動物性タンパク源を50%以上使用したドッグフード「モグワン」が話題になっていますが、アメリカ原産のドッグフード「ピュリナワン」と比較すると、どちらの方が良いドッグフードと言えるのでしょうか。

そこで今回は「モグワンドッグフード」と「ピュリナワン」の成分値や品質内容を徹底比較してみたいと思います。

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モグワン ドッグフードの特徴について


「モグワン」は嗜好性の高さに定評のあるドッグフードで、自社調べでも97.8%の犬が食べたというデータもある、食いつきの良さが自慢のドッグフードです。

モグワンは、動物性タンパク源を豊富に使用したイギリス原産のドッグフード「カナガン」のスタッフが開発したドッグフードでもあり、使用される原材料はすべてヒューマングレードの品質、うち、動物性タンパク源を50%以上使用している、高品質なドッグフードとなっています。

ドッグフードの食いつきの良さは原材料の良さにも関わってくることですが、安価なドッグフードでは吹付けと呼ばれる工程で、保存料入の油脂を吹き付ける事で味付けを行い、食いつきを良くしている場合も多いですが、モグワンに関しては人工添加物も一切使用していませんので、完全に素材だけの味で勝負しているドッグフードと言えるでしょう。

モグワンの原材料

では具体的にモグワンの原材料を見てみましょう。

【モグワン ドッグフード 原材料】
チキン&サーモン53%(チキン生肉20%、生サーモン11%、乾燥チキン11%、乾燥サーモン7%、チキングレイビー2%、サーモンオイル2%)、サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ミネラル類(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(Ⅱ)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、ココナッツオイル、バナナ、りんご、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ジンジャー、アスパラガス、パパイヤ、グルコサミン、メチルスルフォニルメタン(MSM)、コンドロイチン、乳酸菌

上記の通り、モグワンの主原料は「チキン生肉」が20%、続いて「生サーモン」が11%、「乾燥チキン」が11%、「乾燥サーモン」が7%と続きます。このように、単一の動物性タンパク源だけではなく、チキンとサーモンと2種類の動物性タンパク源を合わせることで、より健康的な栄養を摂取することが可能となっています。

また、モグワンは手作りごはんのレシピをもとにしたドッグフードとなっており、使用される原材料も比較的シンプルな構成です。家庭内でも扱っているような食材が多いことも安心できる理由の一つでしょう。

このようにシンプルな構成のドッグフードは、いざ自宅でトップングを行う際にも成分や栄養のバランスが理解しやすいので、手作り食を行う際にもトッピングのしやすいドッグフードと言えます。

続いて、今回モグワンと比較する「ピュリナワン」の特徴について解説していきたいと思います。

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ピュリナワンの特徴について

アメリカ原産のドッグフード「ピュリナワン」は、嗜好性のあるドッグフードを意識した、動物性タンパク源を主原料に使用した高品質なドッグフードです。

プレミアムフードの中では比較的安価な価格帯のドッグフードでありながら、主原料に動物性タンパク源、人工添加物の不使用といったように、飼い主さんが求める最低限の品質をクリアしているドッグフードでもあります。

特に人工添加物の不使用は安価なドッグフードではあまり多くはなく、安心して愛犬に与えられるドッグフードと言えるでしょう。安価なドッグフードでは酸化防止剤などにも人工添加物を使用している場合が多いですが、ピュリナワンは酸化防止剤に自然由来の成分を使用していますので安心です。

そして、ピュリナが考えるのは「理想的な体格」「抵抗力の維持」「健康的な骨格と関節」「消化吸収性と便」「皮膚・被毛の健康と目の輝き」「健康な歯」の6つの健康を維持することで、健康で長生きな生活を送ることができるというものです。

その特徴として、主原料には動物性タンパク源が使用されています。

ピュリナワンの原材料

ピュリナワンの原材料を見てみましょう。今回はモグワンの比較として「ピュリナワン 1〜6歳 ほぐし粒入り成犬用 チキン」を比較材料としたいと思います。

【ピュリナワン 1〜6歳 ほぐし粒入り成犬用 チキン 原材料】
チキン、米、コーングルテン、とうもろこし、牛脂、チキンミール、小麦、脱脂大豆、たんぱく加水分解物、えんどう豆、にんじん、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン、硫黄)、グリセリン、カラメル色素、ビタミン類(A、D、E、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、B12、コリン、K、ビオチン)、アミノ酸類(リジン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール)

