うさぎはただ飼育するだけではなく、健康な毎日を過ごせるよう、色々な事に気をつけなければいけません。食事や生活環境、飼い主とのコミュニケーションなど、ナイーブな生き物でも知られるうさぎの、健康な毎日を過ごすためのポイントについて紹介します。
若い頃からの健康な生活が大事
近年のペットブームで一気に犬猫に並んで、ペットの代表格となったうさぎ。自宅内で飼育できることから、初心者にも飼いやすいペットとして人気も高い動物です。しかし、飼育が比較的簡単と言われるうさぎも、基本的な事を押さえないと、すぐに弱ってしまったり、病気がちになってしまいます。
特に、5歳を過ぎた辺りからはうさぎもシニア期に入ります。うさぎも人と同じく、シニアになると新陳代謝が落ちたり、運動量も減ってきたりします。また、うさぎの寿命は約8年〜10年程が一般的です。中には12〜3歳を迎える長寿うさぎもいますが、元気な老後を過ごし、長生きをしてもらうためには、子うさぎの頃からの、毎日の健康な生活が重要にるのです。
「牧草」の成分にも注目しましょう
子うさぎの時に食べさせていた「アルファルファ」。アダルト期からは、アルファルファでは栄養過多になってしまうために、「チモシー」をメインの牧草に切り替えてあげましょう。アルファルファは、味も美味しく食いつきも良い牧草ですが、チモシーに比べ6倍ものカルシウム含有量があるために、「尿路結石」などの疾患を引き起こしかねません。
そのため、常時食べても栄養バランスも安定し、平均しているチモシーを食べさせることが一番安心なのです。中には、1番刈り・2番刈りといったチモシーや、偏食気味のうさぎのための様々な牧草が存在しますが、中でもチモシーが一番安定しているので、チモシーは常時食べられるようにしておきましょう。
肥満は万病の元となります
食欲旺盛だからといって、ペレットばかり食べさせていると、うさぎも肥満体型になってしまい、体重が増えてしまうことで運動量も減ってくるなど、デメリットばかりが増えてきます。ペレットにも「アルファルファ」をはじめ、カロリーの高い成分が多く含まれている場合もありますので、ペレットの量は規定量にとどめ、食べさせるならば牧草をたくさんたべさせるようにしましょう。
また、うさぎは突然食べ物が変わったりすると、食べなくなったりする場合があるため、カロリーオフの肥満うさぎ用のフードに変える際には、約2週間程度をかけて徐々に今食べてるフードに、ライトフードを混ぜていくようにし、少しずつ割合を増やしていく方法をとりましょう。初めは8:2位からはじめ、徐々に5:5、3:7といった具合です。
食欲旺盛なのは非常に良いことですが、飼い主さんの方である程度フード料を調節したり、牧草を多く食べさせたり仕向けるような対策を行うようにしましょう。
牧草を食べる量が少ないと「不正咬合」を引き起こす場合も
うさぎは「歯」が伸び続ける動物です。歯が伸び切ってしまい、かみ合わせがおかしくなってしまう状態を「不正咬合(ふせいこうごう)」と呼びます。この不正咬合を予防するために、ペレットも固く作られており、また、牧草をたくさん食べることで、歯をこすり合わせて歯の伸び過ぎを防いでいます。
あまりに硬いものを好まず、牧草も柔らかい物をばかり食べるようなうさぎは特に注意が必要です。「かじり木」などのおもちゃや、味のついた木のおやつ等も販売されているので、できるだけこうした硬いものを噛ませるように促してあげましょう。
また、万が一、不正咬合になってしまった場合、うさぎは食べ物を食べることができなくなり、衰弱して命を落としてしまいます。あまりに歯が伸びすぎてしまっている場合には、すぐに病院に連れていき、歯を削ってもらいましょう。
運動させることも大事です
うさぎを飼育しているものの、ケージ内だけの生活をさせてしまっていないでしょうか。子うさぎのタイミングでは、慣れるまでの期間はケージ内で過ごさせる事も大事ですが、ある程度大きくなってきた時には、運動も兼ねて居間などで遊ばせる事も大事です。
ただし、うさぎがスタンピングする度に遊ばせるのは、しつけとして良いとは言えません。飼い主さんの方でルールをきめ、遊ばせる時間とケージで過ごす時間をはっきりさせてあげましょう。少なくとも、1週間に1回は遊ばせてあげてはどうでしょうか。
こうして遊ばせることで、ストレスの解消はもちろん、うさぎの内臓にも活発な動きが促されますので、心身ともによい影響を与えるでしょう。居間で遊ばせる時には、誤飲やコンセント等を齧らないよう、目の届く範囲で遊ばせるようにしましょう。
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老齢期までを意識して「床」にもこだわりましょう
うさぎは跳びはねるように移動する動物です。野生下では、マットの代わりになる土の上や草の上を行き来していますが、ペットとして飼育していると、比較的固い地面を移動することとなります。そのため、足腰に負担がかかり、シニア期になるとより症状も悪化、運動能力の低下を招きかねないのです。
うさぎのケージには、プラスチックのすのこや、木のすのこが備え付けられていますが、あまりに行動的なうさぎには、少し負荷がかかってしまうかもしれません。プラスチックのすのこは足元も滑りやすく、木のすのこは少し固い物も多いので、できるだけ「わら」や「牧草」をマット代わりに敷き詰めてあげるようにし、足腰に負担をかけないような工夫も必要になります。
見落としがちな「温度管理」
うさぎは極端な温度変化に弱い動物です。特にベビーとシニアのうさぎには気を使うようにしましょう。特に真夏と真冬には要注意です。真夏は、適度に涼しい場所に移動させ、脱水症状や熱射病を起こさないようなケアが必要です。そして、暑いからと言ってクーラーの風を直に当てたりすることの無いようにしましょう。
また、真冬の温度も危険です。昼間は暖房が入っているために25℃位あり、夜は暖房を消すために10℃近くになったりと、あまりにも昼間と夜の温度差があるような場合には注意が必要です。こうした場合には、ペットヒーター等を設置するようにし、保温できる環境を作ってあげることが重要です。気を付けるべきは、極端な温度差を無くす対策ですので、夜はタオルをかけてケージ内を保温したりするのもよいでしょう。
まとめ
うさぎのサプリメントなど、うさぎを健康に、丈夫な体にするための商品や食べ物はたくさんありますが、まずはうさぎの生活環境を整えなければ、こうしたサプリメントを食べていても意味がありません。
まずは、健康な毎日をすごせるような生活環境、生活習慣を整えてみてください。健康なうさぎはよく食べ、コロコロとした糞をたくさんし、良く眠り、良く遊びます。食べ物や商品に注目するのも大事ですが、まずは毎日の生活が一番大事な要素です。いつまでも健康な体を維持できるように、うさぎにとって良い環境を整えてあげてくださいね。
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