中にヒーターをいれ、熱を逃さないようにタオル等で鳥かごを覆うなど、保温するための対策をする必要があります。

ヒナ鳥に適した温度を保つため、鳥かごを置く場所にも配慮しましょう。直射日光の当たる場所では昼間に暑くなりすぎてしまったり、冬の窓際やヒーターの近くですと、昼夜の寒暖差が発生しますので、できるだけ寒暖差の生じないような場所が理想的といえます。

成鳥用の鳥かごも種類によって変わります

無事に大きくなった鳥は成鳥となり、今度は翼を広げられるスペースを必要とします。正直な所、鳥の飼育スペースは広ければ広いほど、鳥も大喜びすることでしょう。しかし、自宅内で飼育するには、ある程度の「ルール」を持つようにしなければ、鳥も自由気まま、勝手な性格になっていくことでしょう。

ここで言うルールとは、鳥かごで生活する時間と、自由に鳥かごの外で遊び回れる時間を覚えさせるということです。仮に、いつでも出られると理解してしまった鳥は、鳥かごにいれた時に大きな声で騒いだり、入り口や鳥かごの部品等を揺らしたり、咬んだりして音を立てることでしょう。

普段の生活では良いかもしれませんが、来客があった時や、鳥かごにいれなければいけないような状況時に、大騒ぎをしてしまうので、予めルールを持って飼育するのがおすすめです。

ストレスの貯まらないような環境を


鳥を飼育する際、また鳥かごを選ぶ際には、前述でも挙げたようなポイントを念頭において選ぶようにしましょう。また、ストレスの溜まらない程度に、可能な限り大きな鳥かごを選んであげる必要があります。

ただし、愛鳥の性格にもよりますが、いくら大きな鳥かごを用意しても、ストレスが溜まってしまう場合があります。その原因としては、遊ぶ場所が無いという点です。

鳥は遊ぶことの大好きな動物です。大きな部屋を与えられても、ポツンと一人ぼっちではストレスが溜まってしまうのです。単に大きな鳥かごを用意するという考えではなく、鳥が遊ぶ「おもちゃ」をどれだけ設置できるか、どれくらい遊ぶ場所を確保できるかという点も考慮して鳥かごを選ぶようにしましょう。

文鳥などの小型の鳥に適した鳥かごとは

ペットで飼育できる鳥の中でも小型の鳥にあたる、文鳥や十姉妹、キンカチョウといった鳥に適した鳥かごは、どの位の大きさが適しているのでしょうか。

文鳥を例に取ると、成鳥時の大きさは約25g、15cm位が一般的な大きさとなります。大きな鳥に比べると、必要とするスペースも小さく、またそこまでの高さも必要とはしません。昔ならではの、竹で出来たような鳥かごを見たことがあるでしょうか。少々、極端な例ではありますが、縦に長い鳥かごのイメージとは違い、横長の鳥かごでも飼育することは可能です。

セキセイインコの飛び方と、文鳥の飛び方では違いがあるのですが、自然界を例にとると、鳩の飛び方と、すずめの飛び方は違いますね。文鳥やすずめ等の小型の鳥は、木から木へと、ぴょんぴょんと移動します。こうした飛び方の違いから、横への移動が多いために、長方形のような鳥かごでも生活することが可能なのです。

とはいえ、出来る限り広いスペースを与えてあげたいところ。文鳥1羽〜2羽を飼育するには、高さ40cm程度、幅は35cm程度の鳥かごがあれば、十分なスペースと言えるでしょう。3羽になると、少々手狭になってしまいますので、セキセイインコ用の鳥かごを用意するようにしましょう。

セキセイインコに適した鳥かごのサイズ

文鳥よりも少し大きめのセキセイインコ。平均的な大きさは、約40g、体長20cm程度となります。セキセイインコ1羽で飼育するならば、高さ40cm程度、幅35cm程度の鳥かごでも飼育することは可能ですが、文鳥とは違い、羽ばたくことが必要なセキセイインコなので、予め2羽〜3羽程入れる位の鳥かごを選ぶようにしましょう。

