猫のストレスの種類は、大きく分けると急性ストレスと慢性ストレスに分けられます。急性ストレスは一時的に感じるストレスです。猫は突然大きな音が鳴ることが苦手で、掃除機、雷、玄関のインターホンの大きな音は猫にストレスを感じさせます。他にも、猫が苦手な柑橘系の香りや、過度なスキンシップなどあります。

来客も猫にとっては縄張りを荒らされるのではないかと心配になり、ストレスになります。慢性ストレスは継続的に感じるストレスです。猫は生活環境の変化に敏感に反応します。部屋の模様替え、使っている食器を変えるといった行為は、猫に継続的にストレスを感じさせてしまいます。また、新しい猫を含む新しい家族を迎え入れる時もストレスを感じます。これは、猫の縄張り意識が強いことも関係しています。普段の生活と少し違うだけでも猫はストレスを感じやすいのです。今回は、猫のストレスについて詳しく解説します。

猫のストレスの種類

まずは、猫のストレスの種類について詳しく解説していきましょう。

ご飯を食べない

猫がご飯を食べなくなるには理由があります。病気だ!と決めつけずに一つずつ、食べなくなった原因を調べて考えていきましょう。猫が元気だけど食べない場合は、食べているフードに問題があるかもしれません。フードが酸化している場合は、風味と匂いが変化します。そうした変化に気が付いたのかもしれません。酸化したフードは猫の健康にも悪く、警戒心が高まって食べない場合もあります。急に普段と違うフードにすると、猫は警戒心が高まり食べなくなることがあるのです。

普段食べているフードをしっかり食べている場合は、無理に変える必要はありません。容器が変化した時も同様です。フードは変えてないけど、容器を変えてあるので警戒して食べなくなることがあります。容器が汚れすぎている時も同じように警戒することがあります。フードを変える場合は、今までのフードに気づかれない程度に新しいフードに混ぜていき、徐々に慣らして変えていく方法があります。ネオフィリアという習性が関係しているかもしれないからです。

ネオフィリアとは、新しいものを好む性質です。猫は好奇心旺盛な生き物で、その好奇心が今まで食べていたものを食べなくなるということに繋がります。とはいえ、今まで食べていたフードに飽きたというわけではありません。フードに問題がない場合は、何らかの体調不良になっている事があります。ストレスが原因の場合は、猫が落ち着ける環境を作る必要があります。なんにせよ一度医者に見せた方がよいでしょう。

脱毛

猫の毛質はシングルコートとダブルコートの2種類あります。抜け毛が少ないのは、シングルコートの猫です。ダブルコートの猫は、換毛期に毛がたくさん抜けます。長毛の猫はダブルコートがほとんどです。猫の換毛期は3月頃と、11月頃の年2回です。換毛期になると、大量の毛が抜け落ちます。これは、暑さや寒さに対応するために、一気に全身の毛が生え変わっているのです。室内飼いの猫は換毛期がなく、定期的に毛が抜けて、生え変わり続けます。室内飼いの猫は何が原因で脱毛するのか紹介していきます。首周りの毛が抜ける場合は、首輪が原因です。首輪と毛が擦れることにより起こります。首輪の重さ、素材が固くて痛い、鈴が付いている場合は鈴の音にストレスを感じて脱毛になります。首輪はやわらかい天然素材で軽く、装飾が少なく、キツすぎないサイズがおススメです。無理につけようとせず、最初は5分だけにし、少しずつ時間を伸ばして慣らします。猫のグルーミングが普段より多い時は注意が必要です。グルーミングは毛づくろいのことで、自分の体をきれいにしたり、気持ちを落ち着かせる時によく見かけます。しかし、頻繁に毛づくろいしている時は過剰にストレスを感じている時や、皮膚病の疑いがあります。同じ部分を毛づくろいし続けてしまうと、皮膚の炎症や脱毛になり、猫にとっても危険な状態になります。一度病院で診察しましょう。

寝てる時間が多い

猫の睡眠時間は16~17時間ほどあります。子猫の時と成猫で多少睡眠時間が変わりますが、長い時間眠ります。しかし、そのほとんどが浅い眠りです。少しの物音で起こしてしまいますので、眠っている姿は可愛らしいですが、触れるのは猫にとってストレスになり、嫌われるのでそっとしておきましょう。

起こしてしまうとストレスが貯まり、酷くなると睡眠不足になってイライラして攻撃的になったり、ストレスによる過剰なグルーミング、食欲不振、嘔吐や下痢といった症状が出てきます。猫は自分が安心できるお気に入りの場所で眠ります。寝る場所は一か所とは限らず、いくつものお気に入りの場所で寝ています。本能的に気に入りやすい睡眠場所はいくつかあり、一つは高い場所です。猫は高い場所を好みます。周りを見渡せれるので安心するのかもしれません。二つ目は、狭い場所です。ダンボール箱、紙袋などに入る猫をよく思い浮かべると思いますね。特に、ダンボールは体がすっぽりと収まりやすく、周りもダンボールで囲われているので猫も安心して寝ます。そこに毛布を置いてみると温かさも確保できて喜ぶかもしれません。

