猫に必要不可欠な栄養素の1つに「ビタミンB2」と呼ばれるビタミンがあります。このビタミンB2は、皮膚や被毛の健康や、細胞の生成を促すために必要な栄養素です。今回はこの「ビタミンB2」について調べてみましょう。

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水溶性ビタミンの「リボフラビン」


「リボフラビン」としても知られるビタミンB2。水溶性ビタミンの1つでもあるビタミンB2は、主に猫の体の代謝を補助するために必要なビタミンです。

この「ビタミン」は、猫の生命を維持するために必要な栄養素でもあり、猫の成長のためにも欠かせないものですが、同じビタミンでも、脂に溶ける性質を持つ「脂溶性ビタミン」と、水に溶けて尿と共に排出される「水溶性ビタミン」の2つに分類されます。

これら、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの特徴をしっかりと理解し、それぞれどんな食品に多く含まれているかを把握することで、より上手に栄養・ビタミンを摂取することが出来るようになるでしょう。

そのためには、まずはそれぞれのビタミンの特徴を理解していくことが大事になります。

水溶性・脂溶性に分けられるビタミン

「脂溶性」「水溶性」の大きく2種類に分けられるビタミン。ビタミンの中でも特に身近で知られるのが「ビタミンC」ですね。

ビタミンC等に代表される「水溶性ビタミン」であれば、水分に溶けるという習性を持ちますので、仮に猫が水溶性のビタミンを大量に摂取しても、尿とともに排出されるので、体内に必要分以上は残ることはなく、ビタミン過剰となることはありません。

しかし、ビタミンAなどの「脂溶性ビタミン」に関しては、尿と共に排出されることはなく脂に溶けるため、体内にどんどんと蓄積される性質を持ちます。こうした生活を続けていくと、ビタミンの過剰摂取となるビタミン過剰症を引き起こしてしまう場合もありますので、摂取量については気をつけなければなりません。

ビタミンB群とビタミンB1の役割

ビタミンB1やビタミンB2など、ビタミンBと言うビタミンはちょっと名前の似ている感じがしますが、「ビタミンB群」と総称で呼ばれることもあるビタミンで、ビタミンB群はすべて水溶性ビタミンです。

そんなビタミンB群のひとつである「ビタミンB1」は、炭水化物を糖質へと変え、エネルギーとして摂取させる働きを持っています。

ダイエット中の猫にも大活躍するビタミンでもあり、体内の糖質をエネルギーへと変えてくれるので、ダイエットフードなどにプラスαを行うことで、より効果のあるダイエットを効率的に行うことが出来ます。

ビタミンB1を上手に取り入れ、体内の糖質や食事の中の糖質をエネルギーへと変えることで、効率よくダイエットを成功させる事ができるでしょう。

細胞の成長を促すビタミンB2

ビタミンB群にはビタミンB1の他にも「ビタミンB2」もあります。ビタミンB2はタンパク質や脂質、糖質を体に必要なエネルギーに変えるという働きも持っています。

ビタミンB2もビタミンB1同様に、ダイエットの際に取り入れるとより良い効果を発揮してくれるビタミンとも言えますが、ビタミンB2を持っても摂取したほうが良いタイミングは、妊娠中や成長期の猫です。

細胞の生成を促してくれる「発育促進ビタミン」とも呼ばれることから、妊娠中の猫や成長期を迎えている猫には非常に重要なビタミンで、皮膚や被毛、爪、粘膜等を成長させ、細胞の再生を促すことから、傷の治りを早くするといった働きもするビタミンなのです。

そのため、出来るだけ積極的に摂取しておきたいビタミンの1つでもあります。

抗酸化酵素を補助してガン予防にも


ビタミンB2は成長を促進したり、皮膚や被毛の健康維持にも欠かせないビタミンですが、その大きな役割には「補酵素」と呼ばれる働きをすることでも知られます。

補酵素とは、こうした体の成長や健康維持に関わる抗酸化酵素を補助する役割をもつ酵素の事で、ビタミンB2がこの補酵素の働きを行うのです。こうして補酵素として働く事で、ガンや白内障、糖尿病、肥満予防といった生活習慣病や病気を予防する効果を持っているのです。

ビタミンB2は成長を促すビタミンだけではなく、愛猫が病気にならないような丈夫な体を作ることにも一役買っているわけですね。

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ビタミンB2が不足すると?

