犬の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、犬を飼う上では犬種別に特徴を理解することが必要になります。今回は「ケリー・ブルー・テリア」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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ケリー・ブルー・テリアとは

「ケリー・ブルー・テリア」って見たことありますか?

全体的にがっしりとした筋肉質な体格で、豊富な顎ヒゲを生やしています。

しかし、この犬種の特徴は、何と言っても美しい「ブルーグレー」の被毛のカラーではないでしょうか。この被毛のカラーは初めは「ブラック」ですが、成犬になるにつれて「ブルーグレー」に変わります。

徐々に変わっていくカラーを見ていることも、この犬種を飼育する楽しみなのかもしれませんね。

ケリー・ブルー・テリアのルーツ

ケリー・ブルー・テリアは、アイルランドのケリー州原産で、アイルランドの正式な国犬として指定されています。アイルランド以外での飼育数はとても少ない犬種であることも特徴の一つです。

この犬種のルーツは定かではありませんが、18世紀頃に「アイリッシュ・テリア」「ロズベリー・テリア」などのテリア種が掛け合わせて作り出され、その後「ベドリントン・テリア」の血も加えられて、現在のケリー・ブルー・テリアになったと考えられています。

ケリー・ブルー・テリアは、ネズミやカワウソなどを地中で追い詰める地中猟や鳥猟だけでなく、狩猟は水陸の獲物の回収までこなし、他にも番犬、羊や牛の群れを守る護畜犬として多岐に渡って活躍していました。

トリミングを必要としなかったケリー・ブルー・テリア

元々のケリー・ブルー・テリアは、毛の手入れもされておらず、決して今のように洗練されている犬種とは言い難い容姿でした。作業犬であったため、トリミングの必要性が無かったからです。

しかし、グルーミングやトリミングをすることが徐々に定着し、ショードッグで見違えるようになったケリー・ブルー・テリアは、他の犬種の中でも一際目立つ犬種となって世界中に注目を浴び、人気犬種となったのです。まるで、シンデレラのようなお話ですね。

一時期は、原産国のアイルランドでは、最も人気がある犬種として選ばれていたこともありましたが、ケリー・ブルー・テリアが持つ気性の激しさから、「ブルーデビル」とも呼ばれて人気が落ちたことと、第二次世界大戦で頭数が激減したことで希少化してしまいました。

現在では、性格面を含めた改良が行われ、少しずつ人気が回復しているようです。

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ケリー・ブルー・テリアの性格


飼い主さんには従順で、家族には愛情深く、友好的な性格ですが、家族以外の人や動物に対しては、とても警戒心が強く、縄張り意識が強いので、攻撃的になることがあります。逆に言うと、いざという時が来たら、飼い主さんを守るため、勇敢に向かっていく性質を持ち合わせているため、番犬に適しています。

ケリー・ブルー・テリアは、とても賢く聡明で、学習能力も高いのですが、独立心が強く、頑固な一面もありますので、きちんとした上下関係を作り、しつけをしていかないと軽く見られることもあります。

また、テリア特有の気の荒さも持ち合わせていますので、しつけと称して、暴力を振るったり、罵声を浴びせていると、飼い主さんに対して不信感を抱き、攻撃的になることがあります。叱る時は叱り、褒める時は褒め、メリハリを付けながら上手にトレーニングをしていきましょう。

「青い悪魔」とも呼ばれたケリー・ブルー・テリアの気質

前述の通り、ケリー・ブルー・テリアは「ブルーデビル」「青い悪魔」とも言わしめた程の、激しい気性を持った犬種です。テリア種は一体に気が強い犬種が多いですが、中でも抜きん出てケリー・ブルー・テリアは気性が激しく、闘争心の強い犬種でもあります。

こうした気質を持つため、一時期は人気のない犬種にまで落ち込んでしまいましたが、あくまでもペットとして飼育する上では気性が激しすぎるというだけで、そもそもの役割であった猟犬や護衛犬、番犬と言った能力に関しては非常に高く、こういった役割として飼育している方には大事にされてきた犬種でもあります。

実際に、ネット上でもケリー・ブルー・テリアの飼育やしつけに関して困っているという方もおり、いかにケリー・ブルー・テリアを家庭で飼育していくのに難しいかと言うのがわかります。

ケリー・ブルー・テリアの性格を把握して、しっかりと躾を

実際にケリー・ブルー・テリアを家庭犬として迎え入れる際には、しっかりと躾を入れることが大事になってきます。これは、小さければ小さいうちであるほど、良いでしょう。

ケリー・ブルー・テリアは長い年月をかけて、家庭犬として飼育しやすいように交配が重ねられてきました。しかしながら、やはり基本となっている気質はありますので、しっかりと迎え入れたケリー・ブルー・テリアの性格や気質を把握しておくことも大事です。

ドッグランなどに行くと、突然スイッチが入って、他の犬を咬んでしまうこともありますので、ケリー・ブルー・テリアを飼う際には、しっかりと躾を入れるようにし、性格や気質、スイッチの入るポイント等を把握しておくようにしましょう。

ケリー・ブルー・テリアの被毛


ケリー・ブルー・テリアの被毛は、テリア種には珍しい「シングルコート」で、下毛がないのが特徴です。保温の役割をする下毛がないので、一見モコモコしていて暖かいように見えますが、寒さにはあまり強くありません。

ケリー・ブルー・テリアの被毛のカラーは、生後1年半くらいまでは「ブラック」ですが、成犬になるにつれ徐々に綺麗な「ブルーグレー」になります。「ブラック」のままでいることは認められていません。

ケリー・ブルー・テリアは抜け毛が少ない?

