犬の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、犬を飼う上では犬種別に特徴を理解することが必要になります。今回は「スタンダード・プードル」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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プードルの種類

今現在、プードルは体の大きさによって4種類に分けられており、一番大きいサイズが「スタンダード・プードル」で、体重が15~25kg、体高が45~60cmにもなります。よく見かけるトイ・プードルと比べてもとても大きくて貫禄があります。元々は、カモ猟などの水猟犬の他、軍用犬や救助犬などにも使用されていました。

その次ぎに大きいサイズが「ミディアム・プードル」で、体重が8~15kg、体高が35~45cmの中型犬サイズになります。ミディアム・プードルに関しては、JKC(日本の愛犬家団体)の認定を受けたのが2004年と、比較的まだ新しい犬種であるため、まだまだ知られていない部分が多いと言われています。また、未だこの犬種を認めていない国も多いようです。

そして、トイ・プードより一回り大きいのが「ミニチュア・プードル」で、体重が5~8kg、体高が28~35cmの小型犬です。元々は、トイ・プードルよりも早く作出された犬種であると知られています。嗅覚が優れていたので、トリュフ狩りとして使用されたり、また、スタンダード・プードルよりも体が小さく扱いやすかったことと、多芸多才であったため、旅芸人の一座に加わり、サーカスなどで芸を披露をすることが多かったと言われています。

そして、今や知らない人がいない「トイ・プードル」。体重は3~5kg、体高が26~28cmの小型犬で、頭の良さとその扱いやすさから、好きな犬種人気ランキングでも何年もの間、首位を独占しています。トイ・プードルは、体が小さくて扱いやすかったことや、多芸多才であったため、旅芸人の一座に加わり、サーカスなどで芸を披露をすることが多かったと言われています。

また、この他にも、体重2kgくらい、体高23cm以下のサイズの小さい「ティーカップ・プードル」がいますが、この犬種が作出されてからまだ間もないということと、先天性の疾患などの可能性などが危ぶまれていることもあり、JKCを含めた他の主要畜犬団体から公認されていません。

スタンダード・プードルのルーツ

プードルは、ヨーロッパ各地に存在していた、全身の被毛がカールされた「バーベット」というドイツ原産の水猟犬が、プードルの祖先ではないかと考えられていますが、その起源に関しては、あまり定かではありません。

ドイツからフランスに持ち込まれたプードルは、泳ぎが得意であったことから、カモ猟の水中回収犬として使用されていました。この頃から、毛が水に濡れると体が重くなって泳ぎにくくなるという理由から、顔や体の毛をカットし、体温の低下を防ぐために、心臓や腕や足の毛を残すというような独特なカット方法の「コンチネンタル・クリップ」が作られたと言われています。大昔からこのようなカットが流行るなんて、おしゃれな犬だったんでしょうね。

「プードル」という名前の由来は、ドイツ語で「pfudel(プーデル:水中でパチャパチャ音をたてる)」から由来していると言われています。このことからも、プードルは昔から水中での仕事を得意としていたということが分かりますよね。

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スタンダード・プードルの性格

ボーダーコリーに次ぐ賢さであると言われているスタンダード・プードルは、とても利口で物覚えが良く、しつけやトレーニングなどは、どんどん吸収していくでしょう。飼い主さんも愛犬がたくさんの言葉を理解してくれると、楽しくしつけができるのではないでしょうか。

しかし、賢い反面、ズル賢さも持ち合わせており、イタズラなども覚えるのが早いので、幼少期から「やって良いこと」と「悪いこと」をしっかりしつけておく必要があります。また、スタンダード・プードルは基本的に素直な性格の子が多いので、しつけはしやすいのですが、体が大きい分、小さい子供がいる場合などは、誤ってぶつかったり、踏んでしまうと子供にケガをさせてしまうこともありますので注意しましょう。

「プードル」は、トイ・プードルのように体が小さくなるにつれて、神経質で甘えん坊の子が多く、スタンダード・プードルのように体が大きくなるにつれて、穏やかで温厚な性格になる傾向があるようです。そのため、この4種類のプードルの中では、一番落ち着きがあり、大らかな性格を持つので、他の人や犬に対しても友好的で優しく接します。

スタンダード・プードルがかかりやすい病気

【アジソン病(副腎皮質機能低下症)】
アジソン病とは、副腎皮質ホルモンの分泌量が低下することで発症する病気です。これは、遺伝によるものや、副腎皮質に腫瘍などの異常があったり、長期間のステロイドの治療を突然やめた場合などにも起こります。急性のもの、慢性のものがあります。

症状は、元気や食欲が無くなったり、ふらつきや転倒をして、ショック状態に陥り気絶する場合もあり、早急に対応しないと急死することもあります。また、急性の場合、急激なストレスを感じた時に発症しやすくなりますので、ストレスを抱えやすい子は気を付けた方が良いでしょう。

【股関節形成不全】
股関節形成不全とは、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたすという、大型犬に多い骨の病気です。
肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

【胃捻転】
胃捻転とは、胃の内容物が発酵し、発生したガスで胃がパンパンになり、その胃が捻転してしまう病気で、大型犬に多く見られ、致死率も高い病気です。ついさっきまで元気にしていると思ったら、急にぐったりとするなど、早急に処置をしないと、最悪の場合死に至る病気です。
予防としては、食後しばらくは安静にさせることや、水のがぶ飲みは避けること、早食いさせない事など、十分に気を付けてあげましょう。

スタンダード・プードルと暮らすために

スタンダード・プードルは大型犬になりますので、それなりに運動量が必要になります。1日1~2回、1時間くらい散歩したり、泳ぎが得意な犬種なのでプールで泳がせたり、また、日頃のトレーニングに頭を使うようなゲームを取り入れて、体と頭を刺激させるような運動を取り入れても良いでしょう。しかし、プードルは関節があまり強くないため、関節に負担をかけないよう、無理のない運動を心掛けましょう。

また、スタンダード・プードルは、体が大きいため、幼少期にしっかりしたしつけをしておく必要がありますが、繊細なところがあり、とても傷付きやすい一面もあります。基本的に聞き分けが良い犬種で、そこまで強く言わなくても理解できる犬種だと思いますので、激しく叱ったり、しつけと称して乱暴に扱わないようにしましょう。

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