ビタミンB2は猫の体を丈夫に保ってくれるビタミンですが、その反面、猫の健康維持に欠かせないビタミンB2が不足してしまうと、多くのトラブルを引き起こしてしまうビタミンとも言えます。

具体的には上記に挙げられたような「ガン」や「白内障」「糖尿病」といった病気を発症するリスクが高くなるだけではなく、粘膜などの生成にも悪影響が見られるようになりますので、皮膚炎や脱毛、白内障などの症状が引き起こされるようになります。

また、ビタミンB2は母猫や子猫の健康を補助してくれる効果を持ちますが、逆にビタミンB2不足に陥ると、発育に問題が生じることとなります。

ビタミンB2を摂取することで良い影響が多く見られる半面、不足することで様々な悪影響が出てくるということを理解しておく必要があります。

ビタミンB2の不足で招く病気のリスク

ビタミンB2不足が招く悪影響はこれだけではありません。深刻なものでは、筋肉なども生成されなくなり、体重の減少や食欲不振にも襲われ、やがては昏睡状態となり命を落としてしまう結果となるでしょう。

ビタミンB2が不足してしまうと体の免疫力を下げてしまうので、ここにあげた病気以外にも、何かしらの病気になるリスクも高くなると言えます。

また、ビタミンB2欠乏症は、猫と比較すると犬のほうが重大な影響を体に及ぼすと考えられています。かと言って猫がビタミンB2不足になっても大丈夫というわけではありません。

あくまでも犬に比べると耐性があり、昏睡状態にまでは陥ることは少ないと言われているだけで、健康な生活を送ることはできなくなるでしょう。

ビタミンB2を含む食品

水溶性ビタミンであるため、常に体に取り込んでおく必要があるビタミンB2ですが、上手に摂取するためには、どのような食べ物を与える必要があるでしょうか。

ビタミンB2を多く含む食品には、

・レバー
・卵
・大豆
・ヨーグルト
・のり
・緑黄色野菜

等が挙げられます。

水溶性ビタミンなので過剰症はありません。ですので、ビタミンB2単体を摂取するという考えであれば、できるだけたくさん摂取しても問題はないです。ただし、脂溶性ビタミンとなるビタミンA等も含まれますので、しっかりと他の栄養バランスも考える必要があります。

煮干しや小魚がおすすめ


ビタミンB2を効率よく摂取するには、上記に挙げたような食品を摂取する以外にも、煮干しや小魚から摂取するという方法もあります。

犬猫用のおやつ用のにぼしでも構いませんので、おやつとして煮干しを与えるのもおすすめです。煮干しや小魚には多くのカルシウムが含まれていますが、ビタミンB1やビタミンB2も豊富に含まれています。また、ビタミンDも豊富に含まれているなど、ビタミンをバランスよく摂取できる食材ですので、非常に効率の良い食材とも言えるでしょう。

しかし、与えすぎにも注意が必要な食材でもあります。また、人間用の煮干しや小魚は塩分が高すぎますので、くれぐれも犬猫用の煮干しを与えるようにしなければなりません。

サプリメントとしても

煮干しや小魚はおやつとしても与えることが出来ますが、だしをとってスープにするのもおすすめです。

煮出すと栄養分が水分へ溶け出して、栄養豊富なスープにすることが出来ます。また、旨味成分や香りも付きますので、ちょっとしたサプリメントのような使い方も出来ます。

例えば、夏場や食欲の低下しているときに、いつものキャットフードにスープをかけてあげることで食欲を増進させることが出来たり、同時に水分も補給できるようになりますのでおすすめです。

ドライフードは7〜8割が水分を含まない乾燥した状態の食べ物ですので、食後にしっかりと水を飲まなければ水分不足になります。日頃からあまり水を飲まない猫は、こうしてスープとして与えることで、効率よく水分補給も可能になるでしょう。

まとめ

ビタミンB1やビタミンB2は、このように体の健康維持のためにも、常に摂取しておきたいビタミンなのです。不足してしまうことで様々な健康被害が生じてしまいますので、普段の食事から上手に摂取できるようにしておきたいですね。

色々な栄養素がありますが、全ては何かしらの栄養素と相互関係にありますので、どれか1つを重点的にという摂取の仕方は難しいです。そのため、猫の健康を維持するための栄養に関する知識は不可欠なものとなります。

まずは一つの食材でも良いので、その食材に含まれるビタミン等の栄養素を把握するようにし、過剰症・欠乏症にならないような食事の管理をしましょう。

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