普段、何気なく与えているキャットフード。現代では当たり前に愛猫へキャットフードを与える事が出来ていますが、キャットフードの歴史は実はまだまだ浅いという事をご存知でしょうか。今回はキャットフードの歴史について触れてみたいと思います。

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キャットフードが当たり前の今

愛猫の為に購入して、毎日与えるキャットフード。栄養バランスも考えられているので、キャットフードさえ与えていれば、ある程度の健康は保たれるようになってきました。今では当たり前にキャットフードを手に入れることが出来ますが、ほんの数十年前の日本では「ねこまんま」といったような、人間の食べ残しを混ぜたものを与えている時代もありました。今となっては栄養バランスは大丈夫?となってしまいますよね。

キャットフードはいつ誕生した?

そんなキャットフードですが、まだまだその歴史も浅く、1960年代に初めてアメリカで「キャットフード」が発売されました。今から、たった50年前程のことです。ようやく「ペットフード」として誕生したのが今から約150年程前のこと。この頃にはペットフードとして考えられていたため、「ドッグフード」「キャットフード」という概念はまだありませんでした。

とはいえ、150年前に誕生したペットフードというのも、そのヒントとなったのが、航海の際に船員が持ち込んでいたビスケットが原型とされています。このビスケットは、船員の食料として持ち込まれていましたが、航海から戻ると余ったビスケットは捨てられ、野良犬がそのビスケットを食べていたそうです。

この様子を見ていたジェームス・スプラッツというアメリカ人が、1860年にイギリスで世界初となるドッグフード事業を開始し、1870年にアメリカで「スプラッツ・オブ・アメリカ」という世界初のドッグフード製造会社を立ち上げたのでした。ドッグフードと言っても、この時点ではまだ参考にしていたビスケットがドッグフードでした。

世界中でドッグフードが誕生

こうしてドッグフードの会社が立ち上げられ、ドッグフードという名のビスケットが販売されていきました。一方でキャットフードですが、この頃のキャットフード需要は低く、今では考えられませんが、ドッグフードもキャットフードも同じ扱いで与えられていたようです。

こうしてドッグフード(ペットフード)が誕生しましたが、そもそもペットフードが浸透していったのが馬肉の缶詰からでした。時代背景としては1914年〜1918年に起きた第一次世界大戦で食料として持っていた馬肉の缶詰を犬に与えていたことから、馬肉の缶詰がペットフードとして浸透していき、1939年〜1945年に起きた第二次世界大戦後には、改良が重ねられ、ドライフードが誕生しました。この間、次々とペットフードを製造する会社が誕生します。

日本でも名の知れている会社で言うと、アメリカのピュリナ社の前身となる会社が1902年に、アメリカのヒルズ社が1907年に、アメリカのゲインズ社が1927年に、アメリカのアイムス社が1940年代に、フランスでは1960年代にロイヤルカナン社が誕生しました。日本では1960年に、あの有名なドッグフード「ビタワン」が誕生しました。

因みに、他サイトで確認して知ったのですが、昔ビタワンが販売されていたのが米屋さんに置かれていたのを思い出しました。それには訳があり、当時(といっても1980年代頃)はまだペットフードの販路が無かったため、米屋さんに置かれていたのだそう。名犬ラッシーのブームから一気に販路が拡大していったのでしょうね。

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そして、ようやくキャットフードも誕生

こうして続々とドッグフードが誕生していく中、「キャットフード」はなかなか誕生していきませんでした。先にも述べましたが、1960年代にようやくアメリカでキャットフードが発売されることに。因みに、アイムス社で初となるキャットフード誕生は1980年代に、たくさんのラインナップが揃うロイヤルカナン社のキャットフードでも1994年誕生というのも驚きです。ほんのついこの間という感じですね。

キャットフードが誕生したのも、ようやく猫と犬の食性の違いが判明したためで、ほんの50年程前まではこうした事も判明していなかったというのも驚きです。この当時の日本にいた猫達も、幸か不幸か、ねこまんまが主流となっていたので、味は美味しくとも、体に害のある材料も気にせず食べていたのでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今となっては当たり前のキャットフードの存在。まだまだキャットフードの研究もこれからといったところでしょうか。近年では、毛球症や尿路疾患といった、猫特有の病気に配慮したキャットフードも多くなってきました。こうした流れも数年前までは無かったように思います。

これからもどんどんと研究が進み、より安全で、より猫の体に良いキャットフードが開発されていくことでしょう。飼い主である我々も、しっかりと猫の栄養について理解するようにし、原材料などにもこだわってキャットフードを選んでいきたいですね。

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