犬を飼い始めようと考えたとき、小型犬にしようか中型犬にしようか、思い切って大型犬にしようかと迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。今回は、中型犬を飼うにあたって、利点や気を付けなければならないことを考えてみたいと思います。

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中型犬とは

中型犬とは、明確な基準が定められているわけではありませんが、成犬になった時の体のサイズが、体重10kg以上25kg未満で、体高35~50cmほどの犬が中型犬とされています。

昔ながらの「犬」として犬小屋で飼育されるのではなく、日本の狭い住宅事情でも適しているため、今は室内で飼育されていることが多く、家族の一員として育てられている傾向が強いようです。
それでは、今でも根強い人気がある中型犬について考えてみましょう。

ちょうど良い大きさ

すぐ骨折してしまいそうな超小型犬や、目の前に立ちはだかるとテレビもまともに見られなくなる大型犬に比べると、扱いも楽で、日本の狭い住宅事情でも邪魔にならず、ちょうど良い大きさなのが中型犬です。小さい子供がいると尚更、超小型犬や小型犬を飼育した場合、ケガをさせることもあるかもしれませんし、大型犬の場合は間違って突き飛ばされると、ケガをしてしまうこともあるかもしれません。中型犬であれば、多少乱暴に扱っても大事には至らないでしょう。

大型犬に比べると、寿命が長い

中型犬の寿命は、ケガや病気などの疾患がない場合、約10~15歳と言われています。昔のように犬小屋で外飼いをしていた頃の寿命と比べても、今は室内で飼育されている子が多いため、ちょっとした愛犬の変化に飼い主さんが気付きやすくなったということも、寿命が延びた原因の一つではないでしょうか。

しかし、大型犬の場合は、比較的に寿命が短く、ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーで10~12年、バーニーズ・マウンテンドッグで8年、セント・バーナードが最も短く5年と言われています。これは、大型犬は体の大きさの割に心臓や肺が小さく、常に酸素が体内に行き渡らない酸欠状態気味の体になっているため、これが寿命を短くしている原因だと考えられています。

小型犬・中型犬・大型犬の飼育費用は?

犬を飼育するということは、様々な飼育費用がかかります。例えば、ペットフードやおやつなどの食費、ペットシーツなどの消耗品やおもちゃなどの生活用品、更には混合ワクチンや狂犬病やフィラリアなどの医療費などがあり、犬が生活していくにはお金がかかるものです。

小型犬と中型犬と大型犬の飼育費用をザッと計算した結果、小型犬は年間13万円、中型犬は年間15万円かかるのに対し、大型犬は年間20万円を超えます。ただし、これはケガや病気などの病院代やトリミング代は含まれていませんので、必要な場合は別途かかります。

小型犬と中型犬と大型犬の飼育費用の違いは、ペットフードなどの食費が大きく差を作ってしまったようです。確かに、体が大きければ必然的に食費も嵩んでしまいますよね。

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毎日の散歩は必須

中型犬の運動量は、家の中での運動量で足りるような超小型犬や小型犬と違って、それなりの運動量が必要になるため、散歩へ行ける時間がほとんど無い方は、中型犬の飼育は控えた方が良いかもしれません。基本的には、毎日1時間程度の散歩が必要となり、散歩へ連れ出せない状態が続くと、噛んだり吠えたりなどの問題行動を起こすこともありますので注意しましょう。

中型犬がかかりやすい病気

【膝蓋骨脱臼】
この病気は、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる病気です。小型犬に多い病気ですが、中型犬にも見られる病気です。

最初のうちは気付かない場合も多く、放置していると、どんどん悪化していきます。愛犬が散歩中スキップしたり、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号です。
膝蓋骨脱臼を予防するためには、まず膝に負担をかけないことです。フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷きましょう。

【股関節形成不全】
股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気で、大型犬に多く見られる病気ですが、中型犬にも発症しやすい病気と言われています。
また、肥満体型は股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

【椎間板ヘルニア】
ビーグルやウェルシュ・コーギーなどに発症することが多く、これらの犬種は軟骨異栄養症性(遺伝的に、軟骨の形成不全で骨が発育されなかったことにより、骨が短くなる病気)という性質を持つため、激しい運動や肥満により、背骨に負担がかかり、椎間板が損傷しやすいと言われています。また、重症になると神経麻痺が起こり、下半身不随になることもあります。

さいごに

犬を飼い始めるということは、今後10~15年間生活を共にしていくということです。見た目が可愛いというだけで選ばず、飼い主さんのライフスタイルによって選ぶのが良いでしょう。例えば、散歩へ行ける環境ではないのに大型犬を飼うことはお勧めしないですし、暴れん坊の小さい子供がいる家庭で、チワワのような超小型犬を飼うよりも、中型犬くらいの方が安心して飼育できるのではないでしょうか。

また、大型犬だから飼いにくく、小型犬だから飼いやすいということもありません。実際にゴールデン・レトリバーと柴犬のどちらが飼いやすいかと聞かれると、日本犬気質が強くて飼い主さん以外慣れにくい柴犬よりも、性格が温和で優しく、人や犬に対して友好的なゴールデン・レトリバーの方が、初心者の方には飼いやすいかもしれません。これはあくまで一般論ですけどね。

他にも、小型犬は飼いやすいと言われていますが、ジャックラッセル・テリアやワイヤー・フォックス・テリアのようなテリア犬はテリア気質が強く、興奮すると手が付けられない子も多いので、初心者の方の飼育にはあまりお勧めしません。

このように、犬を選ぶ際は、サイズだけでなく、その犬種が持つ習性を知って理解し、それを踏まえた上で犬を迎えることを検討した方が良いでしょう。どんなサイズの犬を飼い始めたとしても、結局は家族となればどの子も可愛く思えると思いますけどね。

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