「ブルーキャット三姉妹」にも名前を連ねる、ブルーの毛色を持つ美しい猫「シャルトリュー」。気品高いその風貌や、愛嬌のある性格は、今もなおフランスの国民にも愛される猫です。今回はこのシャルトリューについて解説していきます。

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シャルトリューってどんな猫?

原産国をフランスに持つ「シャルトリュー」。フランスでも非常に愛されている猫のひとつでもあり、「フランスの宝」「生きたフランスの記念碑」などと評される程に、フランス国内において大事にされている猫種の一つとも言えそうです。

このシャルトリュー、見た目が他の品種に似ていると思いませんか?お分かりの方も多いと思いますが、ロシア原産の「ロシアンブルー」や、タイを原産国に持つ「コラット」と共に、美しい濃い青色の毛色を持つ猫としても知られており、一部の猫ファンからはこの3品種の愛称として「ブルーキャット御三家」と呼び愛されています。

このように美しい毛色と共に愛されるシャルトリューですが、16世紀のフランスの文献にも「灰色の被毛に銅色の目を持つ猫」の模写が確認されることから、シャルトリューの起源が相当に古い事がうかがえます。

シャルトリューに似ている「ロシアンブルー」や「コラット」ってどんな猫?

ブルーキャット御三家と言われる「シャルトリュー」「ロシアンブルー」「コラット」。いずれの猫種も美しいブルーの毛色を持ちますが、それぞれ原産国も違えば、特徴も違っています。

ロシア原産のロシアンブルーは「フォーリンタイプ」で、性格は白黒はっきりした猫らしい性格で、活発な猫です。
タイ原産のコラットは「セミコビータイプ」で、性格はやや物静かな一面もありますが活発な猫です。

一方、フランス原産のシャルトリューに関しては「セミコビータイプ」で、性格は甘えん坊、活動量に関してものんびり屋の性格が多いようです。

見た目には同じブルーの毛色を持ちますが、毛質や肌触りもそれぞれ違い、それぞれに性格も違えば活動量も違うのです。

シャルトリューは「ブリティッシュショートヘア」にも似ている?

上記のブルーキャット御三家の他にも、シャルトリューに似た美しい毛色を持つ猫が存在します。その猫種とは「ブリティッシュショートヘアー」です。ブリティッシュショートヘアーの毛色の一つ、「ブリティッシュブルー」は、シャルトリューのような美しい灰色〜青色がかった毛色を持ちます。

イギリス原産のブリティッシュショートヘアーは、「セミコビータイプ」で性格はツンデレ、活動量に関してはやや活動的と言った感じです。同じブルーの毛色をもつため、過去にはロシアンブルーと交配させることで、血統を残そうとした時代もありました。

ブリティッシュショートヘアーもまた、シャルトリューとは全く違った毛質であり、見た目では似ていても、被毛に触れてみるとまるで違う猫だと言うことがわかります。

シャルトリューのルーツ

このように古い文献にも確認されるシャルトリューですが、残念ながら正式な起源というのは残されておらず、フランスの「シャルトリュー派」の修道士が持ち込んだという説や「シャルトリューズ」という名前のリキュールにちなんだという説など、他にも色々と説が上がっており、その起源も不確かなものとなっています。

様々な話が上がってはいますが、第2次世界対戦時には絶滅の危機にも瀕したという過去もあり、その後のシャルトリューの血統を存続させるために、「ペルシャ」や「ブリティッシュブルー」などとの異種交配が進められることで、その血統を今日に繋いでいます。

1970年代には日本を含む各国への輸入が進み、アメリカの猫種登録団体「CFA(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION)」や「TICA(The International Cat Association)」にも新品種として正式に登録がされるまでになりました。

シャルトリューの特徴と性格


シャルトリューは非常に賢く、甘え好きであることから、人の事をよく観察するのが好きで、洞察力にも長けている猫とも言えます。

活発的で猫らしいというイメージではなく、どちらかというと上品な猫なので、温厚な子が多いです。しっかりと人のことを観察し、気がつけば甘えてきているといった感じで、人のことも好きで、遊びにも誘う甘えん坊な一面があります。

その温厚な性格は、子供との遊びにも活かされており、攻撃的な部分も少ないことから、多頭飼いや小さな子どもがいる家庭でも、安心して飼うことができるでしょう。
また、シャルトリューは声が小さいことでも知られます。鳴くこともまれとも言われ、その鳴き声も小さいことから、マンションでの飼育にも向いている品種とも言えそうです。

シャルトリューの大きさはどの位?