前述の通り、ピュリナワンは第一主原料に「チキン」を使用しており、人工添加物の使用はしていない安全なドッグフードです。

しかしながら、気になる点としては「チキンミール」です。安価なドッグフードに多く見られるミール類ですが、場合によっては「副産物」と呼ばれる栄養価の全く無いような部位も一緒に使用されるケースもあります。

プレミアムフードの中でもこの「チキンミール」等のミール類を使用している製品はありますが、メーカーに寄っては注釈で「副産物の使用はしていない」旨が記載されている場合もあります。

ピュリナワンに関してはこうした記載がありませんでしたので、断定することは出来ませんが不安は少々残ってしまうというのが正直なところです。

グレインフリーのドッグフード


また、モグワンは「グレインフリー(穀物不使用)」のドッグフードであることに対し、ピュリナワンは多くの穀物類を使用しています。

グレインフリーのドッグフードは近年増加傾向にあり、その多くは、犬に多く見られる「穀物アレルギー」に配慮された内容となっています。しかし、グレインフリーである意味はアレルギーに対してだけではありません。

というのも、肉は消化のしやすい食べ物ですが、野菜や穀物は消化のしにくい食材です。犬はもともと肉食動物の血をひきますので、肉食性の動物であり、肉を消化するのに適していますが、穀物類や野菜を消化するのには慣れていません。

消化吸収の良さを考えれば、動物性タンパク源を多く使用しているドッグフードのほうがおすすめであり、穀物はあまり消化にも良い食材ではありませんので、近年の傾向では穀物の使用もできるだけ減らしていくという流れがあります。

グレインフリーのドッグフードである意味は、穀物アレルギーに対してだけではなく、消化吸収や胃腸への負担軽減、肥満対策など、多岐にわたるものになっています。

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モグワンとピュリナワンの成分を比較


次にモグワンとピュリナワンの成分を比較してみましょう。

【モグワン 成分】
粗タンパク質:28%、脂質:12%、粗灰分:8%、粗繊維:3%、水分:8%、オメガ6脂肪酸:1.63%、オメガ3脂肪酸:1.29%、エネルギー(100gあたり)/約344kcal

【ピュリナワン 1〜6歳 ほぐし粒入り成犬用 チキン 成分】
粗タンパク質:26%、脂質:16%、粗灰分:9%、粗繊維:3%、水分:12%、オメガ6脂肪酸:1.6%、リン:0.8%、カルシウム:1%、エネルギー(100gあたり)/約399kcal

モグワンのタンパク質は28%、ピュリナワンのタンパク質は26%とほぼ同等です。脂質はモグワンが12%、ピュリナワンが16%と高く、カロリーに関してもモグワンが344Kcal/100g、ピュリナワンが399Kcal/100gとピュリナワンの方が高脂肪・高カロリーなドッグフードであることが分かります。

原材料ではモグワンのほうが動物性タンパク源が豊富であることが分かりましたが、ピュリナワンは穀物の量も多いため、カロリーも高くなっているのでしょう。

タンパク質に関しては筋肉を作るのにも欠かせないもので、健康を維持するためにも欠かせないものですが、脂質やカロリーはある程度運動もしっかりとしていなければ肥満を引き起こす可能性が高くなると言えるでしょう。

プロ目線から見たフードの比較

モグワンとピュリナワンは価格の差も3倍近くありますので、当然ながらカナガンの方が原材料も品質も高く、犬にとって最適である動物性タンパク源を多く使用しています。

それに対してピュリナワンは主原料が動物性タンパク源を使用しているものの、穀物類が多く使用されています。穀物類は前述の通り消化吸収を考えると、動物性タンパク源には劣ります。

しかし、動物性タンパク源を多く使用すると商品の価格に反映されていきますので、どうしても価格は高騰してしまうのです。そのため、ピュリナワンの価格帯を考えると、穀物の含有量は仕方のないところかもしれません。とはいえ、正直なところ量販店でも購入できるクラスにしては、ピュリナワンの内容は良いと言えるでしょう。

価格をより安く、品質は2番めにという考えであるならピュリナワンがおすすめではありますが、愛犬にとってより優れていると言えるのはモグワンであると言えるでしょう。

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