キャットフードの原材料の一つ「ビートパルプ」はどのような物なのかご存知でしょうか。多くのキャットフードに使用されるビートパルプ、実は猫にとっては必要のない原材料の一つでもあります。今回はビートパルプについて解説していきたいと思います。

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キャットフードのチェックしたい部分とは

大切な愛猫の主食となるキャットフード。様々な種類のキャットフードがありますが、キャットフードを選ぶ際に注意したい点というのはいくつかあります。キャットフードも人間の食事のように、「保存料」や「着色料」といった添加物が使われている物もあり、また、キャットフードの酸化を抑える為に「酸化防止剤」という添加物も使われる場合があります。

こうした添加物に関しても気をつけたいところではありますが、根本的な部分で言えばキャットフードを構成する「原材料」は特に意識したい部分ではありますね。同じキャットフードでも、1kgで数百円で購入できるものもあれば、数千円のものもあったりと、値段の差も大きく変わりますが、この原材料に関しては、やはり値段相応というのがあります。

ここで、「プレミアムフード」と呼ばれるランクのものから、「粗悪品」と呼ばれるキャットフードの差がひとつ生まれる訳ですが、プレミアムフードと呼ばれるキャットフードでは、人間が食べられる部位の肉を使用されていたり、より新鮮な製法で作られているために、どうしても価格は高騰してしまうのです。

原材料表記に関して

すでにご存じの方も多いかもしれませんが、キャットフードのパッケージには必ず「原材料表記」が記されています。ここで、キャットフードを構成している材料を知ることができるわけですが、原材料表記の一番始めに記載されているものから順に配合量が多いという事が判断出来るようになっています。

例えば、ロイヤルカナンの「インドア ロングヘアー」の原材料表記を見てみると、

「肉類(鶏、七面鳥)、とうもろこし、植物性分離タンパク、小麦、米、加水分解動物性タンパク、動物性脂肪、動物性繊維、大豆油、ビートパルプ・・・・・・」

と続いている訳ですが、このキャットフードの「第一原材料」となるのが「肉類(鶏、七面鳥)」であることが分かります。次いで「とうもろこし」が多く、「植物性分離タンパク」と続くわけです。

このようにして、キャットフードを購入する際には何が使用されているキャットフードなのかを確認するようにしてみましょう。では、なぜ同じキャットフードでも、原材料を意識する必要があるのでしょうか。今回は原材料に多く使用される「ビートパルプ」について考えてみましょう。

「ビートパルプ」とは

キャットフードに限らず、ドッグフード等にも使用される「ビートパルプ」と呼ばれる原材料。結論から言いますと、キャットフード等に使用されているビートパルプは、猫にとっては不必要な原材料でもあり、場合によっては猫の健康にも影響を与える物でもあります。特徴的な問題は、ビートパルプを摂取することで消化不良に陥る事もあり、便秘がちになってしまったりという問題が起きる場合があります。

ビートパルプとは、簡単に説明すると「砂糖」を抽出する際に残る繊維質のことで、砂糖の原料に代表される「甜菜(てんさい。または砂糖大根とも呼ばれます)=ビート」から砂糖を絞り出した後に残された「繊維=パルプ」がビートパルプにあたります。

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ビートパルプがなぜ悪いのか

ビートパルプは消化を助け、善玉菌を増やす効果を与える「可溶性繊維」、腸内を綺麗にし、大腸の働きを向上させて便通を改善させる働きのある「不溶性食物繊維」を含むものです。このように、ビートパルプは一見すると体に良いものであり、キャットフードだけでなく、家畜の餌にも使用されていたり、人間の食品にも使用されている物です。ではなぜビートパルプが猫にとって悪い原材料なのでしょうか。

それには、ビートパルプが「水に溶けない」という性質を持つためである事が言えます。必ずしも猫がこのビートパルプの良い効果を得ることができない訳ではありませんが、あくまでも猫が健康な腸内環境を保っている事が重要で、そもそもが「水分に溶けない=消化できない」事が問題なのです。

猫の体は肉を消化するのには長けていますが、食物繊維を消化するのは苦手な構造になっており、消化の悪い物を食べてしまうとすぐに腸内で影響が出てしまいます。その結果、便秘を招いてしまったり、便の状態が悪くなってしまうのです。便通が悪くなることで、食欲が低下してしまったり、酷くなると嘔吐等の症状も見られるでしょう。

このように、ビートパルプの良い効果を得られるどころか、猫にとっては苦手な食材と言っても良い原材料です。そのため、できるだけ避けたい原材料の一つとして挙げられます。

ビートパルプを使用する理由とは

キャットフードにビートパルプが使用される理由には、良く言えばあえて便を固くし、家庭で飼育する際に便の処理がやりやすくなったり、汚れにくくなるといった事が挙げられ、悪く言えば、ビートパルプを使用することで大きくコストを下げられる為であることが挙げられます。

ビートパルプは、原材料としては非常に安価な物なのです。そのため、粗悪品と呼ばれるような安価なキャットフードに多く使用されがちなのです。

さいごに

もちろん、粗悪品のキャットフードだけでなく、それなりの価格のキャットフードにもビートパルプは使用されています。それだけ、ビートパルプはペットフードの原材料として当たり前に使用されている物でもあります。

一方、ビートパルプを一切使用していない良質なキャットフードもあることを知っておきましょう。しかし、こうしたキャットフードはビートパルプ等で「かさ増し」がされていないために、肉の含有量が増えてしまい、価格も高騰してしまうので、キャットフードとしては高価な物となってしまいますが、愛猫の健康を考えてみると、どちらが良いかというのは明らかでしょう。

パッケージの可愛さやうたい文句でキャットフードを選択するのも一つですが、まずは原材料を確認し、本当に愛猫の健康にとって良い原材料が使用されているのかを、飼い主さんが愛猫の代わりに確認し、判断することが一番重要な事なのです。

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