犬の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、犬を飼う上では犬種別に特徴を理解することが必要になります。今回は「エアデール・テリア」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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エアデール・テリアとは

エアデール・テリアは、テリア種の中では一番大きい犬種で知られており、「テリアの王様」と呼ばれています。また、ディズニー映画「わんわん物語」のキャラクターである「トランプ」のモデルは、エアデール・テリアであることは有名な話ですよね。

元々、カワウソ猟として使用されていたエアデール・テリアですが、第一次世界大戦中、イギリスやドイツでは、危険な戦火で伝令犬として従事していたこともありました。また、イギリスでは、警察犬として最も早く選ばれた犬種が、エアデール・テリアであると言われています。

エアデール・テリアのルーツ


エアデール・テリアは、イギリスのヨークシャー州にあるエア渓谷(エアデール)で、19世紀後半に作られた、比較的新しい犬種です。

この頃、カワウソ猟をするため、水辺での狩猟能力を高めた大型犬を作出しようと、「ブラック・アンド・タン・テリア」や「ブル・アンド・テリア」などのテリア種と、厚い毛皮を持ち、カワウソ猟が得意な大型犬、「オッター・ハウンド」を掛け合わせて作られたのがエアデール・テリアです。
この当時は、エアデール・テリアではなく、「ピングレー」「ウォーター・サイド・テリア」と呼ばれていました。

エアデール・テリアは、通常のテリア種より体が大きいので、小さな穴に潜り込んで、獲物を捕まえることは苦手でしたが、その他の仕事に対してはマルチな才能を持ち、狩猟は水中でも陸上でも何でもこなし、鳥猟から獰猛な猛獣に立ち向かう勇敢さも兼ね備えていました。

エアデール・テリアの性格

飼い主さんや家族に対して従順な性格のエアデール・テリアは、利口で忍耐強いところがあるので、しつけも入りやすいでしょう。また、穏やかな性格のオッター・ハウンドの血が入っているからか、テリア種の中では珍しく、寛容で温厚なところがあるので、子供とも仲良く接することができます。

また、エアデール・テリアは怖い物知らずで、とても勇敢な性格を持ちますので、不審者や見知らぬ人から、飼い主さんや家族を守ろうとするところもありますので、番犬としても本領を発揮するでしょう。

エアデール・テリアは、テリア種の中では比較的温厚ではありますが、やはりテリア犬。狩猟犬時代の名残からか、独立心が強いところがありますので、飼い主さんの指示が曖昧だったり、納得のいかない指示には従わないところがあります。

エアデール・テリアの大きさはどのくらい?

エアデール・テリアの大きさはオスで58cm〜61cm、メスは56cm〜59cm、体重に関してはオス・メスともに約20kgほどとされています。

前述したように、エアデール・テリアは狩猟犬としての仕事以外にも、軍用犬や警察犬としても活躍していた犬種ですので、筋肉質でしっかりとした体格をしています。日本では、昭和5年に軍用犬として飼育されていたこともあるようです。

しつけに関してもテリア気質が強いので、幼少期からしっかり服従訓練などのしつけをしないと体も大きいので、男性であっても手が負えなくなることがありますので、エアデール・テリアを家庭犬として飼育する際には、幼少期からのしっかりとしたしつけが必要になるでしょう。

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エアデール・テリアの被毛

エアデール・テリアは、粗く硬い「オーバーコート」と、密生している柔らかい「アンダーコート」の2種類の被毛からなる「ダブルコート」で、この被毛は、狩猟犬・水猟犬としても理想的な役割を果たします。

エアデール・テリアのトリミングは、「ストリッピング」といい、エアデール・テリア本来の硬い毛や色を保つためや、毛量を増やすために、頭や背中毛を完全に抜く方法があります。これは、オーバーコートを抜くことで毛質が良くなり、アンダーコートを抜くことで通気性も良くなり、皮膚にも良いとされています。

しかし、皮膚も赤くなり、見た目も痛々しく、トリミング費用も高額になるため、日本ではあまりストリッピングするエアデール・テリアは見かけないかもしれません。
一般的に飼育されてるエアデール・テリアのトリミングは、「クリッピング(バリカンで毛を刈られること)」されていることが多く、毛質が柔らかい子が多いようです。

また、エアデール・テリアの被毛は、「サドル」という特徴的なパターンを持ち、これは、馬に用いる「鞍」のように、背中の一部分が黒い被毛で覆われていることを言います。

エアデール・テリアは抜け毛が多い?

