下痢をする事が多いフェレット。遊び好きな反面、ナイーブな面もあるので、ちょっとした事でも下痢をしてしまうことも。しかし、中には病気によって下痢を引き起こしている場合もあります。今回はフェレットが下痢をした場合の原因と病気について解説します。

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フェレットが下痢をしている場合


比較的、フェレットは下痢をしやすい動物です。いつもよりも糞が柔らかい〜下痢をしている場合には、前日や数時間前のフェレットの行動を振り返ってみましょう。

例えば、水を多く飲みすぎていないか、ご飯やおやつを多く食べすぎていないかなどです。水を飲みすぎていたのであれば、単純に糞の水分量が多いことがわかりますし、食べすぎていたのであれば、消化が追いついておらず、下痢となってしまっている事がわかります。この場合では、フェレットフードを突然違うものに変えた場合にも、こうして下痢をしてしまう子も居ます。

また、フェレットの性格はどうでしょうか。神経質な性格の子であれば、前日にお出かけをしていた、または出先であった場合に下痢をしてしまう可能性もあります。ナイーブな性格のフェレットは、このようにちょっとした変化があった場合にも、下痢をしてしまう場合もあります。

病気が疑われる下痢とは

上記に挙げたような様子が思い当たらない場合には、病気を疑ってみましょう。病気を患っているために下痢をしてしまう場合には、通常の糞・下痢の臭いとはまた別の、より悪臭が強い下痢をする場合が多いです。

下痢のタイプも幾つかに別れ、完全な水下痢の場合や、粘膜が混ざった下痢、赤い鮮血が混ざった下痢、緑色〜黒っぽいドロドロした下痢といったように様々です。しかし、これらの下痢をしている場合には、何かしらの病気を発症している可能性が高いです。

子供のフェレットに多い「コクシジウム症」

犬やうさぎにも存在する「コクシジウム症」という病気。コクシジウム症は「コクシジウム」と呼ばれる寄生虫に感染することで下痢等の症状を引き起こしてしまう病気です。

また、コクシジウム症は比較的まだ抵抗力の弱い子供のフェレットが発症する病気としても知られます。

場合によってはコクシジウム症の症状が悪化してしまい、免疫力が低下してしまったことで様々な病気を引き起こしてしまったり、症状が重篤になってしまうことで命を落としてしまう場合もある、恐ろしい感染症でもあります。

大人のフェレットではある程度の抵抗力・免疫力がついてきているため、無症状である場合や、症状を発症しても少し軟便になる程度で気がつかない程度の軽症状で済む事がほとんどでしょう。

「コクシジウム」とは?

寄生虫であるコクシジウムは、主に不衛生な環境や、外を散歩等させている時に感染する可能性が高い感染症です。

というのも、コクシジウムはフェレットに限らず犬や猫、うさぎといったペットとして飼育される動物や家畜全般に寄生します。コクシジウムは目に見える大きさの寄生虫ではありませんので、自然環境下でも当然ながら見つけることができません。

フェレットであれば、ある程度大人になってから散歩をする機会もあると思いますが、この散歩中にコクシジウムに寄生される可能性は高いわけです。

ただし、子供のフェレットであれば外に出す機会もほぼ無いと思いますので、家に連れてきたばかりのフェレットがコクシジウム症に感染している場合には、販売先などからの感染が疑われるでしょう。

コクシジウム症の症状と治療


コクシジウム症を発症すると、主な症状として下痢を引き起こしますが、状態が悪化してくると、嘔吐や元気の減退といった症状も見られるようになります。さらに下痢を繰り返すために、徐々に脱水症状を引き起こしてしまい、さらにこの状態を放おっておくと命の危険にも関わってきます。

万が一、コクシジウム症を発症した場合には、すぐに動物病院にいくようにしましょう。また、注意しなければならないのが同居している動物がいる場合です。

可能な限りフェレットは隔離し、他の動物や同居フェレットに感染が尋がならいようにしなければなりません。また逆に、同居フェレットや動物からコクシジウム症が感染した可能性も検討しましょう。

コクシジウム症は通常であれば、1〜2週間の投薬治療で完治しますので、2次感染を防ぐためにも、飼育環境を綺麗にするなどの対策が必要となります。

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フェレットに多く見られる病気の可能性も

3〜4歳の大人のフェレットに多く発症が見られる病気の症状でも、下痢の症状は見られます。

「インスリノーマ」や「毛球症」といった病気が、フェレットに好発する病気で知られますが、インスリノーマを発症した場合には、他の症状に合わせて常時、下痢をするようになります。

