犬の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、犬を飼う上では犬種別に特徴を理解することが必要になります。今回「スタンダード・シュナウザー」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

スポンサーリンク

スタンダード・シュナウザーとは

スタンダード・シュナウザーは、「ジャイアント」「スタンダード」「ミニチュア」の3種類のシュナウザーの中で最も歴史が古く、シュナウザーの原型となる犬種で、「ジャイアント」と「ミニチュア」は、スタンダード・シュナウザーを改良した犬種になります。

また、シュナウザーという名前は、ドイツ語で「シュナウツ(口ひげ)」、「シュナウザー(小さいひげ)」からきています。その名前の由来通り、スタンダード・シュナウザーの立派な口ヒゲと眉毛は、一見お爺ちゃんのようなユニークな外見を持ちます。

スタンダード・シュナウザーのルーツ

スタンダード・シュナウザーのルーツは、15世紀頃、ネズミやイタチなどの小害獣の狩りをするために作出されました。この犬種の作出には、「ワイヤーヘアード・ピンシャー」、ブラックの「ジャーマン・プードル」、グレーの「ウルフ・スピッツ」が用いられたと考えられています。

シュナウザー特有の粗い針金状の被毛は、ウルフ・スピッツの影響が大きいようです。

1800年代後半からは、このスタンダード・シュナウザーは「人間の頭脳を持った犬」ととても重宝され、小害獣の駆除だけに留まらず、ドイツでは警察犬、護衛犬、戦争時には伝令犬、救護犬、番犬、水猟犬など、あらゆる場面で活躍し、アメリカでも牧場で、羊をコヨーテから守る勇敢な番犬として使用されていました。

1879年、ドイツで開催されたショーに初めて登場した時は、「ワイヤーヘアード・ピンシャー」という犬種名で出陳されていました。また、1890年に入ってから、同じ腹から産まれた短毛で直毛のものは
「ジャーマン・ピンシャー」として犬種が確立されています。スタンダード・シュナウザーとジャーマン・ピンシャーは兄弟のような存在にあたるということになりますね。

ドイツでは1899年からスタンダード・シュナウザーとミニチュア・シュナウザーとは別犬種として扱われていましたが、アメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」がそれぞれ別々の犬種として扱うようになったのは1933年になってからと言われています。

スポンサードリンク

スタンダード・シュナウザーの性格

スタンダード・シュナウザーは、とても陽気で明るく、従順でとても愛情深い性格なので、最良の家庭犬となるでしょう。また、警戒心が強く、怖い物知らずなところがあり、いざという時が来たら、飼い主さんを守るため、勇敢に向かっていく性質を持ち合わせていますので番犬にも向いています。

とても賢く聡明なスタンダード・シュナウザーは、学習能力も高いのですが、狩猟犬の気質からか、頑固な一面もありますので、きちんとした上下関係を作り、しつけをしていかないと軽く見られることもあります。また、気が荒いところもありますので、しつけと称して、暴力を振るったり、罵声を浴びせていると、飼い主さんに対して不信感を抱き、攻撃的になることがあります。叱る時は叱り、褒める時は褒めるなど、メリハリを付けながら上手にトレーニングをしていきましょう。

スタンダード・シュナウザーは、「人間の頭脳を持つ犬」と言われている犬種なだけに、成長の幅も広いと考えられます。この犬種を良くもするも悪くもするも飼い主さん次第です。逆に言えば、どんなふうに成長するのだろうと楽しみな犬種ということなのでしょうね。

スタンダード・シュナウザーの被毛

スタンダード・シュナウザーは、針金状の硬い被毛の「オーバーコート(上毛)」と、密生した柔らかい被毛の「アンダーコート(下毛)」の「ダブルコート」という被毛を持つ犬種です。
一般的に飼育されてるスタンダード・シュナウザーのトリミングは、クリッピング(バリカンで毛を刈られること)されていることが多く、毛質が柔らかい子が多いです。

中には、ストリッピングといい、スタンダード・シュナウザー本来の硬い毛や色を保つためや、毛量を増やすために、頭や背中毛を完全に抜くトリミング方法もあります。これは、オーバーコートを抜くことで毛質が良くなり、アンダーコートを抜くことで通気性も良くなり、皮膚にも良いとされています。
しかし、皮膚も赤くなり、見た目も痛々しく、トリミング費用も高額になるため、日本ではあまりストリッピングするシュナウザーは見かけないかもしれません。

スタンダード・シュナウザーの被毛のカラーは、「ソルト&ペッパー」「ブラック」があります。

スタンダード・シュナウザーがかかりやすい病気とは

【股関節形成不全】
股関節系背不全とは、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす骨の病気です。
肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

【外耳炎】
スタンダード・シュナウザーの耳は、耳の中まで毛で覆われています。立ち耳の犬種に比べ通気性が良くないため、耳の中が蒸れたり、カビや雑菌などが繁殖しやすく、外耳炎などの原因になります。暑い夏や湿気が多い季節は特に気を付けて、こまめな耳掃除が必要です。

【アトピー性皮膚炎】
アトピー性皮膚炎とは、アレルギーの原因であるアレルゲンが、何らかの要因で体内に入ることで、皮膚のバリア機能を低下させ、皮膚炎を引き起こす病気です。
アトピー性皮膚炎は一度発症すると完治が難しく、一生付き合わなければならない事がほとんどです。

スポンサードリンク

スタンダード・シュナウザーと暮らすために

スタンダード・シュナウザーは、「人間の頭脳を持つ犬」と呼ばれるだけあって、とても賢い犬種です。運動欲求の他にも、知力欲求も満たしてあげないと、ストレスから問題行動を引き起こすこともあるため、普段の近所の散歩やドッグランで走らせるだけでは、肉体的な運動欲求を満たすことができても、知的欲求は満たされません。そのため、飼い主さんと一緒に遊べるようなゲームを取り入れるなど、身体も脳も刺激になるような運動をすると良いでしょう。

そして、賢いゆえ、訓練やしつけなどの吸収は早いのですが、反面、いたずらなどの悪いこともすぐ覚えてしまいます。また、狩猟犬の気質から、多少頑固な面も持ち合わせていますので、幼少期からしっかりと主従関係を築き、「良いこと」と「悪いこと」を教えておく必要があるでしょう。

スタンダード・シュナウザーはいつも元気でパワフル。見ていて飽きることがありません。いつも何かしら家族を楽しませてくれます。
また、、他の動物との相性も良いので、多頭飼いにも向いています。しかし、仲間意識が高い分、吠え癖もつきやすく、一緒になって吠えることがあります。中型犬の大きさになりますので、吠えた時や興奮した時は、飼い主さんが愛犬を制止できるように日頃からのトレーニングが大切です。

スポンサーリンク