トイガーというまるで虎のような容姿を持つ、猫の新品種猫をご存知でしょうか?タイガーとも聞き間違えそうな名前でまだまだ身近な猫ではありませんが、とても魅力的な風貌を持った猫「トイガー」についてご紹介します。
虎のような猫
まだまだ聞き馴染みのない方も多いと思われる「トイガー」。
その風貌も、まさに小さな虎のような感じですが、実際は小さな虎ではなく猫なんです。
このトイガー、タイガーと語呂が似ていますが、その通りで英語の「おもちゃ・愛玩する」を意味する「トイ(Toy)」と、英語で虎を指す「タイガー(Tiger)」が語源となっています。犬でもトイ・プードル等が有名ですが、こちらのトイと同じような意味のトイであります。
虎のような迫力のある縦縞模様を持つトイガーですが、こんな品種、昔からありました?という声も少なくありません。
それもそのはず、トイガーが生産され始めたのは1993年からと、その歴史もまだまだ浅い品種なのです。
トイガーってどんな種類?
トイガーは品種改良によって作られた品種で、もともとは「ベンガル」という品種の猫を、野生のトラに似せるように掛け合わせて作られた品種です。
もちろん、両親ともにベンガルなので、トラのような風貌ではありますがトラの血は入っていません。(遠く遡って行けば辿り着くかもしれませんが)
トイガーの先祖?にあたるベンガルですが、こちらは「イエネコ」と「ヤマネコ」の交配による品種で、ベンガル自体も1970年代に作出された品種で、そこまで歴史が古い品種ではありません。
このベンガルは「猫白血病」の研究のため、猫白血病への免疫を生まれつき持つヤマネコと免疫の無いイエネコを交配し、ワクチン等を作るために作出された品種で、トイガーが虎の雰囲気を持つのに対し、ベンガルはヒョウやジャガーのような雰囲気をもつ品種となっています。
ベンガルの特徴でもある「スポット(豹柄の斑)模様」に対し、トイガーは「マッカレルタビー(垂直方向のストライプ柄)」で、毛色は濃いオレンジ色がベースとなっており、ベンガルの血を引いているのに、何故スポットではなく、マッカレルタビーなのかと気になるところでもあります。
トイガーの歴史
トイガーの歴史は1980年代から始まります。
アメリカのカルフォルニア州でベンガルのブリーディングをしていた「ジュディ・サジェン」さんが、生まれたベンガルの子猫の中に、たまたま「サーキュラーマーキング」と呼ばれる、野生のトラが持つ縞の柄を生まれつき持つ2匹の子猫を発見したことから、リビングでも飼える小柄の虎のような品種を育成することを考えつきます。
こうしてジュディをはじめ、繁殖仲間のアンソニーハッチャーソン、アリス・マッキーらと協力し、本格的にトイガーの繁殖をはじめたのです。
こうして、トイガーの繁殖がはじまったわけですが、世界各地からこの2匹のように虎柄を持ったベンガルを約40匹ほど集め、トイガーの元猫となるベンガルの繁殖を開始しはじめます。
しかし、トイガーは虎に似せるように作られる品種ですが、その最大の特徴である虎のような縞模様のパターンを確実に再現させることは非常に難しく、元のベンガルの模様であるスポットが現れる事も非常に多いようです。
当時は今よりもまだ柄が安定しない状況でしたが、1993年にアメリカの猫種登録団体「TICA(The International Cat Association)」に新品種の申請を開始、2006年に正式な新品種として認定されることになりました。
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まだまだ希少種のトイガー
このように、まだまだ新品種として10年余りしか経っていないトイガーですが、世界各地でじわじわとその存在感を示し始めています。
日本でも数年前から、一般家庭でも飼われるトイガーが見られるなどしていますが、まだまだ身近な品種とは言えません。
その希少性も人気の一因となっていると思いますが、その大多数は海外からの買い付けがメインとなっているようです。
希少種だけに、国内・海外問わず、いつでも買い付けるわけではありませんが、実勢価格は50万とも100万とも言われています。
ただし、あくまでも販売している場合に限られ、そのほとんどは販売を目的としたトイガーではないでしょう。
トイガーを飼うとしたら
そして、トイガーの人気をじわじわと押し上げているのはその風貌だけではありません。
トイガーの持つ性格自体が、飼い猫として非常に優れている事も挙げられます。
その性格は、ベンガルから引き継いだ活発な部分もあり、家庭向けに改良されていった穏やかな部分も持ち合わせ、子供にもよく懐くようなやさしい性格を持っています。
実際に飼うと慣れば、野性味の強いベンガルの血をひくこともあり、充分に遊べるスペースや活発な性格をまかなえる広いスペースを必要とします。
また、体もアメリカンショートヘアー等と比べるとやや大きめの子が大きく、遊ぶ際に使われるキャットタワーやおもちゃなども、充分にしっかりした作りのものが必要になるでしょう。
トイガーってどんな猫?【歴史と飼い方はコレ!】のまとめ
猫が好きな方はもちろん、動物園でも虎が好きという方も多いですが、こういった方々にも人気が出そうなトイガー。
まだまだトイガーとしての品種は途中段階とも言え、中には厳密なトイガーとしての基準を満たしていなくともトイガーとして売買されるケースもあるのだとか。
こうしたことが繰り返されると、トイガーとしての血がまた乱されていくことに繋がってしまいます。
あと、何十年という月日を経過しなければトイガーとしての、虎のような柄が安定しないとも言われていますので、長い目でトイガーを見ていければと思います。近い日に、お目にかかれるといいですね。
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