インスリノーマとは、膵臓に腫瘍ができてしまう病気で、場合によっては命にかかわる恐ろしい病気です。インスリノーマは主にインスリンの分泌に悪影響を及ぼしてしまう病気で、インスリンの異常分泌を引き起こしてしまいます。

インスリンが関係する病気には「糖尿病」が多く知られますが、糖尿病はインスリノーマと反対に、インスリンの分泌量が減少してしまう病気です。

インスリノーマの症状と治療

インスリノーマの症状としては下痢の他、ふらついていたりよだれを流すと言った様子が見られるようになります。また、しきりに口元を掻く様子が見られたり、歩いてもふらついてしまったり、視線が定まらないままボーッとした様子も見られるようになります。

インスリノーマであった場合では、長期的な介助が必要になります。基本的にインスリノーマの診断・治療は動物病院で行われますが、インスリンの分泌量を常にコントロールする必要がありますので、そのほとんどの期間は自宅での治療となります。

具体的にはステロイドを経口投与したり、食事の管理を行うなど、飼い主さんが自宅内で介護する必要があります。さらに、その殆どは悪性である場合が多く、症状を落ち着かせても完治させることはできない病気でもあります。

嘔吐や下痢を伴う毛球症


フェレットが毛球症である場合には、嘔吐や黒っぽい下痢をするようになり、食欲なども低下していきます。

毛球症とはフェレットが自分の体を毛づくろいしている時に、毛づくろいと一緒に毛を飲み込み続けてしまうことで引き起こされる病気です。少量であればそのまま排泄されていきますが、飲み込む毛の量が多いと胃の中で毛玉になってしまい、排泄も吐き出すこともできなくなってしまう症状です。

毛玉のサイズが大きくなってくると、胃や腸を塞いでしまうことになってしまい、吐き出すことも排泄することもできないために嘔吐や下痢を引き起こしてしまうのです。こうなると動物病院で開腹手術を行わなければなりません。

毛球症を防ぐには、日頃から毛を排泄させるためのケアを行う必要があります。

異物や食べてはいけないものを食べてしまった

とてもやんちゃな動物で、遊ぶことが大好きなフェレットですが、この性格が災いして、体内にダメージを受ける場合もあります。具体的には、自宅内での「事故」ですが、何気なく置いていた観葉植物や食べ物を、フェレットが口にしてしまうことでも下痢を引き起こし、口にしてしまう物によっては命の危険もあるでしょう。

また、床に落ちているゴミや小銭などを食べてしまい、腸に詰まりを起こしてしまったために下痢をしてしまうなんてこともあるのです。

フェレットは居間などで遊ばせる場合には、こうした細かい点にも注意するようにし、フェレットが誤って食べてしまうものが置かれていないか、十分に注意してから遊ばせるようにしましょう。

熱中症も下痢の症状が見られます

コクシジウム症やインスリノーマ、毛球症といった病気の他にも、下痢を伴う好発の病気は存在しますが、いずれの場合も病院にすぐいって診察を受けたほうがよさそうです。

フェレットが下痢を引き起こしてしまう要因には、こうした病気のほか異物を飲み込んでしまったり、なれない食べ物を食べてしまったりというケースが多いです。疑うべきは、まずは日頃から変わったものを口にしていなかったか、フードを切り替えたばかりではないかなど、飼育環境を今一度見直してみましょう。

また、季節によっては熱中症を引き起こしている事も考えられます。熱中症を引き起こしてしまうと元気の減退や嘔吐、下痢などの症状が見られるようになり、重篤な状態になると命にかかわる場合もありますので注意が必要です。

まとめ

フェレットが下痢をしてしまっている場合には、まずは落ち着いて状況判断するようにしましょう。場合によっては、便を病院に持込み、検査してもらう場合もありますので、汚れ内容に片付け、まずはフェレットが下痢をしてしまう原因を考えてみましょう。

もちろん、下痢以外の症状を引き起こしている場合には、すぐに動物病院にいく必要がありますが、ちょっとした事でも下痢をしてしまうフェレットですので、まずはフェレットの様子と、それまでの行動について落ち着いて考えてみましょう。

こうしても見当がつかない場合や、明らかに病気が疑われる場合には、動物病院で診察するようにし、また、原因が何か分からないにしても、一度ケージや使用していたハンモック等を丸洗いしておいたほうが良いでしょう。

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