三つめは日向です。日当たりのいい場所は、猫にとって快適に過ごせる温度が確保できる場所なのです。静かな場所も好まれます。猫は物音がするとすぐに目が覚めますので、静かな場所を好みます。しかし、あまりに長い時間眠り続けているなら、何かの病気か、ストレスがたまり続けている可能性があるので、病院へ連れていくようにしましょう。

排泄状態

猫はとても綺麗好きな動物で、決まった場所に排泄をする習性があります。猫の習性を活かしたしつけ方で、トイレを覚えさせてみましょう。まずはトイレを置く場所です。人の視線を感じない静かな場所を選び、猫にとって快適な場所は静かで落ち着ける場所にしましょう。人の出入りが多い場所や、騒がしい場所、餌を食べる場所の近くや、猫が行きにくい場所は猫のトイレの場所に向いていません。そして、一度設置したらできるだけトイレの場所は変えないようにします。

トイレのしつけを始めるとき、猫は自分の臭いのするところに排泄を行う習性があるため、しつけをする猫自身の尿の臭いを新しいトイレに入れておきます。トイレの臭いを嗅がせて「ここが自分のトイレだ」と何度も繰り返して覚えさせましょう。一度覚えると、間違えることはあまりありません。トイレは常にきれいにしましょう。猫は綺麗好きなので汚れすぎていると使ってくれません。トイレ以外で粗相したときは、臭いを消します。トイレ以外の場所で排泄の臭いが残っていると、猫はそこがトイレだと勘違いするからです。猫が構ってくれると間違えて学習したり、怯えさせてしまいまう可能性があるので、もしトイレ以外で粗相をしても怒らないでください。

猫が床の匂いを嗅ぎ始めてうろうろたり、床をカリカリとひっかき始めたら、トイレに行きたいサインです。始めはトイレに行きたいサインが見えたら、トイレに連れていって場所を覚えさせます。何度も繰り返して「ここがトイレだ」と覚えてもらいましょう。しつけをしても粗相をする場合は、ストレスを感じている証拠です。猫は、飼い主に懐きだすと、飼い主の不在の間に、飼い主のにおいが強い場所で粗相をする場合があります。猫を飼っている場合は、長期間の外出等は出来るだけ避けるのがベストです。

攻撃してくる

猫が攻撃してくるときは、大きな不安や恐怖、もしくは怒りから来ます。しかし、むやみに攻撃するのではなく事前に威嚇するメッセージを発しているのです。一度だけ「シャー!」と声を発している時は「ちょっとやめてよー」と言っていので、まだ怒りには発展していません。猫が怒りを感じている時は、低い姿勢になり、何度も「シャー!」と声を出して威嚇したり、低い声で「ウウウー」と唸ったりします。

しっぽを素早く左右に振ったり、毛を逆立たせて自分の体を大きく見せているときはかなり緊張感が高まっています。いずれにしろ、威嚇をして相手を立ち去らせようとしているので、その場を離れて猫が落ち着くのを待つか、猫の怒りの原因を取り除きます。この状態で近寄ると攻撃されます。一度離れて、猫が落ち着いてから近寄って来るのを待ちましょう。猫が恐怖、怯えている時はぺたんと耳を伏せ、頭も低い位置に下げ、とても怯えてると、耳をたたんでいる様に見えます。全身をこわばらせてずくまったり 、時には身を潜めるように隠れたり、怯えて警戒心が強まると、威嚇する声も出します。この状態はものすごく不安や恐怖を感じて緊張しているのです。心配になって声をかけたり触れようと近寄るのは逆効果で、猫が極度の緊張感でパニック状態になる怖れがあります。この時も猫をそっと見守り、落ち着くのを待ちましょう。

ストレスを感じやすい環境

猫にとってよい環境は、人間のものとは違います。人間がよかれと思ってする行動が、猫にとってはストレスになることもあるのです。では、どういった環境が猫にストレスを感じさせるのか解説します。猫は大きな音が苦手で、掃除機、ドライヤー、インターホンといった突然大きくなる音に猫は驚いて警戒します。普段から大きな声を出していたり、大きな物音をたてる人も猫にとってストレスを感じやすいでしょう。また、来客が来るのもストレスに感じます。

猫にとって来客は自分の縄張りを荒らす恐ろしい存在と見られるので、来客の頻度が多い場合は、猫の隠れる場所を増やして猫が落ち着ける場所を用意し、来客の人にも猫に触れないように注意して、猫に必要以上にストレスを与えないようにしましょう。家具を変えたり、配置を変えることも猫にはストレスになります。猫は自分の縄張りに敏感で自分の臭いがする物に落ち着くので、一気に変えてしまうと猫の安心する臭いがなくなってしまい、落ち着ける場所を失ってしまいます。部屋の模様替えをするときは、家具類を少しずつ変えて、猫のお気に入りの家具や物は変えずに残すようにします。それに加えて、日々使っている餌やり容器を変えると、猫は警戒して食事をしなくなります。

私たちにとっては少しの変化ですが、猫から見ると自分の縄張りに急に訳の分からない物があると認識され、警戒するのです。少しでもストレスを和らげるよう、変化させるときは少しずつ、猫が安心できる隠れる場所や猫がよく使っているものは極力変えずにしましょう。

