強い痒みと脱毛や発疹を伴い、犬を苦しめる「ノミアレルギー」。一度ノミに寄生された場合、恐らく部屋中に卵が落とされているかもしれません。ノミに対しての知識を高め、ノミによる被害を再発させないためにも、ノミの行動を知っておきましょう。

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皮膚やアレルギーの病気について


人にも皮膚の病気や疾患があるように、犬にも皮膚の病気は存在します。皮膚病には、痒みを伴うものもあれば、痛みも伴うものもありますが、人同様に見た目も痛々しくなってしまい、カサカサになるものや、ジュクジュクした状態になったりと、様々な症状が見られます。
原因となるのは、外的要因・内的要因それぞれが当てはまるのですが、外的要因である場合にはダニやノミといった寄生虫によるものが目立ちます。内的要因には、食物アレルギーや環境アレルギー等が挙げられ、アレルギーが原因で皮膚病を発症したりする場合もあります。
こうした皮膚病にならないためには、それぞれの皮膚病に対する予防策が必要となりますが、中には環境を整えるだけでも防げるものもあります。では、具体的な対処法について見てみましょう。

「ノミアレルギー」とは?

ハウスダストの原因でも知られる「ノミ」。犬に寄生することでも知られますが、犬に限らず動物全般に寄生することがわかっています。
このノミに寄生されてしまうことで、犬はアレルギー反応を起こし、ノミアレルギー性皮膚炎を発症してしまうのです。ノミアレルギー性皮膚炎を引き起こすと、非常に強い痒みを伴い、皮膚もひどく荒れていってしまいます。
またノミは吸血と産卵を繰り返し、最長で120日もの間、犬に寄生したまま生存します。この間、犬の体はもちろん、自宅内にもノミの卵が落ちてしまっているため、再びノミの被害に合う事となってしまうのです。
ノミのライフサイクルを断つためにも、部屋は常に清潔な状態にし、しっかりと駆虫を行う必要があります。

ノミとはどのような生き物か

犬や他の動物に寄生し、吸血を繰り返すノミ。しかしノミが怖いのはこれだけではなく、ノミは生存している間、1日に20個〜50個もの卵を産み続けます。そして、その卵が絨毯やクッションなどに落ちていき、その後は孵化をし、成長を繰り返していくのです。
このように、部屋が汚かったり、まめに掃除機をかけていないような状態ですと、ノミにとって好条件の環境となってしまい、どんどんノミが増えていってしまうのです。さらに、ノミの活動が一番活発となるのが13℃以上という環境下。夏場に増加すると思われがちですが、実は冬の暖房を付けている期間も、ノミにとっては好条件となります。
そのため、ノミの好条件となる時期はほぼ1年中と言って良いでしょう。

ノミアレルギーの症状について

ノミが寄生してしまうことで、強い痒みと発疹、脱毛といった症状が見られはじめます。また、皮膚が痒いために、壁に擦りつけたりかきむしってしまうことで、皮膚が傷ついてしまい、皮膚は荒れていきます。その結果、更に症状が悪化してしまい、患部が化膿してしまったり、他の細菌に感染してしまい「膿皮症」を併発してしまったりもします。
非常に痒みを伴うノミアレルギー性皮膚炎。かゆみの原因は、ノミの唾液が原因で引き起こされる「ノミアレルギー」による反応です。ノミが犬の体に最も寄生しやすい場所が、腰あたりから尻尾の付け根辺りと言われています。症状が出始めるのも、こうした箇所が中心となる場合が多いでしょう。
また、常時強いかゆみに襲われているために、犬自身もストレスが溜まり、しっかりと寝付けなかったり苛々がつのってしまったりもしてしまうのです。

ノミアレルギーの原因について

犬の体に寄生するノミが原因となる、ノミアレルギー性皮膚炎ですが、その原因となるノミは「ネコノミ」と呼ばれる1〜2mmのノミが、体に寄生することが原因となります。このノミは、宿主の血を吸って生きていきますが、体の上で産卵し、子孫を残していきます。
ノミの卵は、0.5mm程度の非常に小さな「米粒」のようなもので、肉眼で確認できる場合もあります。この卵は、動物が動く度に下に落ちていき、ソファや絨毯のすき間へと落ちていきます。やがて、適した温度や湿度になった頃を見計らって孵化するのです。
こうして孵化し、さなぎ〜成虫となったノミが犬等に寄生し、血を吸って産卵を繰り返していくのです。そのため、多頭飼育している場合には他の動物にもノミが寄生している場合も高く、感染が広がっていくのです。

ノミアレルギーの治療法について

ノミアレルギーを発症した場合には、痒みを抑えるための抗アレルギー薬の投与に加え、早急にノミの駆除を行う必要があります。また、犬を飼育している場所の掃除も欠かせません。
先ほども触れたように、ノミの卵が絨毯やソファといった場所に落ちているはずです。卵と言っても、ノミが寄生し、血を吸い始めてからわずか数日で産卵をはじめます。そのため、ノミが寄生し症状が出始めている場合には、ほぼ確実に卵を生んでいる可能性が高いのです。
また、卵の状態から成虫へと移行するまでの期間には、長短あるものの、卵の状態でも2週間は生存ができ、幼虫の段階であっても20日程度は生存ができるのです。そのため、せっかく治療をしていても、数日後にはまた寄生される恐れがあるのです。多頭飼育をしていても、していなくても、部屋の掃除は重要な予防策となります。

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ノミアレルギー性皮膚炎は自然治癒で治る?