シャルトリューの大きさに関しては、おおよそ4kg〜6kgとやや大きめの猫種です。ボディタイプに関しては前述の通りセミコビータイプで、尻尾がやや長く、丸く力強い目とがっしりとした顎の、やや大きめの輪郭が特徴的な猫です。

おなじセミコビータイプの猫には「コラット」や「ブリティッシュショートヘアー」をはじめ、人気の猫種で知られる「アメリカン・ショートヘア」が挙げられます。

中でもシャルトリューに関しては、全体的にがっちりとした体格が印象的で、胸板も厚め。輪郭も丸いことから、全体的に丸みがかかったような体型のイメージも持たれるでしょう。また、見た目よりも重たく感じるかもしれません。

また、ブルー御三家やブリティッシュショートヘアーと比較しても、シャルトリューは被毛の質感も良いのが特徴的です。

シャルトリューのお手入れ

シャルトリューの最大の特徴である毛色と毛並み。毛色の美しさもさることながら、その短毛の毛並みも、素晴らしい触り心地で、見るものも触れるものも虜にしてしまいます。

常にシャルトリューの被毛を美しく保つためにはコマ目なブラッシングが必要となります。とはいえ、そこまで神経質にブラッシングをする必要もなく、1〜2日に1回程度のブラッシングでも十分に美しく保つこともできます。

また、シャルトリューの被毛は水を弾く毛になっており、油脂も少し多めですので、あまりに被毛のケアを怠っていると、体臭も強くなってきてしまいますので、定期的なブラッシングで皮膚と被毛の健康を保てるようにしましょう。
こうした状態を放置してしまうと、皮膚疾患にも繋がり、予期しない事態にもなりかねません。
しっかりとした被毛ケアをして、美しいブルーの被毛を維持するようにしましょう。

シャルトリューの「微笑み」


シャルトリューの特徴の一つでもある、口角の上がった口は「ほほ笑み猫」という名称でも親しまれています。その名称の通り、シャルトリューの口角は少し上に上がっていて、まるでニコッと微笑んでいるようにも見えなくありません。

また、シャルトリューはやや太りやすい体型もしていますので、適度な運動スペースや運動をさせるようにしましょう。最近では「デブ猫」もかわいいともてはやされていますが、肥満は寿命を短くし、病気の根源を作ってしまいます。

とても甘え上手で賢い猫なので、その笑顔のような表情でついつい甘やかしてしまいそうですが、シャルトリューの気品に満ちた容姿を維持させるためにも、そこはグッとこらえて、シャルトリューの容姿と健康のために、厳しく行きましょう。

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シャルトリューの気を付けたい病気

シャルトリューの気を付けたい病気の一つに「のう胞腎」が挙げられます。のう胞腎とは、腎臓にできたのう胞に水が溜まってしまい、腎臓の働きを妨げてしまう病気で、残念ながら効果的な治療法はまだ発見されていません。

初期症状では元気の喪失や多尿といった様子が見られるようになり、次第に息切れといった症状も見られるようになります。症状が悪化してしまうと慢性腎不全を引き起こしてしまい、命を落としてしまう事となります。

のう胞腎を予防する方法も確立されていませんが、なによりも大切になるのは腎臓になるべく負担をかけないということ。常に新鮮な水を飲めるようにしておくことや、おしっこをため内容にさせることが大事になるでしょう。

シャルトリューの価格はどのくらい?

シャルトリューは日本でもまだ比較的珍しい猫種になりますが、まれにペットショップなどでも見かけることがあるでしょう。

シャルトリューの相場価格としては、おおよそ20万円前後ほど。ペットショップなどでも見かける機会はありますが、シャルトリューを探している方も多いため、入荷するとすぐに飼い主が決まってしまう事も多いかもしれません。

また、シャルトリューのブリーダーに関しては個人ブリーダーが多く、インターネットなどでも探すことが可能でしょう。大きめの猫舎では、シャルトリューのブリーディングを行っている所が少ないようです。

ブリーダーから迎え入れる際のメリットとしては、よりシャルトリューに詳しい方から迎え入れることが出来る点や、親兄弟などの顔も見られるという点でしょう。シャルトリューに関してはまだまだ珍しい猫種ですので、シャルトリュー特有の悩みなども共有しやすいでしょう。

まとめ

ペットショップなどで見かける機会も少ないかもしれませんが、もし見かけた際はぜひロシアンブルーなどと比べてみて下さい。確かに似てはいますが、そのさわり心地は、ロシアンブルーとはまた違ったもので、美しいと評される意味もわかるはずです。

また、非常に飼いやすい猫でもあると思いますので、これから猫が欲しいを思っている方も、ぜひ検討するひとつの候補としていれてみても良いかもしれませんよ?

まずはブリーダーを探すほうが、シャルトリューを迎え入れる際には手っ取り早い方法となりますので、良さそうな個人ブリーダーを探してみましょう。

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