エアデール・テリアは、抜け毛があまり多くはありませんので、そこまで心配する必要はないでしょう。しかし、抜け毛が少ないからと言って、被毛のケアを行わなくても良いというわけではありません。最低限の被毛のケアは必要になってきます。

いくら抜け毛が少ないと言っても、全く抜けないというわけではありません。1日1回程度のブラッシングですと十分ではありますが、非常に活発な犬種であるため、どうしても汚れも付着しやすい事が言えます。こうした汚れも、ブラッシングを行うことで落とすことが可能になります。

抜け毛ケアも大事ですが、汚れ落としというイメージも持って、ブラッシングやタオルで拭いてあげるなどの被毛ケアを行うと、美しい被毛を維持することができるでしょう。

エアデール・テリアがかかりやすい病気

エアデール・テリアは、「臍ヘルニア(デベソ)」が多いと言われています。このデベソが小さければ問題ないのですが、デベソが大きい場合や、デベソを押しても引っ込まないような時は、手術が必要になります。

放置すると、ヘルニア部分に脂肪や大網(だいもう)、腸管の一部が入り込み、腸が閉塞したり、腸の血行が滞り、最悪の場合、ショック状態に陥ります。
嘔吐や腹痛、食欲不振、元気消失といった症状が見られる場合は要注意です。

また、エアデール・テリアは、「股関節形成不全」という骨の病気にも気を付けなければいけません。股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。
肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

エアデール・テリアの寿命は?

エアデール・テリアの寿命は、おおよそ11年から14年ほどと言われています。エアデール・テリアと言う犬種は活発な犬ですので、上記のような病気以外にも「胃捻転」に注意するようにしましょう。

エアデール・テリアのみならず、大型犬に多く見られる「胃捻転」は、胃の内容物が発酵し、発生したガスで胃がパンパンになり、その胃が捻転してしまう病気です。また、致死率も高い病気ですので油断は禁物です。

ついさっきまで元気にしていると思ったら、急にぐったりとするなど、早急に処置をしないと、最悪の場合死に至る病気です。

予防としては、食後しばらくは安静にさせることや、水のがぶ飲みは避けること、早食いさせない事など、十分に気を付けてあげましょう。活発な犬ほど、胃捻転を引き起こしやすいと言えるので、食後などは特に常に気にかけておくようにしましょう。

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エアデール・テリアのブリーダーは?

エアデールテリアは、ペットショップ等で見かける機会が少ない犬種の一つに入ります。また、エアデール・テリアを繁殖しているブリーダーも日本国内では少なめです。

実際にエアデール・テリアを迎え入れるとすると、ブリーダーからの直販で迎え入れるのがベストな選択と言えるでしょう。というのも、エアデール・テリアは飼育レベルとしては簡単な方ではないため、しっかりと飼育の仕方やエアデール・テリアについて詳しい方から迎え入れないと、いざ困ったときにも相談することができません。

もちろん、ペットショップなどでも全く手に入らない犬種ではありませんが、エアデール・テリアの飼育に関して詳しく応えられる方も稀ではあるでしょう。上記のような理由もあるため、ブリーダーからの迎え入れるのが良いかと思います。

エアデール・テリアの販売価格は?

エアデール・テリアの平均価格は、おおよそ15万円〜といったところです。高くとも30万を越える事は稀でしょう。また、先述のとおり、ペットショップなどでも扱う機会の少ない犬種ですので、ディスカウントされる事もほぼない犬種と言って良いでしょう。

半年以上など、月齢によっては価格も下がる事もありますが、10万円前後程と言ったところでしょうか。ブリーダー直販であっても、同じことが言えるでしょう。

エアデール・テリアを迎え入れる際には、エアデール・テリアの価格にこだわるよりも、しつけ教室やしっかりと飼育できる環境を整えることや、しっかりと飼育相談が行えるブリーダー、もしくはしつけ教室を探すに事に集中した方が良いでしょう。

エアデール・テリアと暮らすために

エアデール・テリアは、猟犬の気質から、かなりの運動量を必要とします。1日の散歩は最低でも2回、30分以上は必要となり、さらに散歩以外の運動も必要です。運動量が少ないと、ストレスが溜まり、吠える、噛む、物を壊すなど、犬特有の問題行動を引き起こすことがありますので、注意が必要です。

また、エアデール・テリアのように、独立心や自尊心が高い犬をしつける場合、手荒に接したり、力ずくで訓練をすると、神経質になったり、飼い主さんに対して反抗的になることがあります。

このような犬種は怒ってしつけるより、成功したことをオーバーに褒めてしつけた方が、俄然やる気が変わるでしょう。元々、知力が高く、学習意欲がある犬種なので、頭を使うトレーニングなどを取り入れると、喜んでこなすようになります。

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