美しいチョコレート色の被毛と、綺麗なグリーンの瞳を持つ猫「ハバナ」。ハバナはイギリスとアメリカでは異なる体格がスタンダードとして認められていますが、どのような理由からこうなっていったのでしょうか。今回はハバナについて調べてみました。

スポンサーリンク

「ハバナ」の原産国は?

美しく艶のあるチョコレート色の被毛と、綺麗な緑色の瞳をもつ猫「ハバナ」。ハバナと聞くと、キューバの首都ハバナを連想しますが、ハバナの原産国はキューバではなく実はイギリス。ハバナの“ハバナ”とは、ハバナの姿がハバナ産のチョコレート色をした葉巻に似ていることから、ハバナという名前が付けられました。

ハバナの歴史

そんなハバナですが、当初は「スイス・マウンテンキャット」と呼ばれていた時代もありました。1890年、チョコレートポイントのシャムと、シャムの血を引く栗褐色の黒猫を交配させて誕生したのが、このスイス・マウンテンキャットでした。しかし、栗色の被毛と緑色の瞳を持つスイス・マウンテンキャットは、青い瞳を持つシャムを好むシャム愛好家たちからは不人気だったため、繁殖が行われない時代もあったそうです。

その後の1952年、イギリスの繁殖家たちがチョコレートポイントやシールポイントのシャムと、黒猫やロシアンブルー等の猫を交配させることで、現在のハバナの原型ともなる、チョコレート色をした「チェスナットブラウンフォーリン」という猫を作り出します。このチェスナットブラウンフォーリンは、イギリスの猫血統証団体「GCCF(The Governing Council of the Cat Fancy)」にも公認されました。

アメリカへ渡ったハバナ

チェスナットブラウンフォーリンはその後、アメリカへと輸入されるようになり、アメリカでも繁殖が始まります。ところが、アメリカで繁殖されていったチェスナットブラウンフォーリンは、徐々にセミフォーリンタイプへと寄せて繁殖されていきました。

これには、イギリスとアメリカの猫の好みが関係しており、スリムな体型をした「オリエンタルタイプ」を好むイギリスに対し、アメリカではがっちりとした体格の「セミフォーリンタイプ」が好まれていた事が関係しています。

1964年、アメリカの血統登録団体「CFA」はこの猫を「ハバナ・ブラウン」として登録、しかし当時のハバナ・ブラウンの頭数が少なかったために、遺伝子の多様化を図り、ロシアンブルーなどの品種も交配させることで、チョコレート色ではなくライラック色のハバナも生まれていたため、1980年台に入るとハバナ・ブラウンではなく「ハバナ」が正式名称として変更されます。

1970年にはイギリスでもチェスナットブラウンフォーリンではなく、ハバナの名称に変わっていますが、ハバナのスタンダードもイギリスとアメリカでは異なるものとなっています。また、ハバナは現在においても頭数は少なく、2011年では1,000頭程度の登録に留まっております。

スポンサードリンク

ハバナの特徴について

ハバナの特徴となるのは、チョコレート色の被毛、面長の顔、グリーンの瞳が挙げられますが、これらの特徴にはシャムが繁殖に使われていたことから、いくつかの点においてシャムの特徴と似たものがあります。

大きな耳や卵型の目もシャム譲りのもので、性格もまたシャム譲りの賢さや人懐っこい部分を受け継いでいます。こうした性格から、他の動物や子供の居る家庭でもハバナは上手に立ち回り、飼い主に対しても従順に従うような性格を持ちます。また、性格も明るく、活発に遊ぶことを好みます。

非常に頭も良いと言われており、芸を覚えることができたりする個体もいる反面、非常に甘えん坊な一面もありますので、嫉妬やいじけてしまうと頭の良さから、わがままな性格にもなりかねません。ハバナを飼育する際には、ハバナがこうなってしまわないよう、しっかりと愛情を注いで育てるようにしましょう。

イギリスとアメリカの違い

前述の通り、ハバナのスタンダードはイギリスとアメリカでは異なるものとなっています。特徴的なのがその体格ですが、頭部や目の位置等においても違いが別れています。

アメリカのハバナは、しっかりとした体型のセミフォーリンタイプ、頭部はゆるやかなV字型、鼻の付け根が目の下から始まっているのに対し、イギリスのハバナは、細身のオリエンタルタイプ、頭部はくっきりとしたV字型で、鼻の付け根は目と目の間から始まっています。

ハバナの気をつけたい病気

短毛種であるハバナ。毛球症対策として、1日1回のブラッシングは行うようにしましょう。また、活発な猫種でもあるので、運動不足やストレスの原因にもなるため、家の中では十分に運動ができるようキャットタワーを置いたり、1日1回は遊ぶ時間を設けるようにしましょう。

また、遺伝的にシャムの血を引いているので、シャムの持つ遺伝疾患には注意が必要となります。呼吸器系、尿路疾患系に問題を抱えているハバナも居るようですが、まだまだ個体数の少ない品種であるために、遺伝的な疾患があるかは判明していないのが実状です。

スポンサーリンク