おおよそのサイズは、文鳥用の鳥かごよりも5cm〜10cm程大きくなった鳥かごを選択します。高さは50cmほど、幅は35cm〜40cm程度といった感じです。また、イメージとしては鳥かご内を飛び回るというよりは、止まり木を伝って歩いて移動することが多いので、止まり木が2〜3本配置できるような物を選びます。

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オカメインコに適した鳥かごとは

セキセイインコよりもグッと大きくなるオカメインコ。平均的な大きさでは、体重90g、体長35cmほどが平均的なサイズとなります。

オカメインコは、鳥かご内でよく羽を広げ、バタバタとする行動をとることが多いです。そのため、鳥かごがあまりに小さいと、羽が鳥かごに当ってしまい、羽もボロボロになっていきます。美しい羽を守るためにも、オカメインコの鳥かごは大きめのサイズを選びたいところです。

具体的には、高さ・幅・奥行き共にが50cm以上の鳥かごが理想とされます。セキセイインコなどの鳥かごに比べると、グッと大きくなるわけですが、それだけオカメインコのサイズも、行動範囲も大きいということです。

ヨウム等の大型の鳥に適した鳥かごとは

オカメインコよりも更に大きい、ヨウム等の大型の鳥に適した鳥かごは、小さくても高さ60cm、幅45cm程度はほしい所。また、文鳥やオカメインコ等の鳥かごよりも強度のある、フレームも太めの鳥かごが必要となります。

ヨウムなどの大型の鳥は、飼育の仕方でもサイズが大きく変わってきます。鳥かご内で飼育する時間が多ければ、いまご紹介したサイズではストレスが溜まってしまうことでしょう。より大きく、鳥かご内で十分に遊ぶ事のできるスペースを確保する必要があります。

大型の鳥は重い鳥かごを選択

オカメインコやヨウムといった大型の鳥を入れる鳥かごは、ある程度重い鳥かごを選ぶ必要もあります。上記に挙げたようなポイントももちろんですが、ちょっと暴れただけで動いてしまうような重さの鳥かごは危険です。

鳥かごの中で鳥が暴れだしても動かないような重さの鳥かごを選ばなければ、鳥かごを置いている場所から落下してしまうこともあるでしょう。そのためには、ある程度ずっしりとした鳥かごが必要になります。

もしくは、しっかりと鳥かごを固定できるような設置の仕方を行う必要があります。とは言え、大型の鳥かごは小鳥用の鳥かごとは違い、それなりの重量もありますので、極端に軽いような鳥かごでなければ、鳥かごの重さよりも設置の方法に工夫をこらしたほうが良いかもしれません。

ケージも同じ「鳥かご」の意味


余談ですが、鳥かごは「ケージ」という名称でも販売されています。ケージとは、鳥かごのことですが、場合によってはケージが今回説明してきたような鳥かごの事を指し、「鳥かご」は竹や木でできた、昔ながらの鳥かごを指す場合もあります。

実際のところは鳥かごもケージも同じ意味なのですが、混乱を招くような商品名も多く見られるようになってきていますので、単純なことですが、頭の片隅にでも入れておくようにしましょう。

冒頭でも触れたオブジェになるような鳥かごをはじめ、実に様々な種類の鳥かご(ケージ)がありますので、選択肢も広がって良いですが、愛鳥の為を一番に考えた鳥かごを選ぶようにし、何度も繰り返しますが、実際に生活するのは愛鳥ということを意識しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。このように、成長段階、鳥の種類によっても必要とする鳥かごのサイズは大きく変わってくるのです。

今回ご紹介したサイズに関しては、あくまでも最小〜普通程度のサイズとなりますので、さらに鳥かご内におもちゃをたくさん配置したい場合や、2羽〜3羽飼育したい場合、鳥かご内で飼育する時間が多い場合などには、さらに5cm〜10cmほど大きめサイズの鳥かごを選ぶようにしましょう。

鳥かごは、鳥にとっては餌場でもあり、寝る場所でもある、安心・安全な場所です。ストレスの溜まらない程度のスペースを確保し、より快適に過ごしてもらうためにも、出来る限り大きめの鳥かごを選んであげるようにしましょう。

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