年々夏が暑くなってきていますよね。犬を飼っている人は熱中症にならないか心配ではないでしょうか。
しかし犬の特徴などをよく知っておき、基本事項をしっかりおさえれば熱中症になるリスクを格段と減らせます。

また最近では犬が熱中症にならないための、便利グッズがたくさん売られています。

この記事では、犬の体温調節の仕組みなどについて解説しながら熱中症を対策するコツを解説します。

緊急搬送が年々増加。暑さは厳しくなっている

犬の暑さ対策日本の夏は年々厳しさを増しています。
環境省のガイドラインによると、今年は6月から熱中症の救急搬送が多かったようです。

緊急搬送人員は統計がはじまってから過去最高になっていて、死亡者数はなんと年間1000人超です。

また街中の暑さは日射や、風通し、葉っぱの有無などによって大きく変わるとでています。

犬は人よりも暑さに弱い?暑さに弱い犬はどれ?

犬の暑さ対策人間は暑いときに汗をたくさんかきますが、犬はあまり汗をかきません。
犬は体温調節が苦手で、体内に熱がこもりやすいのです。

そのため犬は人よりも暑い場所には注意しなければなりません。

ここでは犬が主にどうやって体温調整を行っているのかや、暑さに弱い犬種について解説します。

犬の体温調節の仕組み

犬は主に「パンティング」とアポクリン腺から流れる汗によって体温調節をしています。
人間のように目に見えるようなたくさんの汗はかきません。
いまから詳しくご説明します。

犬は主に呼吸で体温調節をしている

犬はあまり汗をかかないかわりに「パンティング」という呼吸を行って体温を調節しています。
パンティングとは口を大きく開けて浅く早く呼吸をすることです。

犬は浅く呼吸をすることで唾液を蒸発させて、熱を外に発散させています。
アニメや漫画でも犬が興奮するとよく「ハッハッハッ」と息を荒くしますよね。

よく見る呼吸法によって、汗をたくさんかかない代わりに体温を下げていたんですね。

犬はあまり汗をかかないって本当?

人や動物の汗腺は2種類あります。

エクリン腺

エクリン腺は犬は肉球部分のみですが、人間の全身にあります。

いわゆる「滝のように汗が流れる」というときはエクリン腺からでる汗のことをいいます。

エクリン腺の汗は無色無臭です。
「犬は汗をかかない」と言われるのは、エクリン腺の汗があまりでないからです。

アポクリン腺

アポクリン腺は人間でいうとワキや陰部、顔のTゾーンにあります。
体のにおいに関わる部分です。
犬には体全体にアポクリン腺があります。

犬に独特なにおいを感じるのは、アポクリン腺の影響が大きいです。
犬はエクリン腺が少ないので、目に見えるような汗はかきませんが実は体温調節は行われているのですよ。

しかし最近は猛暑もすごいので、しっかり犬にも暑さ対策をしていきましょう!

熱中症になりやすい犬は?

犬も人間と同じで暑さに強い犬もいれば、寒さのほうが向いている犬もいます。
ここでは特に暑さに弱い犬について解説します。

短頭種

短頭種とは頭蓋骨の長さに比べて鼻やのどが短い犬です。
パグやフレンチブルドッグ、シーズーなどがあげられます。

その構造から気道に問題がでたり、呼吸器系の疾患に弱いと言われています。
犬はパンディングで体温調節をしているので、暑さに弱いです。

幼犬

幼犬はまだまだ体が未熟なので体温調節が上手にできません。
あつさだけでなく温度差にも気をつけましょう。

小型犬が幼犬といわれるのは10~12ヶ月です。
中型犬が幼犬といわれるのは12ヶ月です。
大型犬が幼犬といわれるのは12~24ヶ月です。

シニア犬

シニア犬は若いころと比べて体温調節機能だけでなく体力も衰えています。
夏のお散歩には特に注意しましょう。
散歩が最後までできないときはカートを活用するのもおすすめします。

カートが熱くならないように、冷たいタオルや保冷剤を敷きましょう。

寒い地域で生まれた犬

極寒で有名な場所で生まれたシベリアンハスキーなどがあげられます。
また日本でいうと秋田犬や柴犬も寒さに強い犬で、北海道などで過ごしやすいと言われています。

室内・屋外・車内3つでポイトが違う!基本の暑さ対策

犬の暑さ対策犬は人間よりも体温調節が苦手な分、暑さに気遣ってあげなければいけません。
しかし焦らず基本的なことを行えば、熱中症になるリスクは格段に減ります。
まずは基本のおうちでのケア、お散歩中のケア、車中でのケアについてみていきましょう。