ストレス解消法

猫は、体についた汚れやにおいを取る、ストレスの発散、猫同士の愛情を示すときに毛づくろいをしますが、毛づくろいをやり過ぎている時は、脱毛やストレスが溜まり過ぎている可能性があります。猫は高いところにいるのが好きで、見晴らしがよく、周囲をよく観察しています。キャットタワーやステップを設置して、高い場所を確保しつつ上下に運動できる場所を作りましょう。猫は狭い場所も好きで、周りが囲われている場所だと敵から襲われるのが防ぐことができるため、狭い場所は暖かく過ごしやすい場所なのです。猫は寒さに強くありませんので、こういう場所は猫が安心して過ごせる場所になります。

不安な気持ちや興奮状態になっている時、猫は爪とぎをすることがあります。普段は自分の縄張り主張の意味などがありますが、ストレスを発散させたり落ち着かせるときにも爪とぎをします。飼い主とのコミュニケーションでできるストレス解消法に、ブラッシングがあります。ブラッシングをすることで猫の毛並みをお手入れし、抜け毛を事前に減らし、なでるだけでは気が付かない皮膚の変化を確認し、猫が毛づくろいする時に毛を飲み込み過ぎないようにもできます。上手にブラッシングすることで、猫は安心感を得る事ができるのです。

ストレスを放っておくと…

人間と同じように、猫も体や心に精神の病を引き起こします。分離不安症は、猫が飼い主と離れることで不安になり、過度にストレスを感じて精神的に不安定になる病気です。初期症状では、飼い主を見失うと大声で鳴いたり、飼い主の後ろについてまわったり、部屋をちらかしたり、留守中に頻繁に部屋を荒らしていたり、粗相や体調不良があり、食欲が低下したりします。いつもと違う行動が続いていたら、分離不安症の可能性があります。

未然に防ぐには、依存状態にならないよう、猫が安心する環境や、一人遊びができるおもちゃを用意して飼い主がいないときも落ち着ける環境を作り、猫も飼い主も過剰に構わないようにすると良いでしょう。常同障害という病気もあり、これは主にストレスによって起き、同じ行動をしつこく繰り返すなど、その行為に執着する病気です。猫は毛づくろいをすることがありますが、ストレスがたまり過ぎている時は、やり過ぎて脱毛や皮膚病になります。常同障害の一つに、ウールサッキングがあります。

これは、布類など猫が食べられない素材を吸ったり、食べようとする行動です。正常な時は飼い主の気を引いたり、好奇心ですることがありますが、猫がストレスや不安を抱えている時にも、ウールサッキングをします。放置すると、胃や腸の中に異物が詰まり危険です。ストレスが貯まり過ぎると、免疫力も落ちて猫風邪などの病気にもかかりやすくなります。猫がストレスを溜めすぎているサインを見つけたら、その原因を一つずつ解決していきましょう。

ストレスを感じていない時の状態

猫がストレスを感じていないときに見せる行動は、いくつかあります。猫が伸びをしている時は身体をほぐしたり、リラックスしている証拠です。身体を伸ばして寝ている時は警戒心がなく、安心しています。夏場など暑い時に見かけることもありますが、これは暑いからです。お腹をだして寝る「ヘソ天」と呼ばれる状態も、体を伸ばして寝ている時よりも安心していて、心を開いた相手にのみ見せる行動です。お腹を触りたくなりますが、お腹を触られると猫は驚いて警戒してしまうので、触らないようにしましょう。

ふわふわした物を前足でふみふみしている時は、甘えたい、リラックスしているという気持ちの表れです。ふみふみに夢中になっていることが多いので、刺激を与えず見守りましょう。飼い主にすり寄っている時は、猫が安心を感じる居心地のよい場所と思っているか、暖を取るためにすり寄っている場合もあります。ついつい甘やかしたくなりますが、やり過ぎると、猫側も依存して分離不安症につながるかもしれませんので、甘やかしすぎない程度に接しましょう。触って、猫が目を細めている時は喜んでいます。さらに、猫が体をこすりつけてくれば、それは愛情表現で、頭をこすりつけてくる時は、自分の臭いをつけるマーキング行為です。猫が大好きなものや、安心するものだと認識しています。

まとめ

猫のストレスに関する話を紹介しました。猫への理解を深めることで、知らないうちに猫に対するNG行動を避けれます。猫は、縄張り意識が強く、自分の生活空間の変化に敏感です。例えば、食事の容器を変える行為が猫を警戒させます。猫から見ると、縄張りに見知らぬ物が置いていると考えて、警戒するのです。ストレス対象から離れるために、猫の隠れる安心して落ち着ける場所をいくつも用意することが大切です。猫は綺麗好きで、普段使っている餌の容器の汚れや、排泄に使うトイレが汚いのも嫌いです。猫と生活は猫の生活に寄り添って生活することになります。人間の感覚で物事を考えず、猫に歩み寄り、猫の習性や性格を考えて行動することでお互いストレスなく仲良く生活できるでしょう。

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