ノミアレルギー性皮膚炎は、犬の自然治癒力で治るのでしょうか。その答えとしては難しい所でしょう。
その理由としては、自然治癒力というよりも、前述の通り、ノミのライフサイクルを断つことが重要となり、それ以上のノミの被害を減らしていくことが重要であることが理由としてあげられます。
仮にノミアレルギー性皮膚炎を自然治癒で回復させたとしても、ノミのいる環境に変わりがなければ、再びノミの被害に合うことでしょう。ノミはわずか10匹程度でも、1ヶ月後には2000匹ものノミの成虫が育ち、さらには10万匹もの幼虫が控えています。
こうした環境を絶たなければ、自然治癒どころか、いつまでもノミアレルギー性皮膚炎から脱することは無いでしょう。

ノミは感染病も媒介する存在

感染病を媒介する虫といえば「蚊」が代表的ですが、ノミも「蚊」と同じように血液を媒介する存在としても知られています。ただし、蚊はメスだけが吸血するのに対し、ノミに関してはオス・メス関係なく吸血行動を起こします。
感染病にかかっている犬がノミに吸われ、そのノミが他の犬に寄生してしまった場合には、この感染病も拡大する可能性があるのです。そのため、ノミに感染されないような環境づくりや、ノミに寄生されないよう、しっかりとノミの予防薬を摂取する必要があります。
ノミに寄生されると、ノミアレルギーにとどまらず、取り返しのつかない感染病に感染してしまうリスクも高いため、手遅れになる前にしっかりとした予防を行うことをオススメします。

ノミ予防に使用される薬

ノミ予防やノミの駆除薬にはどのようなものがあるのでしょうか。
これには、飲ませるタイプ(チュアブルタイプ)のものや、体に液体を垂らして刷り込ませる「スポット」タイプがあります。
スポットタイプは特に夏場、草むらや散歩に出かける際、キャンプなどに行く際に用いられる方法で、ノミやダニの予防策は必須といえます。完全とまではいきませんが、ある程度のリスク回避が望めるため、最低限の予防策としては重要です。
ノミは年中気を付けなければいけない寄生虫の一つですが、中でも7月〜9月にかけての夏場は要注意となります。この時期には、駆虫薬の効果が途切れる事の無いよう、1ヶ月おきに薬を摂取するようにしましょう。飼い主さんがノミのライフサイクルをしっかりと理解しておくのも、予防策の助けとなるでしょう。

ノミアレルギー性皮膚炎の治療費はいくらくらい?

ノミアレルギー性皮膚炎を治療した際の治療費は、どのくらいを予定しておけばよいのでしょうか。
治療費としてはそこまで高くはなく、ノミの駆除薬で2000円前後ほど、さらに皮膚炎の症状を緩和・治療するための軟膏や薬が処方されるでしょう。「フロントライン」と呼ばれる薬が代表的なものとなりますが、料金も犬のサイズによって変わってきます。
あとは診察料などになりますが、合わせても5000円以内には収まるでしょう。ノミアレルギー性皮膚炎を発症する前に、安価な価格でノミ予防が行えるので、ノミの増える時期には特に集中して予防を行うようにしましょう。
月一回の定期的な予防が大事になりますので、動物病院の先生と相談しながら、適切な処置を行うようにしましょう。

ノミアレルギー性皮膚炎にならないために


ノミアレルギーを予防するためには、まずは飼育している部屋、自宅内の部屋の掃除が大事になってきます。
ノミを繁殖させないような環境を作り、また、予防策として犬にもノミ予防をした方が良いでしょう。ノミの予防を行なっただけで安心してしまいがちですが、ノミのいそうな場所には近づかないようにしたり、ノミが繁殖しそうな環境を作らないことが最も重要です。
ノミアレルギー性皮膚炎自体には、命にかかわるような事態に発展することはないものの、ノミに寄生されたということは、少なからず感染病に感染してしまうリスクもあるという事を認識しておきましょう。
ノミアレルギー性皮膚炎にとどまらず、最悪の事態にならないよう、常に最善の状態で愛犬を飼育するように気を付けたいところです。

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