ケリー・ブルー・テリアは、一見すると毛がモコモコとしているため、抜け毛があるように思われがちですが、実は抜け毛の少ない犬なのです。

ケリー・ブルー・テリアの換毛期は、他の犬種と比較するとほとんど換毛期がないくらいの量しか抜けないため、頻繁にムダ毛が出るという犬種ではありません。しかし、ケリー・ブルー・テリアの被毛は毛玉にはなりやすいため、こまめにブラッシングをする必要があります。

こうした毛玉を放おっておくと、皮膚病を引き起こす要因にもなりかねませんので、こまめにブラッシングをかけてあげるのが理想的と言えるでしょう。被毛のケアとしては難しくありませんが、毛玉にならないように、日頃から油断せずに被毛のチェックを行うようにしましょう。

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ケリー・ブルー・テリアがかかりやすい病気

【股関節形成不全】
股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす骨の病気です。
肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

【眼瞼内反症】
下瞼が内側に反り返ってしまう状態のことで、要は逆さまつ毛のことです。軽度の場合は、下まつ毛を抜くことで治まりますが、重度の場合は瞼の整形手術を行います。
日頃から目ヤニや涙が出ていないかなど、目のチェックは欠かさず行いましょう。

【進行性神経疾患(小脳アビオトロフィー)】
ケリー・ブルー・テリア特有の疾患で、身体の神経が少しずつ蝕まれて、次第に全身の機能が衰えていく神経系の病気です。原因は、ウィルス感染や脳内出血などが考えられますが、未だはっきりしていないため、決定的な治療法がありません。
経過観察をしてて治る子もいれば、手術をしても改善されずに進行してしまう子もいます。

ケリー・ブルー・テリアのブリーダー

ケリー・ブルー・テリアは、比較的希少犬の部類に入る犬種ですので、ペットショップなどで見かけることはほぼ無いと言って良いでしょう。そのため、ケリー・ブルー・テリアを迎え入れる際には、主にブリーダーからの直販がメインとなります。

とはいえ、ケリー・ブルー・テリアを繁殖しているブリーダーも少なく、日本でも数えるほどしかケリー・ブルー・テリアの繁殖を行っていません。調べた所によると、主に関西・近畿地方、中部・東海地方に集中しているようですが、その他の地域ではケリー・ブルー・テリアを繁殖しているブリーダーが存在していないようです。

非常に希少な犬種ではありますので、ペットショップなどで迎え入れるよりも、ブリーダーからしっかりと迎え入れ、ケリー・ブルー・テリアについての飼い方等をしっかりと確認するのがベストかもしれません。

ケリー・ブルー・テリアの販売価格

ケリー・ブルー・テリアは前述の通り、希少な犬種ではありますので、ペットショップなどでディスカウントされる犬種ではありません。ですので、主に迎え入れるのはブリーダーからと言うことになりますが、相場価格としてはおおよそ25万円前後といったところです。

また、ケリー・ブルー・テリアを迎え入れる際にも、しっかりと環境を整えてあげることが大事になってくるでしょう。そして、実際に迎え入れた際には、しつけ教室に入れることも考えてみても良いかもしれません。

ケリー・ブルー・テリアは前述の通り、比較的気の強い犬種です。そのため、しっかりとしつけを入れることが出来なければ、問題児になってしまう恐れもあるのです。そのため、ケリー・ブルー・テリアを迎え入れる予算に加え、こうしたしつけ教室に通う事も想定して、予算を組んでいったほうが良いでしょう。

ケリー・ブルー・テリアと暮らすために

ケリー・ブルー・テリアは、多めの運動量が必要になりますので、1日2回くらい、30~1時間くらいの長めの散歩の他にも、ドッグランなど足場の良いところでの自由運動をしたり、ゲームをして遊ぶなど、頭や体を刺激するような運動を取り入れると良いでしょう。

この犬種は、運動欲求を満たしてあげないと、ストレスが溜まって、吠える、噛む、物を壊すなど、犬特有の問題行動を引き起こすことがありますので注意が必要です。

そして、狩猟本能の気質を持ち、「ブルーの命知らず」とも呼ばれていたほどで、怖い物知らずで、闘争心が強く、散歩やドッグランなどで他の犬とケンカになることもあります。また、小動物など自分より小さい動物を追っかけることもありますので、リードを離さないように注意しましょう。

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