留守番するときは特に注意!室内での暑さ対策

部屋の中で犬を飼われている方はとても多いと思います。
飼い主が一緒にいるときは様子をみれるので安心ですが、留守の時は心配ですよね。
室内で気をつけるべきポイントをまとめてみました。

適温でエアコンをつけておく

留守にする場合はエアコンか扇風機をつけっぱなしにしておきましょう。
エアコンは大体27度に設定しておく方が多いようです。

犬種や犬の年齢によってもエアコンの温度を変えていきましょう。

直射日光や西日対策を行う

「室内でエアコンをつけておけば安心」と油断せずに、西日や直射日光も対策しましょう。

西日は日が傾くにつれて直接家の中に入ってきます。
体力も奪われるので対策をしておけば、より快適に過ごせます。

・UV加工がされたレースカーテンをつかう
・外付けのロールスクリーンを購入する
外付けのロールスクリーンはサッシメーカーなどで購入できます。
これをつけるとすだれのような効果がでます。

こまめに水分補給できる状態にしておく

飲み水は必ず切らさないようにしましょう。
また一度口につけた水は、温かい場所においておくと菌が繁殖します。
1日2回以上は交換しましょう。

そのほか衛生面に気をつける

お腹をこわさないようにドッグフードやウエットフードの出しっぱなしは避けましょう。

被毛をカットして短めにしておく

被毛を短くカットしておくことで犬が涼しく過ごせます。
またニオイケアや抜け毛のお掃除などのお手入れも楽になります。
こまめにケアしていきましょう。

最近はサマーカットも流行っています。
サマーカットとは、毛を短くすることです。
犬の地肌に風があたりやすくなり涼しくなります。

また地肌が見えやすくなるので汗疹などにも気が付きやすくなります。
人間でたとえるとスポーツ刈りやベリーショートが近いのではないでしょうか。

散歩中ドッグランでの熱中症を防ごう!屋外での暑さ対策

「暑いから散歩はしない!」となってしまうと犬にストレスが溜まってしまいますよね。
ここでは散歩に犬が熱中症にならないための対策についてご紹介します。

こまめな水分補給を心掛ける

犬の体は水分が70%以上といわれています。
水分不足になると脱水や熱中症をおこしてしまうだけでなく、便秘にもなってしまいます。
体重5キロの犬であれば250~300㎖の水をあげましょう。

散歩中は専用の給水ボトルを持ち歩きましょう。

ペット用の靴を履かせる

夏はアスファルトが大変熱くなっています。
犬用の靴を履かせるのも効果的です。

靴を買ったらいきなり履かせて散歩に行かせると犬も戸惑ってしまいます。
まずは室内や庭で練習して慣れてきてから使いましょう。

朝早い時間帯に散歩に行く

散歩は朝の早い時間帯か夕暮れどきにいきましょう。
朝だったら5:00~8:30あたりがおすすめです。

直射日光に体力を奪われることもなく
また、早起きは飼い主の健康にもいいですね。

ドライブするときに気をつけたい!車内での暑さ対策

夏は車内がとても暑くなってしまいますが、犬を乗せてお出かけしなければいけないときもありますよね。
犬は人間と違って「暑い」と言えないので、より注意しましょう。
ポイントをおさえたり、工夫したりすることで車内での熱中症を防げますよ。

乗せる場所を注意する

席によってはエアコンが当たりづらかったり、日が当たりやすかったりします。
以下のことに気をつけて犬を乗せましょう。

・後部座席やカーゴスペースをさける。

後ろの方はエアコンが当たりづらいことも多いので、注意しましょう。
また後ろに行けば行くほど運転席から遠く、見えずらいので犬の体調の変化にも気づきずらいです。

・直射日光を避ける
「直射日光が当たりっぱなし」ということがないように注意しましょう。
サンシェードを使ったり、犬用サンバイザーを使ったりして工夫してみてください。

保冷対策をする

エアコンだけだと車内の温度上昇を避けられない場合は、ハンディファンを使ったり保冷剤をタオルに巻いて犬用スペースに置くなどして保冷対策をしましょう。
市販の犬用冷却グッズを使用してみることも効果的です。

