遊ぶことが大好きで、一見病気とは無塩にも思えるフェレットですが、フェレットにも好発する病気というのは存在します。今回は、フェレットが比較的発症しやすい病気と、知っておくべき病気に対してのワクチン接種について解説していきます。

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4歳〜に好発する「副腎腫瘍」

フェレットに多い病気の一つに「副腎腫瘍」と呼ばれる病気があります。副腎腫瘍の症状は、オスとメスで変わってきます。オスが副腎腫瘍を発症した場合には、前立腺が肥大してしまい、尿が出にくくなるといった症状が現れます。また、メスが副腎腫瘍を発症した場合には、外陰部が肥大してしまい腫瘍化していきます。

こうした症状は、副腎腫瘍を患うことによって、腎臓の直ぐ側にある左右の副腎が腫瘍化してしまうことで引き起こされてしまいます。こうした陰部の腫瘍化・肥大化の他にも、脱毛症状や体臭が強くなる、性格がきつくなるといった症状が見られるようになります。また、状態を放置しておくと最悪の場合、死に至る事も珍しくありません。

副腎に影響が出ることで、ホルモンバランスが崩れてしまう為にこうした症状が現れるのですが、副腎腫瘍の治療に関しては、ホルモンバランスを安定させるための内科的治療を行い、症状が緩和・改善しないようであれば、外科手術を行い、患部を摘出しなければいけなくなります。

4歳以降のフェレットに多く見られる病気で、その数も約半数近いとも言われています。副腎腫瘍を早期発見・早期治療するためにも、脱毛の症状が見られ始めたら、病院に診察にいくことをおすすめします。また、他の病気の早期発見にも繋がりますので、定期的な検診を行うとより良いでしょう。少なくとも、3歳〜4歳になった時には、一度は健康診断を行うようにした方が、その後も安心でしょう。

フェレットに多く見られる病気「インスリノーマ」

フェレットの元気がなかったり、後ろ脚に力が入っていなかったり、口の周りをひっかくような様子が見られることは無いでしょうか。こうした様子が見られる場合には、フェレットが「インスリノーマ」という病気を発症している疑いがあります。

インスリノーマとは、膵臓にできる腫瘍の病気で、フェレットのホルモンバランスが崩れる病気です。具体的には、糖尿病などで知られるホルモンの一種「インスリン」が過剰に分泌されることで、血糖値が低下してしまい、上記に挙げたような症状を発症するのです。
また、ふらついたり、ボウっとしていたり、ヨダレを垂らすなどの様子も見られるでしょう。症状が重症化することで、痙攣や昏睡状態に陥るといった症状も引き起こしてしまいます。

インスリノーマを完治させることは難しいため、外科手術によって病変の摘出を行っても再発する場合が多く、内科的治療で投薬治療を行い症状の緩和・抑制を行う治療がメインとなるでしょう。しかし、こうした治療は生涯続ける必要があり、他にもインスリンの分泌を抑えるための食事療法なども併用して行う必要があります。

3歳〜4歳のフェレットに多く見られる病気で、上記に挙げたような症状が見られた場合にはすぐに病院に診察しにいくことをお奨めします。また、低血糖状態にあるため、蜂蜜などを舐めさせる応急処置を施すと良いでしょう。

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致死率100%の「ジステンパー」

フェレットを飼う際に、必ず知っておかなければいけない病気の一つでもある「ジステンパー」。フェレットを子供の頃に迎え入れた方なら、販売員からの説明もあったかとおもいますが、子供のフェレットではこのジステンパーを予防するためのワクチンを、接種しているはずです。また、成長した後でも、年に一回は予防接種を行うことをおすすめします。

このジステンパーという病気。犬にも発生する病気で、犬はもちろん、猫やフェレットにも感染し、また致死率もかなり高い病気です。フェレットが感染した場合、ほぼ100%の確率で命を落とす結果となるでしょう。そのため、フェレットだけを飼育している場合も注意が必要ですが、犬や猫なども飼育している場合には、さらなる注意が必要になるでしょう。

ジステンパーは、ジステンパーウイルスと呼ばれるウイルスに感染することで発症します。このジステンパーウイルスに感染すると、初期症状では食欲の減退や元気の減退、発熱、咳といった症状が現れます。

また、下痢や嘔吐といった症状も見られるでしょう。症状が重篤化していくと、やがては神経系へと進行し、麻痺や痙攣といった症状を引き起こします。また、てんかんの症状も現れはじめ、こうした症状が現れている際に2次感染を引き起こし、肺炎などの病気も併発してしまいます。また、状態によっては死に至る場合もあるでしょう。

ジステンパーウイルスの症状とは

犬ジステンパーウイルス感染症の原因となるのは、「犬ジステンパーウイルス」というウイルスに感染してしまうことで発症します。感染している犬などの、唾液や排泄物、目やに、鼻水などを未感染犬が口にしてしまうことで、感染が成立します。また、咳やくしゃみなどでも、周辺にジステンパーウイルスが飛散してしまい、これらを吸い込んでしまった場合においても感染が成立してしまいます。

残念がら、ジステンパーウイルスに対する治療薬は存在しません。そのため、年に一回のワクチン接種が非常に重要な事なのです。フェレットを外に出す機会がないから大丈夫と、油断してはいけません。犬にもジステンパーのワクチン接種が存在し、普通であれば予防接種を毎年、受けているはずですが、中には予防接種を受けていない場合もあります。こうした犬などがジステンパーに感染し、フェレットの飼い主がその感染犬などに触れ合うだけでも、フェレットへの感染リスクは高まるのです。

こうした病気にいつ感染するかはわかりません。出歩く機会がないから、うちの子は大丈夫だからと油断してはいけません。年に一回の予防接種です。発症してからでは遅いので、忘れずに予防接種を受けるようにしましょう。

まとめ

フェレットは犬や猫よりも体が小さいため、私達が思っているよりも症状が進行している事もあり、ちょっとした病気のサインも見逃せません。普段の生活から、飼育しているフェレットの行動や癖などを見極められるようにし、ちょっとした変化に気がつけるようにしたいですね。

また、フェレットが健康であっても、フェレットを診ることができる動物病院も探しておくべきです。いざという時に、しっかりと診察してもらえる動物病院がなければ、最悪の場合、たらいまわしにされる可能性もあるからです。行きつけの動物病院を見つけるようにし、気軽に健康診断をしに行ったりすることも、病気を未然に防ぐことにもなりますので、日頃から油断せずに、フェレットの体調管理を行うようにしましょう。

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