愛猫の尿のph値、気にしたことがありますでしょうか。猫に多く見られる病気の一つ「下部尿路疾患」は、ph値がアルカリ性に傾くことで引き起こされますが、予防するためにはキャットフード等でphをコントロールすることが重要になってきます。

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猫の大敵「下部尿路疾患」

愛猫の大敵となる「F.L,U.T,D(猫下部尿路疾患)」。多くの猫が悩まされるこの下部尿路疾患ですが、猫に多く見られる病気の一つで、近年では下部尿路疾患を予防するための「phコントロール」といったキャットフードも多く見られるようになりました。

猫の下部尿路疾患を知る上ではまず、どのような形で猫が下部尿路疾患を引き起こしているのかを理解する必要があります。

下部尿路疾患を引き起こす原因

猫の下部尿路疾患の原因は、マグネシウムとカルシウムのバランスが崩れることで引き起こされます。マグネシウムとカルシウムのバランスは、マグネシウムが1に対してカルシウムが2のバランスが望ましいとされています。このバランスが崩れることで下部尿路疾患が引き起こされてしまうのですが、尿中にマグネシウムの量が多くなってくると尿中の「リン」と結合してしまい、ストルバイト結石を形成します。

そして、このリンも大事な役割を果たしており、リンとカルシウムのバランスも重要になってきます。リンが1に対し、カルシウムは1.5のバランスが望ましく、これらは猫の丈夫な骨や歯を作るのに必要なものです。ところが、このバランスが崩れてしまい、リンのバランスが増加してしまうことで、マグネシウムと結合しストルバイト結石を形成、逆にカルシウムのバランスが増加すると「シュウ酸カルシウム結石」を引き起こす事となります。

このように、単純にカルシウムだけをとったり、極端にマグネシウムを摂取するのではなく、しっかりと栄養バランスを考えていく必要があるのです。

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下部尿路疾患を防ぐカギとなる「ph値」

猫の下部尿路疾患を予防するためには、栄養のバランスが大事ということがわかりましたが、この他にも猫の尿のph値が関係しています。簡単に言うと、猫の尿のph値がアルカリ性に傾くと「ストルバイト結石」を引き起こす要因となります。そのため、下部尿路疾患を予防するためにはph値を酸性に向かわせる事が重要になるのですが、このph値は常に変動を繰り返しているもので、1日の中でも変化が見られるものです。

本来であれば、猫の尿のph値はおおよそ5.5〜7.0。ストルバイト結石を引き起こす状態の尿保ph値は、7.0以上が持続することでリスクが高くなります。肉食である猫は、肉などの動物性タンパク質を食べることで、ph値は酸性に傾きます。一方で、肉以外の野菜などを食べることで、尿のph値はアルカリ性に傾くようになります。

また、一日のサイクルでもph値は変動を繰り返します。例えば、強いストレスがかかることでもアルカリ性に傾いたり、食後に胃酸が多く出ることでもph値はアルカリ性を示すようになります。(消化の悪い物は胃酸が多く出るため、アルカリ性に強く傾く事が言えるでしょう)また、睡眠時には尿のph値は酸性に徐々に傾いていくようになります。

このように、猫の尿のph値は常に前後を繰り返しているわけですが、出来る限り酸性にph値をすることで、下部尿路疾患を予防に繋がることが言えます。では、どのようにして尿のph値をコントロールすると良いのでしょうか。サプリなどもありますが、手っ取り早いのは、毎日食べるキャットフードでphコントロールを行うことでしょう。

キャットフードでphをコントロールする

近年のキャットフードでは、下部尿路疾患を予防するために配慮されたフードが数多く登場しています。しかし、一概にphコントロールといっても、その方法や考え方は各社ちがうため、どのフードが正解ということは無いのかもしれません。というのも、そもそもキャットフードを食べて消化させることで、酸性に傾かせる物もあれば、あえてナトリウム(塩分)を増やし、たくさんの水を飲ませるようにするフードもあるからです。

まずは飼い主さんがしっかりと尿路疾患についての知識を高める事が重要になりますが、こうしたキャットフードによるphコントロールも、愛猫に合った物を選択する必要があるためです。合わないのに与え続けていても、その効果は得られることはないでしょう。

また、キャットフードの成分値も確認し、理解できるようになることが大事です。最低限、尿路疾患予防を意識するのであれば、ナトリウムの含有量、マグネシウムの含有量、カルシウム・リンのバランス、もしくは粗灰分(ミネラル分)を意識的に確認することが大事です。

それでもph値が気になる!そんな飼い主さんにはコレ

キャットフードだけでは、愛猫のph値をコントロールできているかイマイチ不安。。。そんな飼い主さんにはネットなどでも購入できる「ロールPHチェッカー」がオススメ。2,000円弱で手に入るph値チェッカーですが、自宅で簡単にphチェックを約150回計測することが出来ます(4.5m製品の場合)。

こうしたキャットフードやphチェッカーを利用していても、おやつに煮干しを大量に与えていたりしていては何の意味もありませんので、気をつけましょう。猫の大好物の煮干しはマグネシウムを多く含む食べ物なのです。おやつは少量にとどめるようにし、尿路疾患にならないような健康な栄養バランスを心がけるようにしましょうね。

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