長時間の乗車は避ける

暑い夏は犬をのせて長時間のドライブは避けましょう。
ドライブは乗っているだけでも体力を使うので、配慮してあげてください。

また車のエアコンをつけているからといって、犬を乗せたまま車から降りてはいけません。
車から降りて鍵をかけるとエアコンが自動で切れてしまう車が多いです。
エアコンがついたままでも、バッテリーの上昇に気が付かなかったり犬の様子を見れないのでやめましょう。

屋内で使える!暑さ対策グッズ

犬の暑さ対策室内での温度調節は大切ですが、エアコンの温度を下げてつけっぱんしにするのは電気代が気になりますよね。
もっと効率的に電気代を節約しながら、涼しくすることが大切になります。
ここでは、屋内でさらに涼しく快適に過ごしてもらうコツをご紹介します。

クールマット

クールマットは電気は水をつかわずに敷くだけで、ひんやり気持ちよくなるシートです。
洗うこともできて清潔に保てます。
またクールマットを敷くことで、床の汚れや傷も防げるのが嬉しいですね。

カーテン

遮熱カーテンをつかって部屋の温度を下げましょう。

遮熱カーテンは窓からの熱をカットして、部屋の気温上昇を抑えて冷房の効果を強めます。
遮熱カーテンと似た名前の「断熱カーテン」は部屋の熱の出入りを遮断することに効果があり主に冬に効果があるものです。
間違えないように気をつけましょう。

小型冷風機

小型冷風機は犬の高さに合わせて、冷気をおくることができます。
エアコンの設定温度を下げることも防げて、電気代の節約にも貢献できるのが嬉しいです。

外出やお庭で使える!暑さ対策グッズ

犬の暑さ対策散歩中は特に便利グッズがあるといいですよね。
おすすめしたいものがたくさんありますので、一つずつご紹介します。

携帯用自動給水器

携帯用の自動給水機をつかって、お散歩中の水分補給を行いましょう。
ペットボトルにつけるだけで使えるものも販売されていますよ。

クールリング

ペット用クールリングとは首輪のことで、冷蔵庫で冷やして犬の首にかけるだけで体温を下げるアイテムです。
区部に負担をかけないものや、なるべく毛をぬらさないものを選びましょう。
サイズを間違えてしまうと、散歩中に首から落ちてしまうので気をつけてください。

ハンディファン

ハンディファンを使ってお散歩のときに犬に、風を当ててあげましょう。
より涼しくするために、ミストがでるハンディファンがおすすめです。
カートで犬を運ぶときに、ハンディファンをつけておくのもいいですよ。

クールエプロン・クールベスト

クールエプロンやクールベストは、中に保冷剤をつめることができます。
着させるだけでお散歩中の体温をさげることができますね。

保冷材は時間に限りがあるので、短時間のお散歩におすすめです。

冷感タンクトップ

冷感機能がついているタンクトップは、UVケアもできます。
お散歩中に着させてみてくださいね。

凍らせたペットボトル

さきほどご紹介したハンディファンを使う際に、凍らせたペットボトルを通して風をおくると更にひんやり涼しく感じるようです。
また犬の体がほてってきたときに、タオルに巻いて体にあてて冷やしてあげるのもいいですね。

まとめ

この記事では犬の暑さ対策についてご紹介しました。
日本の夏は年々暑さが厳しくなっているので、どこの地域でも熱中症対策が必要です。
犬は人間と比べて、エクリン腺が少なく主に「パンティング」という呼吸法で体温を調節しています。

人間よりも体温調節は苦手で負担が大きいようです。
そのため一層熱中症対策が必要となります。

犬の種類や年齢によっても熱中症になりやすいものとそうでないものに分かれます。
飼っている犬の特徴をまずはよく把握しておきましょう。

犬の暑さ対策をするには屋内・屋外・車内によって対策内容や注意するポイントが変わってきます。

屋内では室内の温度や日光、衛生面を気をつけましょう。
屋外では散歩の時間帯や、水分補給をこまめに行うことなどを心掛けてください。
車内では、乗せる席を気をつけて犬を放置することのないようにしましょう。

また犬の犬の暑さ対策を行うための便利グッズが沢山販売されているので、活用してみましょう。

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