犬の皮膚病のひとつの「疥癬」。この疥癬は、1年を通じて発症する可能性も高く、また、感染してしまうことで、ひどいかゆみに襲われ、フケや化膿に苦しめられる事になります。今回はこの疥癬について解説していきたいと思います。
「疥癬(かいせん)」とは?
人にも皮膚の病気や疾患があるように、犬にも皮膚の病気は存在します。皮膚病には、痒みを伴うものもあれば、痛みも伴うものもありますが、人同様に見た目も痛々しくなってしまい、カサカサになるものや、ジュクジュクした状態になったりと、様々な症状が見られます。
そんな犬の皮膚病の中でも、特に厄介な皮膚病である「疥癬」。この疥癬という病気は、「ヒゼンダニ」というダニに寄生されてしまうことで発症する皮膚病です。年間を通して疥癬を発症するリスクがありますので、年間を通じてヒゼンダニに寄生されないよう気を使わなくてはいけません。
疥癬は、体全体に広がっていく皮膚病ですが、耳に「ミミヒゼンダニ」というダニが寄生することで発症する「耳疥癬」という病気も存在します。この疥癬を発症することで、激しいかゆみが起こり、やがてかきすぎてしまったために患部が傷だらけになり、フケが出たり皮膚がかぶれたりといった症状が出てきます。
また、気をつけなければいけないのが、疥癬に感染するリスクはどこにでもあり、同じ犬同士はもちろん、人間にも感染してしまう場合があるのです。
飼い犬も飼い主も悩まされる皮膚病なので、しっかりと内容を理解し、予防に努めることが大事になってくるでしょう。では、具体的な対処法について見てみましょう。
疥癬の症状について
前述のとおり、疥癬を発症すると、激しいかゆみに襲われます。そのため、疥癬の患部をかきむしるようになってしまい、次第に患部が傷ついていきます。この患部が今度はかさぶたの状態になり、次第にフケが混ざったり、脱毛が激しくなっていってしまいます。
かさぶたになって、またかきむしったりと繰り返してしまうために、患部も化膿してしまい、こうした症状を重ねていくことで、犬の体は傷だらけになり、ところどころに脱毛が目立つようになり、フケや発疹が増え、皮膚がただれて荒れてしまうのです。
疥癬の原因について
疥癬の原因となるヒゼンダニ。体長が約0.3mながら、放おっておくとその症状は悪化の一途をたどります。このヒゼンダニに寄生されてしまう原因には、様々な要因が考えられます。
例えば、動物病院に行って、疥癬に感染している他の犬と接触した場合にも移りますし、疥癬に感染している他の犬が使用した、道具やタオルなどを利用することでも、寄生されてしまうでしょう。
また、私達も媒介する恐れがあります。私達が、疥癬に感染している犬に触れることで、私達も疥癬になってしまい、また、飼い犬も疥癬になるリスクが非常に高くなります。
このように、ヒゼンダニは宿主となる犬から他の場所へ移動しても、数時間は生存することが可能なため、道具や他のものへと移動し、新しい宿主へと寄生することができるのです。また、寄生後2週間〜6週間程度は潜伏期間となり、この間は無症状である場合もあります。
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疥癬の治療法について
疥癬を発症してしまった場合、内服薬や塗り薬による治療が行われます。また、薬剤を溶かした湯で半身浴をさせたりと言った療法もあります。
「イベルメクチン」という薬を使用して治療を施す場合もありますが、一部の犬種では副作用を引き起こす場合があるため、動物病院としっかりと相談した上で治療を行う必要があるでしょう。同時に、フィラリアに感染している犬に対しても、使用することはできません。
非常に厄介な皮膚病と触れましたが、疥癬を完治させるまでには、持続的に投薬等の治療を施していきながら、約1ヶ月〜1ヶ月半程度の期間を要します。また、この間には他に感染を広げないためにも、十分に気をつけて生活をしていかなければいけなくなるのです。
疥癬にならないために
このように、一度発症してしまうと、本当に長い期間悩まされてしまう疥癬という病気。疥癬を予防するには、日常生活を送る上で、常に清潔な環境を持続する必要があるでしょう。また、しっかりと殺菌・駆虫をするなどし、疥癬が繁殖しないような状況を作ることが大事になります。
そして、できるだけ他の犬が使用したブラシやタオルといった道具も、使いまわさないような配慮も必要です。同居している犬がいる場合も、潜伏期間があるために無症状である場合があります。1頭でも不安がある場合には、同居犬も寄生されている可能性が高いので、もし検査をするのならば、全頭検査する必要があります。
部屋や飼育環境を清潔に保つことは、基本的な事ではありますが、いつどのようにして感染してくるかはわかりません。常にこうした病気に気を配るようにし、清潔な環境を持続するようにしましょう。
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